7月12〜13日『自力で立山標高3,015mへの道。』[前編](431〜432日目)

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一歩一歩、確実に一位へ迫っております

さて、
そんな今回は一歩一歩山を登って
立山連峰の最高峰へと挑んだ物語です。

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7月12日(431日目)

『まずは、山登りの前の修行、滝行。』

駅前あたりのホテルで起床。

IMG_4686

チリちゃんは立山の山で仕事の為に
起きて早々に部屋を出て山に帰って行った。

それから残されたユキちゃんと二人で
チェックアウトして外へ。

暑い。

非常に暑い。

気候がガラリと変わった。

梅雨が抜けたからか、
ホテルの涼しい室内に一晩寝たからなのだろうか。

けれど、気のせいでは無いほどに蒸し暑かった。

まずはご飯へ。

まだ食べていなかった富山名物の
『白エビ』
駅の構内にある丼屋で食べることに。
IMG_4687白エビ天丼刺身セット
値段は記憶では1,500円ほど。

朝一に油物は少し重かったか…
と思いつつも美味しく完食。

白エビは桜えびと普通のエビの
半分くらいの大きさで、
食感もあり食べ応えがあった。

食べ終わり、
ユキちゃんともここで一旦お別れ。

二人とも立山で働いているので
すぐにまた再開する事になるだろう。

今日は、
以前情報を入手した滝行ができる
大岩山の日石寺へ向かう予定。

自転車に跨ると進行方向とは逆の方向に
チンドン屋が騒がしくドンチャン騒ぎをしていたので
その音に誘われるかのようにその方面へ。

IMG_4688

どうやら宝くじの宣伝の為らしかった。

マイクを通して
「お、日本一周のお兄さん!
頑張ってね!」と言われ

こんな暑い日に頑張っている姿を見て
逆に何かしてあげたい気持ちが芽生え、
応援の気持ちを込めて宝くじを
連番3枚とバラ3枚を購入。

どうか、当たりますように!!

それから日石寺へ足を向けた。
IMG_4689

お寺へは20kmほどで、そう遠くは無い。

富山は立山の山に近づかなければ
平坦な道が続く盆地で
とても自転車で行動しやすい県だった。

しっかし暑い…。
昨日の酒も残って、喉が渇いてきた。
どこかに公園などの水道を見つけたら
水を確保しよう…。

そう思って進んでいると、
コンビニの駐車場に立っているおじさんに
声をかけられた。

「頑張ってるね、冷たい飲み物でも飲むかい?」

これはありがたい。
是非ともいただく事にした。

コンビニ内へ入り、
なんでも好きなものを取ってきていいと
言ってくださったが、水だけで十分だった。

ちょうど水が欲しかったのでと
2リットルの水を選ぶ。

「それだけでいいの?
ご飯は?せっかくだから、
なんか選んでいきなよ。」

そう言って栄養ドリンクを3本ほどと
おにぎり2つまで買って下さった。
IMG_4690わぁ、そんなに沢山いいんですか…?

「もちろん、でもその代わりに
いろいろ話を聞かせてよ。」

えぇ、もちろん!
話ならいくらでも聞かせますよ!

レジでさらにアイスコーヒーまで注文して
買っていただいてから
コンビニの外で色々と話し込んだ。

主にやはりみなさんが
第一印象で見たときに気になる質問。

どこから来た?
このソーラーパネルは電動?それとも?
どこで寝ている?
ご飯は?
資金はどうしている?
などなど。

その人にとっては初めての事なので、
何度会話した事でも何度でも説明するつもりだ。

質問以外にも、
これから自分がしていこうとしている夢などを語り、
話を聞いて満足したおじさんは仕事へと戻っていった。

 再びハンドルを握って、
炎天下の下突き進む。

市街地を離れて郊外へ。

富山の街の郊外は、
何処もやはり田んぼが広がっている。

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天候がいいと、
街を囲い込むように立山連峰が立ち並んでいる。
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休憩がてら景色を眺めていると。

数日前にお世話になった
泰斗の弟の元輝からメールで連絡が入った。

「今はまだ路上販売しているんですか?」

いや、それはもう昨日までで、
今から日石寺と言うお寺に滝行が出来る所があって
そこへ身を清める修行に向かっているよ。

そう返すと、
すぐに「そこへ向かいます。」
と返事が来た。

そうか、じゃあ一緒に滝に打たれよう!

