新たなる街へ

5月16日 金曜日 出発から9日目

朝、昨日横で寝ているおじいさんに言われた通り

ラジオ体操のために人が集まっている気配がテントの外でする。

参加しようと思っていたけども、朝の冷え込みが厳しくテントから出れずにいた。
昨晩も寒さで何度か目が覚めて体をちぢこませた。

ラジオ体操も終わってしまった。

日が昇って来て体を奮い起こし
部品が届く予定なので荷物をゆっくりと片付けて
朝河口の防波堤にちょこんと座り、気持ちいい日の元で朝食をとった。

おじいさんが川に向かってウーちゃん‼︎ウーちゃん‼︎と定期的に叫ぶ。

何を呼んでるの?
質問してみたら川鵜にその名を名付けているらしい。
すごい!鳥まで手なずけてるんですね!こっちに来るんですか?

「いやこん。逆ににげるわい。」

なんじゃそりゃと笑わされてしまった。

一度、朝一で郵便局に確認しに行ったがまだ到着していなかった。
郵便局員さんの説明ではそろそろ一回目の郵便を配送しにくるので
その時にあるかないか分かるみたいだ。

一旦まゆさんも洗濯などを持って来ているかもしれないので引き返した。
すると、昨日預けた荷物と白いビニール袋に入ったおにぎりのお弁当が置いてあった。

あらら、今日は用事で最後は会えなかったかな…?
少し心寂しい出発になるかなー。と河口の川を眺めてふと横を見ると

あ、居たんやね。

てくてく歩いてくるまゆさんが居た。

すべての荷物をまとめ、自転車を押して郵便局で部品待ちをしに移動。

なんだかさみしいな〜とか言ってると
「何言ってんのよ!今日は岡山くらいまで行っちゃいなさいよ」
と言ってくる。

まゆさんは人にアドバイスや助言をするのが上手な方だった。
喋ってる時もまゆさんの携帯が鳴り、相談を受けている姿を何度か見た。
きっと、周りの友達などからも相談するには最適な人なんだろう。

郵便局に着いて確認したけどまだみたいで
外でタバコを吸おうかと外でタバコを用意しているうちに
荷物を載せた赤い郵便局の軽ワゴンが止まる。

ビンゴー!

運んでいる荷物の名前に上鶴の文字が見えた。

早速受け取り、手こずりながらも装着完了。

いよいよこの町を出る時が来た。
今日を含め5日間、とても偶然とは思えない出来事の連続。

旅を開始早々、面白い経験をさせてもらった。

まゆさんも最初あった時は再び旅に出るかどうか迷っていたみたいだけども
「良い刺激をありがとう。チケットを先に取っちゃうわ。」
と行く気になってるみたいだ。

一人でも多くの人に新しい一歩を踏み出すきっかけになれたらいい。
そう思って日々行こうとしている自分にとっても最高の知らせだ。

本当にたくさんしてもらって、
目には見えない物もたくさんもらった。
あなたは恩人です。
これから、この経験があった分、すごい良い旅が出来そうです。
本当にありがとうございました。

そして再びペダルを漕ぎ出した…
あれ?こんな重かったか?!と少しふらついて出発した。

最後に写真を撮りたかったけども、撮り忘れて後悔したが、またどこかでいつか会えるような気がする。

岡山に入るまでに一つ峠があった。
全部で峠は10kmほど
今回の旅初めての峠でヒーヒー言いながら峠を越えた。

ちょうど峠を越えた辺りにコンビニがあったので休憩することにした。

そこで…またもや事件が発生した。。

やっと越えたかー、と大きくため息をついた時の事!!!!!!!!

あれ、口の中に固い虫みたいなものを感じて
すぐさま、うわぁ!ペッ!!と吐き出した。

虫ではない。
白い光沢のある石?みたいだ。

え?

よく見てみると

が欠けている…。

えぇぇぇぇぇえぇぇえええええぇぇぇぇえーーーーーーー?!

ため息で?!

そんな事ある?
そんな事あるー?!
えーそんな事あるーーーー??

