6月11〜15日(400〜404日目)

6月11日(400日目)
『爺さんの底知れぬパワー』

 

ガサッ。

ガサガサッ…。

ぬぉーーーー!!

つ、つつつつつつ
ついに出やがったか
こ、ここ、この熊野郎めーー!!

早朝6時。
飛び起きるように目を覚ませた。

命を守るには心細い包丁に手を伸ばしかけたが
ゴミをあさりに来たカラスが袋を突っついていた様で、
パタパタと大空へ飛んでいった…。

パタパタパタ…。

な、なんだ…カラスか…。はぁ。

気が抜けて仰向けに崩れるように寝転んだ。

昨晩の夜中の事もあって
近くの音には敏感になっていたのだろう。

いつもならもう少し寝ているが、
驚きで目を覚ましてしまった。

朝食を食べ、テントを畳んで
8時頃に公園を後にした。

横に見えているお寺に入り、
横の公園でお世話になったお礼を言いに
お参りしていこうとしたが、
境内に入ってすぐに、そこから先は
300円の入場料が必要だと云う事がわかった。

DSC_0058

お参りに拝観料を取るお寺は初めてだった、
極貧生活の自分にとっては
2食分の自炊ができる。

境内は諦めて公園に戻った。

DSC_0051

早朝で誰も居なかったので
本堂に聞こえるように大きな声で
お経を唱えてみた。

15分ほど唱え終わると
頭が真っ白になり、気分は爽快。

ただ、行かなかったよりは
この気持ちがあるだけでもいいだろう。

公園を出て
京都府を超え、福井県を目指す。

峠を超えていると、
対向車線側に何やら旅人らしき人が…
IMG_3922下り坂をとっととっと、と
小走りになって山を降りてきていた。

え、爺さんじゃん??!!

うわぁ〜!!こんにちわ!
お父ちゃんすごいねそれ!!
ちょっとお話ししましょうよ!
そちらに行きます。

そう言って反対車線側に渡った。
IMG_3923自分の身体以上もある立派な手押し車

年齢を聞くと、なんと…

72歳

ええええぇぇぇーーーーーーっ?!

72歳?!すっごい元気だね!

「ははは、4、5年ほどかけて歩いて回っとるが
これが長年の夢でね。
そう言うアンタもすごい自転車じゃないか。」

そう言ってお互いにリスペクトし合った。
IMG_3926

って、口元が似てるーーーー。

72歳でこんな挑戦に挑めるだなんて…

普段、50を過ぎた方々には
『若いからできるんじゃな。』と
大多数の人が口にするのを聞いてきているが
これからそう云った声を聞くと
このおじいさんの話を僕はするだろう。

若いか老けてるかなんて、
これっぽっちも関係ない。

本当にやりたいか、やりたくないか。
それだけなのだ。

記念にステッカーを貼らせてもらった。
IMG_3925

おじいさんは
あともう少しで日本一周を達成するらしい。
お互いに尊敬し、
過酷な環境で生活する同士を称えあった。

パワフル爺さんに元気付けられ
今日も、また一つ峠を越える。

峠の登り道で
ラブホテルの看板の表示に笑わされてしまった。

IMG_3927

ワイファイって!

思わず笑って突っ込んでしまった。
田舎では、カタカナの方が通じるのだろうか?

山を超え疲れが見え始めた頃に
コンビニで休憩。

タバコを吸う場所に
ベンチが設けられていたので、
そこで休憩することにした。

先客のお爺さんに話しかけられ
ここでも地元の方と会話させてもらった。
スクリーンショット 2015-06-18 14.37.45

おじいさんは
何とも珍しい経歴の持ち主らしかった。

79歳にして

8歳の息子がいる

東京都、池袋出身の
ウエストゲートパーク爺さん。

嫁はミニクーパーもビックリ

イギリス人39歳

その年の差はminiでは無かった。

会社仲間にお見合い的な事を勧められ
出会ったのがキッカケだそうだ。

結婚も何もするつもりはなかったが、
いつ、何が起きるかわからないもんだね。

見合いをしてから2年無視していたんだが
もうそろそろ、観念しろと言われ
仕方なくもらったと爺さんは語った。

「まさか、71歳で子供を授かる事になるなんてね。」
そう言っておじいさんは笑っていた。

昨晩から立て続け動物老人に驚かされ、
そのショックで自分がお爺さん
なってしまいそうな思いだった。

また新たな3人目の爺さんが
この後に現れでもしたら、
俺の顎は外れて病院送りになることだろう。

おじいさんとそのベンチで30分ほど話をした。

驚き続きで
足がガクガクブルブルの子鹿のように
なってしまいそうだったので
これからの進路は子鹿でも通れるルートを選びたい。

今夜辺りは敦賀に行く予定で
ルートを確認したが…
あることに気が付いた。

スクリーンショット 2015-06-17 21.04.02この先の分かれ道を真っ直ぐだが
右に行けば、『琵琶湖に行ける』。

ほっほー。

どうしようか?

実際に日本一周すると言っても
全ての県が海に面しているわけでもないので
全ての県を周れる事にはならない。

数分どうするか考え込んだ。

滋賀県と言えば琵琶湖。
今日の予定していた敦賀よりも近い距離に琵琶湖がある。

よし!琵琶湖を一周してみるか。

進路を大幅に変更して琵琶湖に行くと決めた
朝から出会ってきた先人達に
刺激を受けた結果なのかもしれない。

行くと決めてから自転車に跨り
出発早々に雨が降り始めた。

あれ…??

これは行くなと言う事か…??

決めたことに対しての不信感が生まれ始めた。
進むにつれて雨脚は強くなった。

やがて進路を変更した交差点に差し掛かり
先ほど決めた右の道へ。

琵琶湖へ抜ける道に差し掛かると
前方から強風が真っ直ぐに吹き荒れてきた。
風上に垂直に走ることは
平坦な道でも、坂道を登るほど力のいる事になるのだ。

おいおいおい…。
これって、マジで『行くな』って事じゃねぇのか??