そう返事を返して日石寺を目指した。

体感温度およそ30度を遥かに超えた気温に、
大した運動もし無いうちに全身から汗が吹き出ていた。

暑い…

夏ってこんなに辛かったっけ…??

1年前の夏の記憶を辿りながら進んだ。
昨年は九州、沖縄地方を南下していて
これ以上の体感温度だった事を思い出すと
ゾッとしてしまった。

市内を出てから2時間半ほどで
ようやく看板が見え始めた。

IMG_4696

そこから緩やかな登りに差し掛かり、
久しぶりの炎天下の気候と格闘しながら進む。

すると、途中に水汲み場が見え
冷たい水を持ち運べる分だけ補給させてもらった。

IMG_4697

中へ入ると、
お地蔵さんが祀ってあり、
冷たい水を頂けた感謝の気持ちと
これから修行に行くにあたっての
心づもりを整えるために、
四国で覚えた般若心経を唱えさせてもらった。
IMG_4698

お礼を済ませて再び坂道を登る。

すると、元輝が友達を乗せた車で
追い越して行った。

「よしくん!先に行ってますんで!」

おう!!

ゼェゼェはぁはぁ言いながら
坂を登る事20分。
IMG_4703

やっとの事でお寺の入り口まで到着。

DSC_0036

元輝は、是非僕に会わせたいと思って、
仲の良い友達を連れてきてくれたそうだ。

もちろん僕としても光栄なこと。

一緒にお寺へ向かい始めた。

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お寺の境内へ入り、正面に本堂。

と、その前に、
もちろん手を洗い身を清めてから中へ。

DSC_0040

若い3人は
滝行滝行と、せっせと受付を始めていた。

「よしくん!受付して、何か願い事を書くんだって!」

そうか。
それは後で良いから、
とりあえず、ここの本堂に挨拶してからだな。
とにかくこっちにみんな来て。

そう言ってみんなを呼び寄せた。

四国で学んだお寺での作法を知らない
若い子逹に見せて上げることにした。

ロウソクを灯して線香を焚いておき、
みんなが揃った所で本堂の中へ。

DSC_0044

薄暗い本堂の中には、
大きな一枚岩に掘られた
不動明王が掘られて祀られてあった。

まずは、
修行の前にここの神様に挨拶からだ。
みんな後ろに座って手を合わせて目を瞑っててよ。
それだけでいい。

そう言って
開教偈を唱えてから般若心経を唱えた。

本当はもっともっと
唱えなければならないお経があるはずだが、
四国八十八ヶ所での修行に対してのお経しか覚えてい無いので
ある程度の礼儀としてのお経を唱えておいた。

いきなりの事に3人は
圧倒されて驚いていた様子だった。

さ、これで始めて
修行をさせて下さいって受付に言えるんだ。

そうして、300円を払って受付を済ませて
嘆願札に思いを記入し、白衣の衣装を借りて
更衣室で着替えを済ませた。

DSC_0047

なぜだか衣装が3人分しかなく、
一人に撮影係をしてもらう事に。

一番、水量が多そうな場所を選んで
滝行に挑んだ。

DSC_0054

DSC_0050

滝に打たれ始めてから無心で挑み、
終えるまでの15分間ほどを
一度たりとも目を開けずに居た。

何かを感じるまでこうして居ようと
ひたすらに冷たい水に打たれた。

やがて身体も冷えて寒気さえ感じる。

ずっと真っ暗な視界に、
あるビジョンが浮かんだ。

虹…

お、虹かぁ…

その先には何かあるのか…?