と10回ほど独り言をブツブツ言ってはみたが
どうやらまぎれもない現実。
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上前歯の左が半分くらい無くなって
すごい間抜け面だ。

間抜け面で日本一周?
自分でつぶやき笑うしかなかった。

沖縄か北海道の仕事する予定の場所でどうにかするしかなさそうだ。

コンビニのお姉さんの店員さんに話しかけられたので
さっきここでため息ついたら歯が折れました。って
言うとすごい笑ってくれた。

笑ってくれたからよしとしよう。
笑いの収穫は得た。

接着剤か何かでつけてみようかな。

とか考えながらまた漕ぎ出した。

今日は何としてでも兵庫を抜けて、まゆさんの言う通り岡山に行きたい。

2号線の備前市は吉井川の綺麗な西日の風景を横目に
備前大橋を越えて岡山市に入った。
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8時くらいに市街地に着いて
大きい自転車をゆっくり運転しながら市街地を探検。

すると、神戸の知り合いのお店のステッカーが貼ってある
イタリアンダイニングバーを発見して親近感が沸いてついつい入ってしまった。

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この日は女性の方が一人でやっていて共通の知り合いの話しなどをしたり
店に来ていたお客さんと楽しく話しをして
2杯飲み物を飲んだのにもかかわらず、日本一周中と言う事もあり
1杯そのお姉さんのご馳走して頂いた。

街に入ってすぐだったため、少し探検しようとまた店を出て行動開始。

駅前で人間観察してみたり(どっちが観察されているか分からない状況)
自転車を押して放浪していた。

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やがて、街中の公園を見つけ朝から
インスタント麺しか食べていなかった事を思い出して
まゆさんにもらったおむすびを頬張った。

握り加減も塩加減も具材加減も程よい冷めていても美味しいおにぎりだった。

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ご飯も食べて疲れと眠気が一気に押し寄せてきたため
近くの大きなスポーツ公園に来た。

本当に大きな大きな公園で到着が11時頃。
真っ暗だったので全貌はまだ確認出来ていない。

何はともあれ、無事やっとこさ兵庫を越えました。

次の目標は広島。2日ほどで行きたい所だ。

3日分ブログ溜めていたから書き終えて完成が朝の4時過ぎ。

非常に眠い。

8日目 芝生の丘のアジト撤退命令

5月15日 木曜日 (停泊4日目)
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昨日から降り続く小降りの雨は止んでいなかった。

しとしと降り続く雨を朝からまたぼんやり眺める

学校のチャイムが鳴り、休み時間には必ず生徒の誰かがこっちを見ている。

ここに来た初日、週に三回ほどテニスをしに来ているおじいさんが
休憩でいつも丘を上がってここに来て話しをしにくる。

ある程度、芝生の丘にコミュニティーみたいなものが出来てきていた。

すると4日前にスペインから帰って来た友達が
会いに来てくれると連絡が入って、わざわざ来てくれた。

友達が来てから他愛もない話しをしていると
2日前にここに弁当を食べに来て一度話しをしたおじさんも登場
日本人の価値観や、人生の価値観、
世界の色んな文化について屋根の下で語り合った。
3人で語り合っていると…
警察官が来た。

いよいよか、学校の横だし長期間はまずいかなーと思って居たが
どうやら、その予感は的中だ。

ここを出なければならなくなった。

ある程度これまでの経緯を説明すると警察官もこちらの気持ちを分かってくれ、
雨をしのげて寝れる場所を一緒にタバコを吹かしながら考えてくれた。

自分の思い当たる所は近くの橋の下。
警察官もそこしか思い当たらないといった様子だ。

だけどそこにはホームレスらしき人が先客でおり、
橋の下の隅っこの方に犬小屋を設けて犬まで飼っている。
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そこに一緒に泊まっていいか交渉しなければならなさそうだ。
結局、他に検討もつかないので警察官が帰ってから店じまいをして
ダメもとで交渉に向かった。