すぐに見えたコンビニで
雨風が凌げる建物の風下に入った。

怯みそうな身体に
大好物のコーラでも飲んで
糖分を与えてやることにした。

コンビニでペットボトルのコーラを購入。
フタが自分のイニシャルであった「Y」をわざわざ選んだ。
IMG_3932

はぁーどうすっかな。
『決めた』事を覆すのは自分の中でのルール違反。
日々、自分の中でこれと決めたことは必ずこなす。

その鍛錬の日々を続けている。

そんなことを考えてコーラを飲んでいると…
コーラの側面に書いてある名前を見て驚いた。
IMG_3930池田!!!

ニセコで仲が良くなった
誕生日が1日違いで同い年の
池ちゃんを思い出した。
IMG_2940

「おまえ、ビビってんの?」

意地悪そうなあいつの顔が目に浮かんだ。

くっそー、、池田コラ!
やってやろうじゃねーか!!

「池田コラ!」はニセコでよく耳にした言葉だった。

これが本当の池田コーラ。
なんつって

右に曲がってコンビニへ入ったからこそ
こんな事があったのだ。

間違いない。

物語は繋がっている。

「この先に何かある。」

なんとなくそう感じた。

写真をメールで送ると、
「俺の名前が入ってるものなんか
勿体なくて飲めねーんじゃねーの?」
とか抜かしやがる。

ザコの池田コーラを一気に飲み干し、
カッパを着て向かい風の峠に挑んだ。
(ザコの池田へ。苦情はコメント欄でどうぞ。)

雨の日はカッパを着ていても
結局汗もかくし濡れてしまう。

太陽も無いので乾かない。
動きが止まれば体は冷えて、
凍えるほどに寒くなってしまう。

止まりたくもないが
止まらなければ疲労も溜まる。
雨の日の移動はどんな日よりも過酷なのだ。

日本一周を始めた4年前は
嫌で嫌で仕方なかったが、
今ではその過酷ささえも楽しみに変わっている。

キツイ、キツすぎる!!
そう言って笑いながら言える。

事故で身体が動かない時期が
2年も続き、好きなことを、
明確にやりたいと思っていることが
できない状況があったからこそだと感じている。

あの事故は、とても痛かったが、
自分にとって必要な出来事だったのだ。

やがて、峠を超え滋賀県に入った。
IMG_3933
麓のコンビニで休憩。
風もこちら側に来ると幾分収まっていた。

すると、雨の日には珍しく
声をかけてきた年がさほど離れていない
男性二人に声をかけられた。

少し話していると
お兄さん方はおにぎり3つと
飲み物の差し入れを頂いた。
IMG_3936

IMG_3934

雨の日は、みんな濡れることを嫌がるので
僕のことが気になっているとしても
声をかけることなく衣服を濡らさないために
車へ一目散に走って行くのが普通だ。
こんなことは珍しい。

雨の日の珍しい出会いに感謝しつつ
身体がやはり冷えてきたので
近くの温泉をお兄さん方に教えてもらって
そこへ向かうことにした。

この日、初めて見たホームセンターへ入った。
今朝にあったおじいさんが安全のために付けていた
ガードマンなどが使っている「誘導棒」
それがいくらか確かめに来たのだ。
IMG_3923今朝のおじいさんとの話しで
こりゃあ良いですね。
安くで買えるなら真似したいと言うと
2000円もしなかったと言うので確認しに来たのだ。

自転車用の警告ライトはどれも小さい。
5000円ですごい光の威力があったとしても
大きさ的になんだか信用に欠けるのだ。

ただの自転車ならいいが、
そんな感覚でトンネルの中で
大きなトラックなどの車が横に通られた時には
冷や汗が出る瞬間がよくある。

値段を調べてみると
なんと、1000円ほどだった。
ちょうどいい大きさの物を
すぐに購入することにした。

IMG_3941

これでもし、暗くなっても安心な物となった。

後ろだけでなく
こうやって突き刺すように立ててれば
いろんな角度からも確認できる。

これほどまでに信頼出来るライトがあるだろうか。

教えてもらった駅前の温泉に向かおうとしたが、
よくよく考えると雨なので、
寝床が近くにありそうな場所で温泉に入ることにした。

それも、まったく検討はつかないが
まずは琵琶湖沿いの湖岸道路へ行って
適当に走ってみることに。

すると…

雨にもかかわらず
また車が目の前に停まった。

滋賀県の人は雨に強いのか??

そんな事を思いブレーキをかけると
中から出てきたのはさっきのお二人だった。
IMG_3940「いやー探しましたよ!!」
そう言って降りてきたお兄さん。
ルートを変更したにもかかわらず
よくも見つけられたものだ。