意識を集中してその先を見ようと試みた。

山…。

おぉ、山か。

なるほど。立山…なのか…?

うん。そうなのだろう。

雲の様な薄がかった霧の中に、
山の頂が見えて、
その向こう側に太陽の光があった。

作り話でも何でもなく、
確実にそのビジョンが見えた。
DSC_0051

そこで納得して滝行を終えた。

立山が呼んでいる…
そう思わずには居られなかった。

のちに、
この見えたビジョンは

現実となり目の前に現れた

滝行を終えると、
身体は冷え切って震えるほどだった。

一緒に入った二人は先に切り上げて
滝の前で待っていた。

濡れた白衣を着替え直して寺の境内を散策。
DSC_0053DSC_0056DSC_0057
一通り見終えてからお寺を後にした。

寺を出てすぐのお茶屋に入り、
冷やしそうめんを食べる事に。
DSC_0059

久しぶりに食べる夏の味。
夏はやっぱりこれだ。
IMG_4700

ペロリと食べ尽くしてしまい、
店を出ようとすると
元輝がお会計に進んで飛んで行って
そうめん代を支払ってくれた。

そんなつもりじゃなかったが、
その分、旅の資金に充てて下さいと言ってくれたので
有難くその気持ちを受け取った。

階段を降りて、自転車の元に戻る。

元輝が「よしくん、よかったら友達に
写真を見せてやってくれませんか?」
と、頼まれた。

お、もちろんいいよ。

そう言って、
いつも販売している写真を見せた。

元気も以前BBQの時に買ってくれて、
写真の裏に今までの道程で感じてきた詩を書いて
渡していた様に、
友達にもそうしてやって欲しいと言われ、
その子逹が選んだ写真に合う言葉を選んで書いてあげた。
IMG_4701なかなか気に入ってくれた様で、
二人とも1000円もの大金で購入してくれた。

お礼にステッカーも付けて手渡した。

これからは立山の麓、
山登りのアタックポイントへ移動するため
元輝達とはここで別れた。

先に車に乗って帰る彼達を見送ってから
身支度をしていると、
通りがかった車が停車して、
中からおじさんが出てきて歩み寄ってきた。

「お兄ちゃん旅人かい?ご苦労さん。
これ、今日の昼に作ったやつだけど食べるか?」
そう言ってとろろ昆布が巻かれた美味しそうな
梅おにぎりを手に持たせてくれた。

IMG_4702

突然の出来事に驚きつつも、
お礼を告げると、おじさんはすぐに帰って行った。

ありがたい。

こんな所で美味しそうなおにぎりを頂けるとは…
まったく、いつ何が起こるか油断も出来やしない。

立山へは、
ここから少し逆戻りの西への方角だ。
再び自転車に乗り移動を開始した。

IMG_4705

立山連邦を横目に田舎道をひたすら走り、
山頂はどこか、自転車に乗りながら
ひたすら山を見ていた。

途中、
山の手前で最後のスーパーに寄り
山での食材を買い溜めしてから行くことに。

ここでも、
食材をリアカーに詰め込んでいると
「新聞に出ていた人?」そう言って
声をかけてくださる方がいらした。

スーパーを出ようとすると
正面から歩いてきた若い女の子に
これでもかと言わんばかりに目を輝かせて見てきて
驚いていたので、ステッカーを渡してあげることに。

すると、先ほど話した新聞を見てくれた方に
トウモロコシを茹でてあるものを一本いただいた。
その方にもステッカーをお礼に渡してから
再び立山を目指す。

今日の目的地は
標高400m級の山の上にある立山駅。

日はそろそろ隠れてしまいそうな時刻だった。
IMG_4706

どうしようか…
頭の中のプランでは、
この日、立山駅周辺で野宿して
翌朝に歩きで山頂を目指し始める事が
ベストだと考えていたが…。

今から標高400mほどの駅まで向かうと
時間もだいぶんと遅いし
体力的にもヘトヘトになっているだろう。
それにそれから登山の最中に食べる食材の数日分を
調理しなければならない。