日本一周してるんですけど、一緒にここで寝て良いですか??
「おう、ええよ」と小柄な顔つきは目がくりくりした可愛いおじいさんだった。

許可をとって荷物を橋の下に移す
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友達がご飯に連れて行ってくれると言うので
お言葉に甘えてご馳走してもらった。

加古川まで車を飛ばして、ご当地名物かつめしを頂いた。
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ご飯の上に牛カツにデミグラスソースがかかっている美味しい料理だった。

まだ近い地域だけども食べた事はなく、その味に感動した。

食事が終わり橋の下に戻る途中
あのおじいさんはなぜあそこに居るのだろう。

少し気になるな、と友達と話しをして
聞き出して見てよと頼まれた。

まぁそう言う話しになれば聞いてみよう。

そうして橋の下に戻って少ししてから
満腹になった友達は眠気が最高潮で休憩してから帰って行った。
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ビールが余っていたのでおじさんにお酒飲みますか?
泊めてもらうお礼に差し出そうとしたのだけど
「いや、ワシは酒で失敗してから一切飲まんのや。
見るだけでも、もう嫌なんじゃ。」そう断られた。

昔よっぽどの何かあったんだろう
深く聞く事では決してないと思い、何があったかはやっぱり聞かなかった。

でも話しが好きな様で橋の下のあれこれを教えてくれた。

「あそこの壁は雨が降ると水が落ちてくるんじゃ
この町の祭(ペーロン祭)があって夜その練習のために
近くで発電機を使うからうるさくなる。
わしもラジオを使うから大丈夫か?
あ、朝にもラジオ体操を近所人が来るからやるでのぅ」

そんな調子で話しかけて来て気さくな人だ。

ペーロン祭とは、造船が盛んなこの町の船に関する祭りで
5月の末辺りに町の目の前にある河口で行われる。
船に和太鼓と何やらカンカン鳴る金属音の楽器をリズム良く鳴らせて
漕ぎ手に漕ぐタイミングを合わせさせて、どれだけ早く進めるか祭当日に競争する様だ。
大きい船だと20人ほど乗っていて
小さい船だと4〜6人でそう言った練習をしている。

色んな企業やら学校、女性の部門もあるらしい。

おじさんは10年ほど橋の下に住んでいて
寝るときもリクライニングチェアーに数枚の敷き布団を乗せ
2枚の毛布に掛け布団。

テントも何もなしで風さらしもいいところだ。すごい。

冬、寒くないんですか?と聞いてみても

「いや、これくらい布団あれば朝には汗かいとるわい」と言う

そうか、いけるのか。
案外冬でも野宿って出来るんだ…と関心させられる。
このじいちゃん、俺より野生レベルが凄そうだ。

ちなみに犬の名前はクゥちゃんだそうだ。

いつも通り夕暮れ時の川辺でペーロン祭の練習をしている音が聞こえ
川を勢いよく漕いで進む船を音と共に楽しんだ。
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そういえば、さっき寝床を変えたから
旅人のまゆさんはもう俺が行ってしまったと思ってしまって
もう会えなくなる可能性があるな。

何となく今近くに居る様な気がして来た。
旅に出ると感が鋭くなる。

町を小さく一周、二周してみてもいない。
仕方なく諦め買い物をして帰ろうとした時。

スーパーの前でばったり。

やっぱりいたー!

「あら、さっき丘の方に見に行っても居なくて
もう出てしまったのだと思って帰る所だったの。」

それもやっぱり。

それから寝床近くに移動して
祭の練習を眺めていつもの感じでお互い話していた。
主に四国88カ所を周った経験談を教えてもらって
四国に向けてのイメージがグッと広がった。

ありがたい事に洗濯と電気類の充電をして次の朝持って来て頂ける事になり
本当にお世話になりっぱなしで、感謝の一言では言い表せない。

「洗濯乾かさなきゃいけないし、そろそろ帰るね。」
とそう言って今日も10時頃に帰って行った。

おそらく明日、待ちわびた部品が来るはずだ。

そろそろこの町ともお別れか…。

少しセンチメンタルな気持ちになりながら寝袋に入った。

7日目 全ての出来事は必然。

5月13日 水曜日 (停泊3日目)