雨で結局濡れちゃうから、
寝れそうな場所の近くに
温泉を探すことにした事を説明。

お兄さん2人は差し入れ第二弾を
手に持たせてくれた。

日焼けが目立つ肌を見たからか、
日焼け止めを2つ。
それにまだ暖かい焼きたての
大判焼きも。

うわぁ〜、こんなことがあっていいのだろうか。
二人にとても感謝した。

雨の日はこういった出会いが
極端に少ないので
精神的にも過酷になるが、
とっても気分良く過ごせる雨の日になった。

お兄さん達に精一杯お礼を伝えて
また琵琶湖沿いを南下し始めた。

湖沿いは大体の道が平坦で走りやすい。
荷物を載せていない自転車なら一周200kmを
1日で周れるらしいと噂では聞いていた。

やがて、湖岸道路沿いに
雰囲気ある宝船温泉を発見。

そこへ入ることにした。

IMG_3943

700円と少々値は張ったが仕方あるまい。
泉質は硫黄の匂いがするいい湯だった。

露天風呂は更衣室から出て
住宅の間のような迷路を思わせる路地を
進んで行ったところにあった。

内湯と同じほどの大きさの露天風呂には
周囲に木々が多い茂っていて、
少し体を屈めなければ木の葉に体が当たるほど
頭上に所狭しと木々がひしめき合っている。

これぞ、まさに秘湯。

こんなに斬新なお風呂は珍しい。
泉質も良いし700円の価値はある。

温泉に満足して寝床を探し始めた。

湖周辺にはベンチなどがたくさんあるが
屋根のあるところは少ない。

おまけに土手のようになっていて
自転車を降ろすことが
出来ない作りになっていた。

いくつかキャンプ場も超え
なんだかピンと来ずにひたすら進み寝床を探した。

夜10時を回り、
疲れもピークに達し始めた頃。

雨には珍しく、キャンプ場に明かりがついていて
キャンプしている人たちが見えた。

お、今日はここになるかもしれないな。
そんな予感がしてキャンプ場へ入った。

受付らしき建物の前に自転車を停めると
そばにあった扉が開いて
中からおじさんが出てきた。

「あら、キャンプかい?日本一周?
すごいなぁ、こんな時間まで走ってたのかい?」

中から出てきたのは
明るく気前のいいおじさんだった。

今までに通ってきたキャンプ場は人がいなく
営業していなさそうだったが、
ここは珍しく営業中だった。

夕方にお客さんが居なかったので、
帰ろうかと思っていたところに、
先ほど見えた人たちが宿泊しに来たらしい。

それがなれば、
ココも今日は閉まっていたのだそうだ。

今までのキャンプ場は4〜500円だったので
それぐらいだろうと思って一泊持ち込みのテントで
いくらするのか聞いてみた。

「3000円だよ。」

え…?!3000円???!!!
持ち込みテントで?!

素泊まりの激安民宿より高い。

一瞬驚いた顔を見てからか、
おじさんは「じゃあお兄ちゃん頑張っとるし
1000円にしとったる。どや?」

2000円の値引きをしてくれたので
その心意気に頷いた。

普段ならお金を出して泊まるなんて事はしないが、
このおっちゃんの所ならいいかなと思えた。

なんてったって、出発当初に

2万5千円しか

持ってきていないのだ。

今日1日の出費は今の僕にとっては大金。
コーラ160円に警告ライト1000円
電池100円、温泉700円、キャンプ代1000円。
計3000円ほど。

出発当初の全財産の1/8
使ってしまった事になるのだ。

キャンプ場で泊まるのは
昨年の沖縄地方、座間味島以来だ。

寝床も今日は雨で地面が濡れているので
屋根の下を貸してくれることとなった。

DSC_0063

おじさんの名前は八田さん。
昔軍隊に所属していたらしい。

割引もしてくれたので、
ビールを頼もうとすると
そのビールまで八田さんはサービスしてくれた。

元々軍隊だったからか
行動の節々にテキパキと動き回る様子が伺えた。

飯、食ってないだろ?
そう言ってつまみにお好み焼きまでをも
サービスしてくれた。
IMG_3944はぁ、ここに来て良かった…。
ビールをゴクリと飲み、
目を瞑りながら心から、そう思った。

1日の終わりにこんな褒美が待っているだなんて…。

信じて道を突き進む。

やっぱりそれが一番だな。

そう思って、その日は寝ることにしたのだった。


6月12日(401日目)
『目を瞑って地球の動きを知る』

翌朝。

目が覚めて一日分の弁当の準備に
取り掛かろうとした。

「お、起きたか!」
そう言って八田さんは朝から元気良く
テキパキと動いていた。

「ほらよ。これ食べな。」

IMG_3948

そう言って朝食が出された。

こんなことまで…
ありがとうございます。

八田さんの無償の愛が心底嬉しかった。

八田さんの他に昼間はもう一人スタッフが居た。
昨晩にその人はニュージーランドで
スキーのインストラクターを教える先生を
していたらしい事を聞かされ、
翌日に紹介してくれると言ってくれていた。

紹介された黒田さんとは、
僕も冬の時期にスキー場で生活した経験も
山滑りの共通の趣味もあったので、気が合った。

黒田さんは、FaceBookなどで
「良かったら、この人たちを訪ねてみなよ。」
そう言って沢山の方を紹介してくださった。

朝ごはんを作り終えて、弁当などの準備。
IMG_3949IMG_3952電気も使わせてくれたので
溜まっていたブログを少し進めるために
コーヒーを飲みながら優雅に編集作業を。
IMG_3950書き終えると、湖のほとりへ行って
今日、友達二人が集結する対岸を望んだ。

集結する二人とは、
昨日に滋賀へ入った時に会うこととなったのだ。

滋賀で茶畑をする友達と、
ニセコで出会った友達が屋久島滞在から
この日の午前に、京都へ帰って来る事を知ったので
キャンプでもしないかと誘った所、
二人とも来てくれる事になったのだ。

この2人と自分に共通することは
昨年にニセコに滞在していたメンバーだと言うことだ。

集結の地は対岸の近江八幡市にある
『沖島へのフェリー乗り場』

琵琶湖の島を探索しようと言う話になっていた。

3時頃に集結しなければならない。

ってもう1時前やんけー!!

普段、
夕方に寝床を探す。
しか、日々に予定がない俺は、
時計を見る習慣がなくなっていた。

それすら太陽の傾き具合で判断しているもんだから、
全然時計すら見なくてもいい生活となってきている。

大急ぎで荷物をまとめて
出発の準備にとりかかった。

キャンプ場を出る前に、
3人で記念写真を撮った。
DSC_0064琵琶湖西側でキャンプ場をご利用の際は
みなさん、是非八田さんの所へ行ってみてください。

ここらあたりでは一番
ロケーションや施設設備が綺麗でいい場所です。
キャンパーの僕としては、花丸太鼓判!!

10000円で借りられるロッジも
湖を望める湖岸に数多くあります。
IMG_3954道具を持っていないキャンパーでなくても利用可能。

貸し出しテントも、B.B.Qセットも
なんでも必要なものはキャンプ場から
借りられることができる。

キャンプサイトも広い。
テントを日中快適なものとする大切な日影も
松の雑木林の中に立てれば、
朝、日が昇ってきてもテント内が熱くなりません。

夏場にキャンプするオススメ方法は、
東から太陽が昇ってくるので
東側に影となる木などを置いて
その西側の影が出来るテントを張ること。
IMG_3955八田さんに会うことがあれば
僕との共通の会話も楽しめるかもしれません。
『白ひげ浜水泳・キャンプ場』
IMG_4101

また一つ心に残る場所ができた。

八田さん、黒田さん。
本当に、お世話になりました!