うーーーむ。

ま、とにかく行けるところまで行こうか。

そう思い、
暗くなってからもひたすら前へ
足を進めた。

山に近づくにつれて
微妙な上り坂になっており、
思うようには前に進めない。

田んぼ道の終盤。
そろそろ山道に入ろうかという頃に、
高校生男子3人組が並走して話しかけてきた。

「どこから来てんですか?」

神戸だよー。

「えぇー!マジッッスか!いつからですか?」

1年2ヶ月前からだね。

「えええぇぇぇえぇーーー!まじっすか!!」

写真を撮ってもらってもいいかと頼まれて
もちろんそれを了承した。

けれどもそこは街灯も薄暗い田舎道。

どこで取るのかと並走しながら聞くと、
「この先にコンビニがあるからそこで!」
と言うもんで、4人でそのコンビニへ向かった。

コンビニに到着。
地元の高校生と記念撮影。

IMG_4707

部活帰りに温泉へみんなで行った帰りだそうだ。

カップラーメンやらを買って
コンビニ前で食べているみんなに混じって
さっきもらったオニギリに、
富山でもらった大量のカップラーメンの内、
一つを食べた。

色々と、いままでの道程で経験してきた
若い子達の為になる話しを聞かせて
仲が良くなりLINEの交換などもした。

「また、たまに連絡下さい。」
と言ってくれるのはありがたいが、
気になったら逆に連絡が欲しい。

今までにそんな声は
何百回と言われて来ている言葉で
誰か特定の人に連絡をする事は、
何か用事がある時でしかできないのだ。

だから、気になったら待つのでは無く、
その思った時に連絡してきて欲しい。

もちろん、連絡がくれば返す事が出来る。

その都度連絡しなければならないのなら、
僕はずーーーっと携帯を触っておかなくちゃならない
事になってしまう。

その間にも、僕は新たな人に出会い、
また連絡を時々でいいから頂戴ね。
と言われているのだ。

その中の一人が帰り際に
コンビニで買ってきた大福を2つくれたので、
お礼に食べ盛りの高校生たちに
富山市で頂いたカップラーメンを
一つづつ持たせてあげた。

夜も深まり、
食事を終えるともう動きたく無くなったので
その場所でキャンプする事に。

と言ってもコンビニではなく、
横に隣接する立山アルペン村と言われる
道の駅のような場所があり、
その裏手に芝生の広場があったので
そこにテントを張る事にした。

さっそく、
テントを張って翌日からの弁当作り。

ジャガイモ7〜8個
ウインナー2袋
ゆで卵6個を茹でて、
米は一度に炊ける分だけ炊いてオニギリに。
茹で野菜などは塩で和えて腐りにくくしておいて
粗熱を取ってから容器に入れる。

あとは、鶏肉としめじと玉ねぎの炒め物も
ガッツリと大量に炒めて容器に入る分だけ詰め込んだ。

これで2日分は充分に食べられるはず。

そしてさらに、
今日の行程が遅れているので
レトルトカレー3食分と生米。
先ほどもらった大福2つ。
50円で安売りしていた野沢菜の漬物。
昼間にもらったコンビニのオニギリ2つと、
ここぞと云う時に使う栄養ドリンク。
福井県で木村さんにもらったチョコレート
(おそらく溶けている。)
富山駅前で路上販売していた時にもらった
玄米ブラン。
昨日ユキちゃんが持たせてくれたカレーの缶詰などなど…
IMG_4708今まで出会った方々が手に持たせてくれた
タスキのような食材を担いで
山へ立ち向かう事にしたのだった。


7月13日(432日目)