今日はいつもより少し早く起きた。

昨日の晩、すごく大切な事を思い出したからだ。

実は3日前、自転車のトラブルと、もう一つ問題があったのだ。

それは出発前日に大切な友達が水晶の付いたネックレスをもらっていた。
そのネックレスはその人がずっと大切にし
肌身離さず持っていた物だった。

自分も同じ様に19才の頃から肌身離さず付けていた水晶のネックレスを
もらうだけでは悪いので「また再会した時にまた交換しよう」
と自分の分身とも言えるほどお互い大切なものを交換した。

その大切な大切なものを山登りの日にどこかで落としてしまっていたのだ。

2日ほど、どこに行ったか考えても全く検討も付かず
ただひたすら落ち込んでいた。

そして3日目の夜、満月にほど近い綺麗な月を眺めていると
ふと、誰かが呼んだかの様に思い出した。

山の山頂で髪の毛を束ねる時に
一瞬ネックレスを外したビジョンが鮮明に思い出された
これは…行くしか無い。

また雪彦山を登ることを決意した。
誰かが持って帰ってるかもしれないし、
まずそこではないかもしれない。

分からないけど、可能性があるならかけてみたいと思った。

そして翌朝の14日
弁当を作りテントの中に荷物を全部置いて行き
雪彦山に向かった。

荷物を積んでいない自転車は快調に走った。
何度かボルトを探した海岸沿いのアップダウンが激しい道を10km越え
片道70kmにも及んだ。

登山口に着いたのは午後2時半。

早速登山を開始する。
登山ルートが3つほどコースを選べるので前回登っていないルートから登山開始。
このルートは行者が修行する為に登ったルートだけあって険しい道だった。

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両手も使わなければ登れない状態で3、40分登る。
体をこすらないと通れない大きな岩もあった。
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水を自転車に忘れているのに気がついたがもう遅い。
足は70km全力で漕いでガタガタ震えている。
今更、またこの急斜面は戻れない。
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途中、最後の登山者に訳を説明してペットボトルに半分以上ある水を頂けて助かった。

見覚えのある合流地点に到着し、また山頂を目指す。
登り始めてから1時間ほどして名峰雪彦山という看板が見えた。

山頂がここだと思って居たが違ったみたいだ。
少し勘違いをして遠回りしてしまったみたいだ。
時刻は3時半をまわっている。
夜になれば危険だし、空もどんより暗く
雨も今か今かと降り出しそうな天候だ。

半袖半ズボンに軽いランニングシューズで来てしまった事を後悔した。

崖から転落でもしようものなら
誰も登山者が居ないこの時間では通報してくれる人も居ない。
落ち方によっては、死を意味するだろう。

この山ではつい最近もこの山に慣れた登山者が崖から転落して亡くなっている。
崖の上にも真新しい花が手向けられているのを3日前に見ていた。
そうした事が頭に浮かんで少し恐怖を覚えた。

自分の身は自分しか守れない。
思わず足に力を入れた。

二等三角点の一つ(大天井山)を越えたのなら、もう一つの三峰山のはずだ。
さらに30分、山の峰のアップダウンを歩き山頂に近づいた。

なかったら…

そんなことも頭によぎるが
もう行って確認するしかそれを知る術はない。

恐る恐る記憶にあったベンチに近寄る。

ない…。
隙間に挟まってないか、丹念に調べた。

途方に暮れて顔を上げると…

誰かが見えやすい木の棒にくくり付けていた。

その石を見つけた瞬間、雨がパラついた。

まるで石が見つけてもらって嬉し涙を流している様なタイミングだった。
そしてまた、自分も自分がここに人の大切なものを
忘れて置き去りにしてしまった事に静かに涙した。