最後に二人を抱きしめて挨拶をし、
キャンプ場を後にした。

大きな海みたいな湖を横目突き進む。

IMG_3960

IMG_3957IMG_3956

目的地の対岸が果てしなく遠く見えた。

琵琶湖最南端を周って
近江八幡までは地図で調べると68km。
平坦な場所が続けば1時間に15〜20km。

それでも4時間はかかってしまう。

大分と遅刻してしまいそうだな…。

焦りを覚えつつも
事故の無い様に気をつけながら
ペースを上げ進んだ。

高島市を抜けて大津市へ入る。
標識には琵琶湖大橋の文字が。

「有料」と書いてあるので、
おそらく自動車専用道路だろう。

そう思っていると、
近くを通りがかったおじさんに声をかけられた。

少し立ち話をしてから、
念のために琵琶湖大橋は自転車は
渡れるのかを聞いてみた。

すると、歩道が設けられているので
橋が渡れてしまう事が判明。

友達を待ちぼうけにさすわけにはいかないので
その橋を渡ることにした。
IMG_3963IMG_3964対岸に到着し、およそ40kmほどショートカット。

綺麗に一周できないことは残念だが
こればかりは仕方あるまい。

対岸で手早く昼食の弁当を食べて
再び自転車にまたがり、出発。

途中、ここに居たら絶対に安全そうな場所を発見。

IMG_3965

名前が芳彰(よしあき)で
ヨシと言われることが多いから
ここは安全だろうが、
今日に限っては、大切な友達との約束がある。

先を急いだ。

約束の時間に遅刻すること
2時間。

午後6時頃、近江八幡市に到着し
カズとヤミーの二人と合流。
DSC_0065

カズは滋賀の茶畑の仕事場から、
車を借りて駆けつけてくれた。

ヤミーは最寄りの駅から
なんと、ヒッチハイクで駅からここまで来たそうだ。

さすが自由の国、ニセコの友達!!
根性が良すぎる!

ビールで乾杯して
新しく手に入れた大きな
NorthFaceのテントに3人も入って
夕食を振る舞った。
IMG_3969やはりこのテントは広い!!

前までは2人がせいぜいだったが、
3人入っても、まだ1人分の余裕はあった。

大量の麻婆豆腐に、
お得意の新玉サラダ、
そら豆を使って豆ご飯を作って
みんなでそれを囲んで食べた。

IMG_3970

気の知れた仲間との
楽しい時間を過ごした。

やがて、カズは車を返さなければならないので
車で1時間半ほどかかる茶畑へ帰って行った。

ヤミーと二人になり、
湖で瞑想してみることにした。

ヤミーはニセコでマッサージの仕事の他に
ヨガの教室やメディテーションを行っていた。

一度、ニセコで初めて
そのメディテーションとやらに参加し
彼女に色んな事を教わった。

スピリチュアルな子で
とても4つも年下の子だと思えないほど
精神的、思考共に成熟した女性だ。

いつも彼女から聞く話しは新鮮で、
人間の思考、内側の深い世界へ目を向けた内容が多い。
ヤミーの声に導かれるがままに瞑想を始めた。

「目を瞑って…。

いま、上からか、下からか。
どっちから力を感じる…??」

うーん…下かな。

「そうよね。
ここは湖がそばにあるから
地面の力が強いのね。

じゃあ、今座っている地面から
地球のエネルギーを感じてみて。

自分の身体を、
筒のような物だと思って。

その力を吸い上げるように
地面からの、地球からの力を
身体にすーっと通すイメージで…。

背筋を真っ直ぐにして
その力を全体に行き渡らせて…。」

そこから無言の瞑想に入った。

余計なことは考えない。

湖のやわらかな波音が
暗闇と共に自分を包み込んだ。

その中で、僕はあることに挑戦してみた。
この目を瞑ったまま、
地球はどちらに回っているか、
その大きな地球の動きを感じ取ろうとした。

メーリーゴーランドのように
グルグル周る地球はどちらに回転しているか…

前方から微かな波動を感じた。
ぐい、ぐい、ぐい、力は
一定に前方やや左辺りから。

地球は北極の上空から眺めた場合を想定すると、
地球の自転も公転も反時計まわり。

つまり湖の東側に居て
身体は西を向いていると云うことは
この方角はほぼ間違いが無い。
と云う事になる。

おぉ…、スゲー。。。

やればできるもんだな。

そこで満足して瞑想を解いた。

ふぅーーーー。
深呼吸。

とってもいい、
目に見えない力を感じる事
が出来た体験、瞑想でした。


6月13日(402日目)
『見所がない所が見所。』

翌朝、
目が覚めて外へ出ると
天気は良好。
IMG_3974

念のため雨対策にしていたタープも
必用は無かったみたいだ。

ヤミーが買ってきてくれていたパンと
コーヒーを作って軽い朝食。
IMG_3972

午前中は湖のそばでまったりと。
昨日ここに来る前にパンクしてしまったタイヤを
修理したりして過ごした。
IMG_3973昼過ぎの沖島行きのフェリーへ乗るため
フェリー乗り場に移動した。
IMG_3977片道500円を支払って
沖島へと向かった。

沖島は日本の中で唯一。
湖の上にある島の中で人が住んでいる場所らしい。
島民は約350人。

島内には車が一台もなく、
自転車と船が所狭しと置かれていた。
IMG_3980IMG_3981島内は乱雑に物が置いてあり
お世辞にも綺麗な島だとは言えなかった。

それほど大雑把な人が多くゆるい島なのだろう。

時が止まったような静けさがある島だった。

船には20〜30人ほどが乗り合わせていたが、
島民に、一眼レフをそれぞれに持った観光客、
バス釣りを楽しむ人もこの島へ来るみたいだ。

猫が多いことから
『猫の島』
と言われているそうだが、
全く猫は見当たらない。

新手のネコネコ詐欺か。

やがて、山の登山口を見つけて
本当に何もなさそうだったので、
山登りをすることにした。

IMG_3986

IMG_3982IMG_3983IMG_3985

20分ほどで、展望台に到着。

展望台と書いているのに

木々が邪魔して
景色は一つも望めない。

…展望詐欺か。

別に嫌な感じは一つもしないが、
全く何一つ見所を見出せないでいた島だった。

山頂手前にハイジが乗るような
手作りの大きなブランコがあったくらいだった。

山を降りて、唯一あった神社へ住宅の合間を抜ける。

IMG_3987

普通は神様が通りやすいように
鳥居まではまっすぐ道があるはずだが
ここはそういった造りでもない。

おまけに身を清める手洗い場の水は
枯れ果てておまけにアンケートを置いている。

ゆるい、何もかもがゆるい!!