『標高3,015mへの道。〜1日目〜』

久しぶりの強い風を感じて
テントが揺れる音で目が覚めた。

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さすが標高3000m級の山の麓。

山の近くの天候は何が起こるかわからないもんだ。

時折、テントが浮くような風が吹き
冷や冷やとさせられた。

コンビニのトイレを使用していると、
トイレ内に登山グッズのレンタル屋が立山駅構内にある事がはん

9時前に荷物をまとめて出発。
IMG_4710向かいから吹く風が、
立ち漕ぎでないと進めないほど、
自転車と体を前から押してくる。

ただでさえ登りでキツイのに…!!
何度かバランスを崩され、
地面に足をつく事もあったが
負けじと踏ん張り前へと進んだ。

IMG_4711

気温は午前中から30度を超えていたが
昨日のような直射日光もなく、
暑さだけにはめっぽう弱いので
風があるだけでもマシだと思える。

どんどん進んでいくに連れて風は収まり、
幾分か登りやすくなった。

とは言うものの登りが10km以上続く。

登っている最中に
山からの冷たい湧き水などを頂戴しながら
登山アタックポイントの立山駅へ。

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川の水は青がかっていて
とても綺麗な色をしている。
IMG_47131時間半ほど上り坂を登ってやっと到着。

標高475m、立山駅。

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駅構内で55L+15Lの大型ザックを
確か値段は2,250円で借りた。
一泊二日料金でそれ以降1日500円の延長料がかかる。
これがなければ相当苦労して荷物を担いで
山を上がる事になったのがわかったのは、
パッキングしている時だった。

登山に持って行った用品。

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テント、グラウンドシート、寝袋。
食料品、水3L。
カメラ、防水カメラ(ビデオ撮影可)
三脚、ハンディー撮影棒。
防寒着、靴下、などなど。

およそ20kgの重量となった。

これをザックに詰め込み、
この借りたザックのサイズで
なんとかギリギリ持ち運べる量の荷物だった。

普段使っている30Lほどのザックで
2泊以上の山登りをしようとしていた無謀さを
思い知らされた。

よかった…
レンタル屋が立山駅にあって…。

自転車を木にチェーンロックで縛り付けて
いよいよ、徒歩での山頂を目指し始めた。

時刻は12時頃だった。

歩き始めてからすぐに、
立山まで33kmという標識を見かけた。

普段の自転車なら
2時間ほどで行ける想像が出来るが、
歩きだと…と、想像すると気が遠くなってっしまった。
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ここから曇り空から一転。
徐々に晴れ間が見え始めた。

まずは8km先の称名滝と言われる所まで
舗装された道路を歩く。

最初はヨイヨイと登っていたのだが、
徐々にペースは落ちてくる。

お…おぉ…おぉぉぉ…

暑い。

そして重たい…。

肩が痛くなってき始めた。

すぐ後に分かったことだが、
肩に負担が掛からない様に、肩、背中、脇腹の
3点の場所でポジションの調整ができる様になっていた。

滝までの8kmの中間地点、
『悪城の壁』

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見たこともないほどの崖が立ち並び、
その景色に圧巻の一言だった。
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昼頃の真上から突き刺す太陽は
左右の山からの影を奪い、
まるで自分を試してきている様だ。

転々と出来ている影を見つけては
そこへ潜り込んで暑く火照った体を冷ます。

基礎体温が元々熱いので、
すぐにザックを背負う背中は高温になり
余計に体力を奪われる。

容赦なく道は続いた。

自分が前に足を進めなければ
もちろん目的地の場所までの距離は縮まらない。

DSC01914

はぁ…はぁ…
うぅーーーー、キツイ。
キツ過ぎる…。

普段、重たい自転車で移動して
体を鍛えている気になっていたが、
それはただの自転車の性能に過ぎないと云う事を
嫌と言うほど思い知らされた。

自転車から5分の1ほどの荷物だけを持ち出して
ザックに担いで歩いているだけなのに
気の遠くなるほど距離も進まないし、
重さも変わらない。

自転車なら一番軽いギアに入れて漕げば
あまり力をかけずに進む事が出来るのだ。

出発点から8km先の称名滝に着いたのは
午後3時半頃だった。

『称名滝』
落差日本一を誇る落差350mの滝が
目の前に轟音を轟かせて水しぶきをあげていた。
DSC_0079滝を望めるように橋が横にかかっており、
その橋を移動すれば、
虹が様々な角度で楽しむ事が出来るが、
風向きによっては雨の様な水しぶきが身に降りかかる。