もう手放さないからな。

雨は降り続くのかと思いきや、その一瞬の20秒ほどだけだった。

でも安心はしていられない。
山頂からは下山の下りのみで安全第一で走って山を下った。

もうすぐ下山出来る距離に近づいた時
雨は降り出した。

石が守ってくれている。

難を逃れ下山。

辺りは薄暗くなっていた。
一息つき、今まであった事を振り返った。
頂上で大切なものを忘れて
荷台のネジが外れてしまい
数日間休める場所辺りでその事を見つけれた
これは偶然なのか必然なのか。

石が呼んでいた。そう感じずにはいられなかった。

またまた、帰りにお世話になったマンガの清水さんの家を訪ねてみた。
この前お世話になったお礼を言いたかったのだけど
またまたジュースを3本頂いた。

また、神戸に帰ったらこの山登りにくるので
その時また顔を出します!と言い残して
足早に相生市へ自転車を向けた。

小降りの雨が続く中ひたすら走って
あと8kmほどの2号線を走っていると
リアキャリアに鞄を二つ付けて颯爽と追い越して行くチャリダーに出会った。

呼び止めて少し話しをした。
彼は19才で横浜から5日かけて来ているらしく
2週間しか休みが取れないからスピーディーな旅をしている様。
なんと一日の走行が200kmを越えるらしい。
鞄二つだけだと、こうも違うものかと関心させられた。
夜7時あたりだったけど今夜岡山まであと60kmしかないから
岡山を目指します!!と去って行った。

良い旅を。そう言って自分も芝生の丘へ戻った。

屋根付きの芝生の丘の上に帰ると
旅人まゆさんからの置き手紙と差し入れが置いてあった。
残念ながら食べ物はカラスにやられて見当たらないが手紙の一節はこう書いてあった。

起こる事すべてBESTだよ。と

「うん、本当にその通りだな。」

そうつぶやいてこの日は寝る事にした。

5月12日 六日目 (停泊二日目)

5月12日 火曜日

朝、9時頃学校のチャイムの音で目が覚めた。

外に出ると昨日と打って変わって晴天。

一日中快晴のいい天気だった

部品が神戸に14日の翌日に神戸に到着して
そこからここに発送するので最短でも
あと2日か3日滞在を余儀なくされそうだな。

とは言ってもする事がない。
とりあえず昨日、天気が悪くて太陽発電できなかったため電源が欲しい。

今日こそは寝床のアジトから50mの図書館が開いている。
個室の学習室の電源が使えるか偵察に行かなければ

学習室は二階にあった。
ドアを開こうとしたけども
ドアにコンセントを使わないで下さい。
と書いてある。

迷惑をかけてまで頂きたくはないので引き返し

戻って、自転車の荷物をすべて外して
再び荷台の落としたボルトを捜索しに行く事にした。

記憶の手がかりではこの町に入るまでの海岸線で手前5キロ前後の下りの時に
何か金属が跳ねた様な音が聞こえたと言うだけだ
正確な記憶ではない
なにせ自分には関係のない落ちてる物を踏んだのだとその時は思っていたのだから。

10km戻るとむこうの町の道の駅でそこまで行って無ければもうなさそうだ。
下りのスピードで部品が落ちると海や崖の下に行ってしまっているかもしれない。

ひたすら漕いで流れる地面を見たけどもやはり
もう、見つからなかった。
往復したあと荷物を置きっぱなしのアジトに戻った。

一応置きっぱなしにしている荷物にはブルーシートを被せて置いたけど
誰か触った様子も無くひと安心。

今日は雲一つない晴天の丘をぼーっと見下ろしていた。

小腹が空いたのて3年前旅してた時に東京の応援して頂いてる人に頂いたインスタントショートパスタが、残ってるのを思い出し作っていた。
事故に遭ってから旅に出てから食べると決めていた懐かしいものだ。

お湯を入れて3分経てば粉末を入れる。
カップ麺とかわらないが違うと言えば容器が袋だという事くらい。

粉末を入れて混ぜていると

少し目を離した隙に、近くまで女性が歩いて来ていた。

まさかのまゆさんが登場した。
やっと来たね〜とお出迎え。
その内、またこの町で会うと思って居たからそこまで驚きはしなかったが
まゆさんの話しを聞いて驚いた。

「ここにはもう何年も来てなくて、きのうあなたの事を少し探したけど見当たらなかったからもう行ってしまってたんだと思ってた。」
「でも図書館で本を借りてたら、今日は天気がいいから晴天のこの場所がビジョンでハッとイメージ出来たから久しぶりにここへ来たの。」