それがこの島の良さなのかもしれない。

島を出る時に船を待っている時間に、
ヤミーは移動続きで疲労が溜まった身体を
整えてくれるために、
得意の天職であるマッサージを施してくれた。

マッサージのおかげで
大分と体の動きが良くなった。

船に乗り込み島を出てヤミーとは
またしばしの別れ。

ヤミーとも、
この夏また再開するかもしれない。
以前まで滞在していた屋久島へ戻ろうか
迷っていたらしいが
北海道に行くことに決めたらしい。

カズ、ヤミー、とても良い時間を
過ごさせてくれてありがとう!

またどこかで!!

琵琶湖に進路を変えて
仲間と有意義な時間を過ごせた事は
とても嬉しい出来事でした。

そして再び湖を北上し始めた。

出発してからすぐに
昔に訪れたことがある場所が目に入ってきた。
IMG_3988

地元の芸人みたいな親友、矢内たかじん
ここ辺りのロッジを一つ借りて
バスツアーを組んだ。

内容は昼に神戸から出発し、
夕方に到着してから夜はロッジの外でBBQを。
同時にロッジ内はクラブ化させてダンスフロアを作り
夜な夜な酒を飲んで遊ぶ。
翌日の日中には、
ウィンドサーフィンとパラグライダーを
体験できる企画を開催した。

懐かしい。

仲間を30人ほど集めて
気の済むまで遊んだものだ。

懐かしい記憶をふと思い出しながら北上。

暗くなった8時頃に
道の駅 近江母の郷を発見。

そこを寝床と決めた。


6月14日(403日目)
『僕が動く力で、動く人々の心。』

珍しく解放されている
立派な休憩室で寝ていたが、
掃除のおばあちゃんが水を撒く音で目がさめた。

IMG_3990

邪魔な所で寝てすいません。

「あぁ大丈夫大丈夫。
ここはあんたみたいな人が
2、3日に一人はおるからええよ。
寝たかったらゆっくり寝ときなよ。」
そう言って優しく理解を示してくれた。

目を覚ませてしまったので行動開始。

まずは自転車のそばにいるために外のベンチへ。

朝ごはんを食べていると、
先ほど話したおじさんに冷たくて美味しい
真っ赤な色に熟したおいしいトマトを頂いた。
おじさんも車中泊で奥さんも旅行しているらしい。
(写真奥の夫婦)
IMG_3992
コーヒーを飲みタバコをふかす。
荷物を整えてたりしている間に、
道の駅に訪れる数多くの方々と話をした。
IMG_3993準備が完了すると、
いよいよ出発。
IMG_3994今日こそは、
4日前に到着予定だった福井県の
敦賀まで行けるだろう。

昼過ぎに琵琶湖最北端付近へ到達。
ここから先へは敦賀への峠に入る。
IMG_3997

綺麗にきっちり琵琶湖一周とは
出来なかったものの、
この、ほぼ一周で出会った友達や
この土地での出会いの数々を振り返れば
何も思い残すことはなく、悔いはない。

むしろ、
やっぱり来て良かったと思うのだった。

琵琶湖のほとりで湖を見納めしながら
昼食を摂った。
IMG_3996

敦賀まではそう遠くなかったので
昼食を終えると上半身裸になって30分ほど昼寝した。

この9日間で早くも、
肌にTシャツ焼けが目立ってきた。

薄い曇り空で太陽の熱が
眠ることを邪魔させ、汗だくになってきたので
寝ることを諦めて起き上がり
出発することにした。

さようなら、琵琶湖!

内陸へ舵を取った。

IMG_3999

途中、対向方面から走ってきた車の方が
わざわざ引き返して
差し入れを手に持たせてくれたカップルがいた。

スポーツドリンクとチョコレート。
どちらも、これからの季節はありがたいものだった。

IMG_4001

峠は傾斜もほどほどで
そう厳しいものではなかった。

山を上がると福井県の看板が。
やっと福井県に戻ってくることが出来た。

IMG_4003

立ち上がって自転車に乗り、
全体に風を感じて一気に坂を下った。

峠の後に坂を下る頃には下る勢いから来る風で、
ある程度の汗が乾いている。

はじめに見えたコンビニで
タバコ休憩をしていると、
話しかけられてステッカーを渡したおばちゃんに
今夜のお疲れの一杯にお酒一本と
マクドナルドのバーガーを頂いた。

ローソンで
マクドナルドを貰えたことに驚きつつ
その場でそれを頂いた。
IMG_4004

食べ終えると敦賀市内を目指した。

車から手を振ってくれた方に
こちらも手を上げて返す。

こんな事も日常茶飯事で
1日に何度もあることだ。

やがて敦賀市内へ到着。

少し街を探検してみたがお店は多いが
人が沢山いて街が栄えている様ではない。

すると、突然知らない番号からメールが入った。
内容を確認すると驚いた。

『さきほど車から手を振ったものです。
敦賀は通過するんですか?
頑張ってくださいね!』

と、自転車のリアカーのURLを覚えていたが、
写真を撮ったかでホームページを見てくれたのだろう。

とても嬉しくなり、
すぐに返信をした。

覚えています、ありがとう!
今はフラフラしてるけど今日は
この街のどこかで野宿するつもり。と。

そして寝床を探し始めた。
ちょうど良い気持ち良さそうな公園を海辺に発見。
そこで宿泊すると決めた。
DSC_0070IMG_4007

寝床を見つけたので、
さきほどの方に言いたかった言葉と
無事寝床を確保出来た事の報告を
更にメールをした。

今日は金ヶ崎緑地公園で
野宿することに決めました。
さっきは窓から手を振ってくれて嬉しかったです。
日々、皆さんからのそういった応援が
僕の今までの一歩一歩を踏み出せる力となっています。
本当にありがとうございました。

すると、野宿に驚いたようで
「ご飯はどうするの?
辛いカレーは好き??
ちょっと、持って行って上げようと
思ってるんだけど…トンカツ。」と。

まさかの返信が。

カレーが嫌いな男
この世に一人も存在しないと思っている僕は
大好きだとすぐさま返信。

しかもトンカツもって!!