晴れの日には
いつでもこの虹を望む事が出来るだろう。

DSC_0074

雪解け水が多い時期はこの右側に
「ハンノキ滝」が現れ、
日本の滝になる事もある。
その滝は落差500mにもなるが、
一時的な雪解けの多い期間だけに現れるために日本一とは
認定されていないらしい。

実際にこの時期には見られなかった。

更に雪解けの水量が多い時期は
ソーメン滝と言われる第三の滝も
現れる事もあるらしい。

日本一の滝に見とれているのも、
束の間。

ここで崖に囲まれているという事は…

そう。

この急な崖を越えていかなければならないのだ。

そこから少し手前の右手に
その登山口があった。

八郎坂と言われるルートで、
今は崖崩れで通行禁止となっている。

だが、ここを通る他に、
徒歩で山頂への道はない。

DSC_0084

標高差540m

午後4時。
通行禁止のロープを潜って
壁の様な崖をジグザグに登り始めた。
DSC_0087

標高を上げてゆくに連れて、
目に入ってくる植物たちも少しづつ変化してくる。

(写真 初めて目にしたシダ科?のコケの一種?)

DSC_009140分ほど登った辺りに
崖崩れの現場に出てきた。

DSC_0096DSC_0097

あまりに広域な崖崩れで、
登山ルートが全くわからない。

足を踏み外せば大怪我は間違いないだろう。

こんな夕方にここを通る人
確実に居ない。

絶対にミスは許されない状況。

慎重にいろんな方面が見える位置に移動して
正解のルートを探った。

なんとか道を間違いそうにもなりつつも、
無事に正規のルートを発見。

ホッと一息ついて再び登り始めた。

次第に先ほどまで下で見ていた滝が
見え方を変える位置まで上り詰めてくる。

この崖を登り始めて1時間。
午後5時。

DSC_0101DSC_0104

1時間でようやく滝の半分か…。

一体この壁を越えるのに、
どれほどの時間がかかるのだろう…。

30分後。
午後5時半。

DSC_0106DSC_0108

徐々に滝底が見えない位置まで達してきた。

黙々と登り続け、
壁の様な崖を登り始めて2時間20分。

午後6時20分。
ようやく滝の向こう側が見え始めた。

DSC_0110

その向こう側は平らな土地が広がっている様だ。

見た事もない山、土地の形に
言葉を失いつつも、感動と共に、
想像を絶する新しいものを目にした
心の奥底からの興奮を感じた。

な…なんなんだこの山は…!!

今まで登ってきた山々とは
何かが違う…。

そんな事を感じ始めていた。

植物の変化も何段階にも渡って
色んな種類が目に見えてきていた。

DSC_0115

午後6時30分。

ようやく壁の様な急斜面を超える山道を抜けた。

実に2時間半の山道で
直線距離にすると1kmも進んでいない。

ただ単に崖を越えるためだけの、
長い長い、ジグザグの山道だった。
DSC_0120

もうすぐ日が暮れてしまう…。

この辺りには熊もたくさん生息していると聞く。

この道は普段バスが通る道だが、
この時間からは一台たりとも通行車両が無い。

よって、一人きりの世界だった。

助けを呼ぼうにも携帯の電波すら無い。

この辺りから、
クマに出会わない為に、
極力大きな音をたてて手を叩いていた。

周りの山々を見渡すと、
雪がちらほら見え始める。

気温も麓よりも随分涼しく感じる。

DSC_0121

山道を抜けてからは、
また舗装された道を進み始めた。
DSC_0122先ほどの称名滝の上部が完全に見え始めた。

「美女平」(びじょだいら)
と言われる地帯だ。
DSC_0132DSC_0123舗装された道路の他に、横に平行する様に、
こうした木で作られた木道(もくどう)がある。
その木道も利用しつつ前に進む。