不思議な再会を果たして
昨日ご馳走になったので
残っているビールを2本ずつ飲み
ぽかぽか陽気の中数時間色んな話しをした。
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自分の今まであった事
これまでのいきさつから宇宙の話しまで。

たまに沈黙があってもお互いぼーっと丘の上からの景色を見ていた。
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少し肌が痛くなるくらい日向にいた。

夕方になって、近くの温泉が休みなため、安い違う銭湯の場所を聞いた。
風呂に入りに行くタイミングでまたさよならした。

聞いた所の銭湯は数年前にもう無くなってしまっていたらしく
結局今日も風呂に入れなかった。

加古川の友達の家から4日入っていないから
明日には絶対に入りたいところだ。

停泊期間つづく…

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5月11日 五日目(停泊一日目)

5月11日 月曜日

「ここ使うのでもう起きて下さいよ〜」

おじいさんの声で起きた。
テントが飛びそうなほど風が吹いている。

目の前に運動場があり、砂埃の中目をシバシバさせながら大急ぎで片付けをする。

さて、どうしよう。

ひとまず宿泊した運動場前から少し歩いて坂を上がった所に
昨日のお姉さんが教えてくれた図書館がある。
もしかしたら個室の学習室があるから
電源が確保できるかもしれないという情報を昨晩聞いていた。

天気が機嫌を損ね始める中、足早に向かった。
その日は休館日だった。
充電して本でも読んで時間を潰す予定だったがそうもいかなさそうだ。

途方に暮れて辺りを見回した。
目の前に、小高い芝生の丘が見えた。

あの先は何かあるのかな

歩いて偵察に向かい、芝生の山を一越えすると一番高い丘の場所に屋根付きのベンチがあった。
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公園の一番端に位置したひっそりとしたいい場所だ。
すぐさま移動してそこをこの町の拠点(アジト)とすることにした。
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風は収まらず雨が降り始め、ただ芝生の丘を見下ろし数時間ぼーっとした。
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あまりに暇なので少し雨が収まっている間にインスタントコーヒーを買いに行き
今まで道で出会った方々に頂いてきた
お菓子を食べながら、暖かいコーヒーをすすった。
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ここからは住宅は見えなく、見えるのは中学校の2階から上だけ。
チャイムが学校にいる時の様に近くで授業が終わるたび鳴り響く。

その音に昔懐かしい思い出を見せられただ目をつむっていた。

たまに生徒に窓からこっちを見られている気がする。
一度クラスの全員で見ているような時もあったが
放課後こっちに偵察しに来るような子はいなかった。

変なおじさんだと思っているのだろうか。

それは間違いない。変なおじさんです。

幸いここは正門とは逆の位置で、あまり登校には通らない道の様だ。

この日、またもや知り合いカップルが近くに寄るから
来てくれると連絡があり夕方から夜8時位まで
ビールを飲みふざけた話しを話しをして、手料理のカレーなどを振る舞ったり。
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帰ってしまってからはすることもなく
知り合いが置いて行ってくれたビールを片手に
丘からの景色と横殴りの雨をただ静かな気持ちで見るのだった。

あまりに横風がキツくて四本柱の一面をビニールシート張って壁を作った。
これが無くては雨風ともにしのげない。

テントは屋根の下に何とか張れるスペースがあったのでそこで張ることに。

今日は結局、旅人のお姉さんは現れなかった。
昨日居た場所とは道を挟んだ公園の奥だから
まず、ここにいる事さえ分からないかもしれない。

その日は疲れていたのか、寝袋はひろげていたものの
いつの間にか寝てしまっていた。

【世界の各国を一周づつする果てなき旅】〜 1カ国目 日本編 〜