これからまさかのカツカレーが届くことになった。

さきほどのローソンで頂いた酒を
プシュ!っとご機嫌で開けて飲んだ。
IMG_4008

地面が滑らかで綺麗な場所だったので
もって来ていたクルージング用スケボー、
Pennyに乗って遊びながらカツカレーを待った。

なんてったって今日は
晩御飯を作らなくてもいい。

料理の手間が省けた分の時間を
バランス感覚を養う練習の時間とした。

来シーズン冬の予定しているニセコの雪山で
更なるいい滑りが出来るように
日々、バランス感覚も鍛えておかなければ。

トリックはしない。
どれだけ美しいラインで滑りたい場所へ行けるか、
どれだけ足に負荷をかけずに板に対して
体を垂直に立っていられるか。
雪質が特殊な北海道のパウダースノーを滑るためには
その追求が必要であるのだ。

そんな事をしている内に
本当にカツカレーが届いた。
IMG_4009開けてびっくり。
どうやらスパイスを配合して一から作られた
これまで人生で食べたカレーの中で3本の指に入る

究極の絶品。

さらに冷たいビールまで。

手を助手席から振ってくれたせいさんと
夫のてっぺいさん。

本当にあれは美味かったぁーーーー。

また、レシピ教えて欲しいです!
ごちそうさまでした!
うまい料理、冷えたビール、感動の経験を
どうも、ありがとうございました!!

DSC_0074

わざわざ届けてくださったお二人も
夕食の為に帰っていった。
DSC_0075

お腹も満たし、心も満たされた。

絶品のカレーも堪能すると
今日もまた。
空の色が一つ一つ無くなる様子を
静かに眺めていた。
DSC_0078

今夜は雨の降る心配はなさそうなので
テントを芝生の上に建てた。

散歩や公園に訪れる人が少なくなった頃に
石垣島でお世話になった
Bar Deepsyのチャッピーさんにもらった
洗濯板を使って初めての洗濯。

おじいさんは山に。
おばあさんは川に洗濯へ。

川から流れてきたカツカレー。

それを食べると元気モリモリ感謝感謝の芳太郎。

ハッピーエンドで
今日は
おやすみなさい。


6月15日(404日目)
『予想外のマイホーム福井市』

テントから出て洗濯物を取り込み
テントを畳んで食事の支度。IMG_4011

公園に訪れる人達には、
やはり気になる方が声をかけてくる。

いつもの様に今までの旅を丁寧に説明し
楽しませて、ステッカーを手渡す。

それが僕の夢への近道だから。

今日も気分は爽快。

そう言えばと、自転車に貼るステッカーを
まだ貼っていないことを思い出して
自転車に貼り付けた。

ニセコのローカルの方がやっている服屋
倶知安にあるSASURAIのステッカー。
IMG_4014

実家にあった正念場ステッカーに
ニセコ ヒラフエリアにある
韓国料理居酒屋『まんぷく亭』ステッカー。

地元の絵描きさんROCUくんステッカー。
神戸のストリートブランド
KOBEY 神戸牛柄ステッカー。

IMG_4015

リアフェンダーにもまんぷく亭
IMG_4016

ニセコで働いていた
『Bar bloblo』で
ジェリーさんの奥さん、トモちゃんにもらった
タイダイ柄のカラフルなクマの形をしたステッカーが
自転車の車体に仲間入り。

他には
北九州『とり姫』
新井さんにもらったステッカー。

新井さんからは今でもよく電話を頂く。
相変わらずな陽気な会話で僕を楽しませてくれる。

出雲の
僕が乗っているSURLYを扱っている
自転車屋
『プラティヤヤ』

IMG_4017

自転車に思い出の数々を
貼り付けていった。

それを見れば、その人の事を思い出す。
シールだけでなく、授かったもの全てに。

その思い出の数々の宝物は
お金を出しても買えないものばかりだ。

おじいさんの会社の社長を継ぐ事を辞め
ここまでやってきたが、
金も全然ないけれど、僕は幸せだ。

よく会社を経営していた金持ちのおじいさんは
でっかい態度で良い椅子に座って背もたれに両手を広げて
足を組んで偉そうに、こう言っていた。

『金で買えないものは世の中には一つもない。』

そんなことないで、じいちゃん。

幼いながらに本当にそうなのかなと
思っていたが、
やっぱり僕はそうは思えない。

金で手に入れなければならないものなんて
自分が食べるご飯と、
人の為にしてあげたいコト。
大切な人へのプレゼントぐらいだと思う。

それ以外は
色んな事を知りすぎて私利私欲に染まった
人間の恥ずかしい性である。

最近、その疑問がようやく解け始めた。

金に目が眩んだ親戚を数々見てきた。
次は僕がそれは「違う」と教える番だ。
いつか金に目の眩んだ恥ずかしい親戚達に
喝を入れようと思っている。

そう思わされたことが
実は昨年におじいさんの故郷鹿児島へ訪れた際に
起きたからだと言うことは今でも忘れちゃあいない。

それは親戚ごとなのであまり公にはしなかったが、
メールマガジンで本気で僕を応援してくださっている
一握り方々にはお伝えしていることだが。

(一応メールマガジンのURL貼っておきます。)
http://www.mag2.com/m/0001631640.html
心から応援してくださる方のみで構いません
僕の夢への協力を、よろしくお願いします。

その当時の記事も、バックナンバーから
購入できる様になっています。

宝石のキラキラした透明な石ころの中には
何があるだろうか?

プロポーズをされた女の子が
綺麗な石ころの魅力に喜ぶだろうか?
喜ぶのは、
その自分を認めてくれた男性の
行動とからの決意の告白だ。

もし、
宝石の大きさが、男の愛の大きさ。
なんて言ってしまう女がいたとしたら、
どんな鉱石よりも硬いと言われている
ダイヤモンドの原石で頭をぶつけて
記憶喪失になった方がその人にとっては
良いことなのかもしれない。

ダイヤモンドって何?