ここ辺り一帯で確実に一人きり。
幻想的でもあるが、怖くもあった。

極力、クマに出会わさない為に
怖くなって道路に戻ったりを繰り返した。
DSC_0135DSC_0138DSC_0139だんだんと傾く夕日に、
焦りを覚え始める。

立山山頂の登山口まで、
このバス道の果てまでは、
まだまだ先にあるのだ。

DSC_0140

日は傾く一方で、
また標高が高い視点から見る夕焼けは
いつもと違って見え始る。
DSC_0142DSC_0145DSC_0147誰も通らない道の真ん中で
ぼーっと日が沈んでゆく様を眺める。

雲が目の前に浮かぶこの標高からは、
沈みゆく太陽が、下から雲を照らし出し、
雲の上部の影が不思議に映る。
DSC_0156

わぁぁぁ〜、
すんげーーーーーー。

壮大で雄大なる太陽の光と力。

思わず足を止めて、
空に釘付けになってしまった。

太陽は海に沈み、
もうそろそろ、空からも光が奪われてゆく。

ホテルなどがある室堂までは、
今日中には不可能だ。

少し歩いた先に、
道端が砂利になったスペースが広がっている場所を発見。
もうヘトヘトだったので、そこにテントを張る事にした。

ドスッ。

っとザックを降ろして、
日が完全に暗くなる前にテントを張ろうとするが
頭と体がフラフラして思う様に動かない。

フラつきながらも、
ダラダラとテントを立て始めた。

風が少し吹いていたので、
今朝のように強風が吹いてもいいように
ペグをしっかりと打ち込んでおく。
ちょうど暗くなった頃にテントを張り終えた。

日が落ちると今度は、
富山の市街地の夜景が綺麗に煌々と光っていた。
DSC_0163夜景との距離や、範囲的にも神戸の夜景に似ていて
住み慣れた故郷や仲間を思い出した。

神戸にはいつ帰れるだろうか…。

そんなことを考えながら、
すぐさまテントに入って食事を済ませ、
テントから離れた場所に
すべての持ってきている食材を外へ出して置いておいた。

なぜなら、
ここ辺りは熊が生息しているからだ。

数日前に富山市街地で飲んだ
立山で働くユキちゃんやチリちゃんからも、
目撃情報が多数あるから、
本当に気をつけた方がいいと聞かされていた。

今夜は、

命がけのキャンプになる。

熊対策として
包丁を持ってこようと思っていたのに
それすら持ってき忘れていた…。

どうしようかと考えた結果。

代わりに少し固めの
木の枝を折って鋭くしたものを数本テントに持ち込み、
非常事態にはその枝で戦う

戦い方は、
以前兵庫県北部編にも書いた通り。

包丁を持っていようが、
枝だろうが狙いは同じ。

『目だ。』

もし熊が襲ってくることがあれば
頭や首を噛まれて致命傷を負わされる前に、
引っ掻くなどの攻撃も色々あるかもしれないが、
どうにか利き腕でない左手を噛ませる。
噛んで頭が固定されている隙に目を狙う。

その方法しか、
この枝で生き残る方法ないだろう。

極力動物を傷付けたくはないが、
もともと、こちとら熊なんぞと戦いたくもない。
向かってくるのは確実に向こうなのだ。

目だけで命を取らない方法まで考えて戦う僕は、
まさに、Love&Peace♪
言うとる場合ちゃうでしかしこれしかしえぇコラしかし。

両ポケットに枝を入れて
テント内にもすぐ手に出来る位置に1本用意しておいてから
午後8時頃。
疲れ切っていたので今夜は早くに眠りに落ちた。

標高およそ1700m。
まだまだ折り返し地点…。

後編へ続く。


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