地球上に少ないから価値のある物
って言う意味が、私にはわからないわ。

それくらい
固定概念の記憶を消し去った方が
丁度いい。

(※あくまで僕、個人の意見で、
僕には必要がないだけです。
似合う方ももちろんいます。)

さぁ今日も。

お金で買えない物を探しに
出かけるとしようじゃないか!!

IMG_4012

歩道がなく狭い海岸線は
トラックの交通量が多く
大型トラック特有の通り過ぎる時の風には
気をつけて走らなければ、
フラついて吸い込まれそうになってしまう。

峠の麓にあったコンビニで休憩。
出会ったバイカーのおじさんが
バイクにステッカーを貼ってくれた。
IMG_4019

山道に入る前に弁当を食べていると、
野菜炒めの人参が一つ落ちてしまった。

座って食べている周りには
アリが沢山いたので
アリに上げることにして
どうやってこの大きな重たい獲物を
収穫して巣に持ち帰るのかを観察しながら食べる。

IMG_4022

大きいアリは食べ物だと知ると、
大きな食べ物の周りをウロウロして
触覚を何度も人参に当てて大きさや形を
調べ始めた。

一匹来ては調べ始めて、
必ずそのあとに体についてしまった
バター炒めの油が触覚に付いたのを
気持ち悪がっているように拭って
どこかに立ち去る。

仲間を呼びに行ったと思ったが
なかなか帰ってこなかった。

赤黒い小さいアリも歩いていたが、
大きさからして小さいアリの方が
より不可能で諦めるだろう。

そこで見ることを辞めて
食事に集中した。

弁当を食べ終わって、
再び出発する前に
もう一度人参を見てみると…

小さいアリが行列を成して
集まり始めていた。

予想は外れた。

かじって小分けにして持ち運ぶのだろう。

当たり前に大きな方だと思ったが
小さなアリが獲物を獲得。

予想外の一部始終を見られて満足し
峠に挑み始めた。

綺麗な花を見つけて近寄り
匂いを嗅いでみる。

IMG_4018

いい匂いだが、
先日の見所がない所が見所の島、
沖島の登山道にあった野生の百合の花の方が
匂いが濃厚だった。

そういえば、ちらほら見かけた植物が
他の土地とは違っていたような気がする。

見所がない事はなかったのかも。
それはただ、
自分が気付けていなかっただけ
なのかもしれない。

些細な事を日々、
見失っちゃいそうになるけれど、
些細な事にもっともっと目を向けて、
どんなことにも気付けるような
目を持って居たいと思った。

峠に差し掛かってすぐに、
リアカーがパンクした。
IMG_4023

今回の旅ではこれで3回目。IMG_4024

パンク修理はもうお手の物。
リアカーならタイヤも荷物も外さずに修理できるので
ものの5分で出来てしまう。

主にタイヤのパンクの原因は
鋭い石とガラスの破片だ。
峠道は山から流れてくる雨水などに
小石が混ざって流れ出て来たり、
車道から勢い良く走ってきた車が
歩道まで石を飛ばしたり、
人がめったに通らないので
小石がとにかく多い。

IMG_4028

タイヤの磨り減りも
石を貫通しやすくしている原因になるので
すり減ってパンク回数が増え始めたら
旅人の自転車のタイヤは替え時だ。

あと石を避ける運転技術も必要不可欠だ。

一つの石を踏まなければもっと進めた、
なんて結果も多々あること。

パンク修理を終えて
再び峠道に挑み重たい自転車を
漕いで上げてゆく。
IMG_4029出発から2〜3分でなんとなく振り返ると、
山の中だというのに至近距離に人が居てビックリ。

なんと、同じ日本一周を志す
えなりかずき風の青年だったのだ。
IMG_4030ピン子もビックリ
自転車のカゴとリュックのみの超軽装

僕は重たそうですごいねーと良く言われるが、
逆にこの荷物で日本一周出来ることが凄い…。

ピン子にまた心配かけて怒られるぞ。

お互いに立ち止まってどこから来ただとか
今どれぐらいの期間だとかを質問し合った。

彼は東京から来ている20歳。
一日に200kmも移動するそうだ。

一緒に一晩キャンプでもしたいと思ったが
このペースの差では共には行動できないだろう。

記念に写真を一枚。

IMG_4031

ステッカーを渡すと
普段きキッチリして見えるえなり君からは
想像も出来ない程の適当さでシワになりながら
雑に貼り付けてくれた。

だから、ピン子に怒られるぞって。
IMG_4032さすが超軽装。
シールの張り方も、軽い。

先に追い越してもらって
彼は一足先に
僕の4倍の速さ
渡る世間は鬼ばかり居そうな坂を
駆け登って行った。

1時間かけてゆっくり頂上へ上がると
頂上のパーキングエリアで
超軽装くんが、すでに到着して優雅に休憩していた。

IMG_4033

また、おいっす!と言って挨拶。
彼は一足先にまた、
僕の4倍の速さで
渡る世間は鬼ばかり居そうな
下り坂を走り去っていった。

スピード出しすぎたらピン子に怒られるぞー!

この峠を下れば後は平坦だと
昨日カレーを届けてくれた夫婦に聞いていたので
これからはもう安心だ。

と思っていたらまだ峠の途中だったみたいで
もう1時間かけて山を登った。

結局、峠を越えたのは麓から
3時間経ってからのことだった。

今夜は福井市が栄えているらしいので
福井市の路上で何かやってみようと思う。

夕焼け色に染まった街へ差し掛かり
あと30km。
焦ることなくゆっくり自転車を走らせた。

IMG_4036

峠を越えたご褒美に
70円で1リットルのジュースをゲット。

IMG_4035

辺りは暗くなり始めた8時前、
ようやく福井市街地へ到着。

IMG_4039

まず街に入って路面電車があることに驚いた。

福井市には正直、
何もイメージ出来る物がなかった。

路面電車なんだ。
また新しい発見をした。
路面電車の福井駅前駅の近くに
ベンチがあり路面電車を見るためにそこで休憩。

路面電車は改札がなく
横断歩道から入れるのか。
IMG_4041広島と鹿児島にもあったが、
よくよく考えても見れば、
路面電車には乗ったことがないことに気がついた。

座ってボーッと何するか考えていると
近くにいたjkに声をかけられたので
記念撮影してステッカーを渡した。

ホームページに貼っておくから見ててねーと
宣伝したがjkは、見てくれているだろうか??
IMG_4040その後、街を探検することにした。

寝床はこの街に入る前にあった
河原の河川敷でいいだろうと決めている。

後はこの街でどう楽しく過ごすかだ。

街一番の飲み屋街を通ったり
気の向くままに自転車を転がす。

気が向けば、乗るだけでなく
押して歩いてみたりも。

歩く速度でなければ
見えないものも沢山ある。

街並みをあらかた見てみると
路上で何かやってみようと云う気が湧いてきた。

出発前からやってみようかと考えていた
日々感じた言葉や思いを紙に書いて売ってみる事。
それらを以前からやっていた
ステッカー販売と並行してやってみようと思う。

まずは駅前に行ってみた。
そこで路上ライブをしている人を発見。

ちょっと話してみようと近づいて行った。

ちょっと変わったおじさんだった。

ギターの弦は2本しかなくってゆるゆるで
変な音が鳴る。
一応歌を歌ったりするが、
1フレーズだけ適当に弦を弾いて
いろんな人のカバー曲を歌う斬新なスタイル。

俺のビールを持っているのを見て
歌「かんぱ〜い いま きみは 人生のぉ〜う」
ギター音(ビローン、ビローン、ビロビロビローン)
そんで、どっからきたの?
IMG_4042プリクラ持ってないの?

とか聞かれたけど、
女子高生かっつーの!!

この人の隣でするか…?

いや、なんか違うよなーーー。

俺も相当変人だと思うが、
同じジャンルだとは絶対に思われたくない。

そのおじさんに
他に路上販売するならどこがいいか聞いてみた。

「儲けたいなら片町とかじゃない?」

そこは先ほど通った福井市一の
飲み屋、歓楽街のことだ。

福井市一だが規模は、
800mほどの大通りと、
その半径300メートル周辺の事を指す。

新しい街に入ると繁華街の位置は必ず
市のホームページなどでチェックする。

神戸の歓楽街で店をしている僕としては、
夜の歓楽街の人々は何を求めているかを
知る必要がある。

日々、夜の歓楽街にはいろんな人が居て、
酒に酔い、本能を表す人達。
素直な声や、楽しい事が好きな面白い人達が
街の歓楽街に沢山出てきては、
それぞれに心ゆくままに何かを求め、
何かを楽しみ、何かで遊んでいるのだ。

それを見極めるのも
楽しませるお店側のバーテンダーの
重要な仕事だからだ。

片町通りに
ちょうど閉店している店舗前に
街灯が照らされていたので
そこで店開きをしてみることに。

IMG_4044

結構声をかけてくれる方が現れ
話しを聞いてくれた上で
大多数の人はステッカーを選んで
買って下さった。

ポケットの中の小銭を
全部置いていってくれる人に、
年がさほど離れていない若い人たち、
1000円札でステッカーを買ってくれた
サラリーマンのグループの方々。

本に福井の1000円の男って書いててくれよ!
って言っていた気前の良いおじさん。
IMG_4045

福井の方々は大変優しい人が多く、
「君の夢、応援してるよ。頑張ってね!!」
と言って応援の気持ちを込めて、
ステッカーを買って下さった。

感謝してます。
この日の売り上げで僕は
節約すれば10日はご飯が食べられます。

北海道への道が少しづつ開いてきた。

なんとか、夏の北海道の仕事まで、
これで食いつなげればミッション成功だ。

今後もう一つ、
旅で撮りためていた写真を厳選して
良いものを現像し、
それを売ってみることを考えている。

路上販売のテーブルの上に
もう少し色を入れて華やかさを出す方が
なんだか見た目的にも、
いろんな感性を持った人にも、
一人でも多くの人に会えるような気がするからだ。

たくさんの人と話した中で
バイクで日本一周中で5年ほどの
長期間かけて周っている人に出会った。

なぜ
バイクで5年かかっているのか聞くと
まさかまさかの、
「ニセコに沈没していたから。」
と云う驚きの理由が聞かされた。

去年シーズンも僕が居た真隣の
ニセコ東山ヴィレッジスキー場で働いていたらしい。
今年もお互いニセコへ戻ると言う事も判明して
また、次の冬に雪山で会うことになりそうだ。

ポテチくん、またニセコで会おう!!
IMG_4047

人もまばらになり始めた月曜の歓楽街。
もともと人はまばらだったが、
そろそろ腹が減ってきたしどうするか考え始めた。

近くの福井生まれの知り合いに聞いた
ヨーロッパ軒の名物のソースカツ丼を食べるか…
調べてみるととっくに閉店時間を過ぎている。

さぁーどうしようか。

考えていると、
またお客さんがやって来た。

大分と僕に興味があるらしく色んな事を質問され
答えながら木村さんと名乗るお兄さんと
結構長い間話し込んだ。

すると、近くのワインBarに
同じように自転車での旅をしていた店長がいると
興味の湧く話しを聞かせてくれた。

ワインBarの事は街を探検している時に、
店の前を通っていたので知っていた。
場所を聞いても記憶のある場所だった。

その方は日本ではなく、
海外をずっと旅していたらしい。

なんとも気になる。

その話しを聞いて
すぐにそこへ行くと決めた。

すると、もう帰りだと言っていた木村さんも
付いて来てくれる事になった。

面白いことになってきた。

荷物をすぐさま片付けして、
すぐ近くのワインバBarへ木村さんの案内のもと
自転車を押して付いて向かった。
IMG_4054歩いて2分もかからない内に店に到着。

DSC_0080

このお店の扉を開いた。

また
新たな物語が
始まろうとも知らずに…


 

ここから以降の物語は次回配信。

只今、
福井市のマンションの一室に住み、
マンションで一人暮らし、
四日目
に突入する。

明日から2日間だけ仕事をすることが
急遽、
今日の午後決定した。

次回、乞うご期待!!!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。