11月2〜4日 まだまだ続く宮崎の縁と人情。(176〜178日目)

11月2日(176日目)

繁華街の近くにある公園。

珍しくこんな立地に
静かな公園があることが救いだった。

昨晩、酔っぱらったまま
自転車を押して寝床を探す事なんて考えると
ゾッとしてしまう。

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今日こそ、大分へ向けて出発だ。

10号線をひたすら北へ向け走りはじめた。
IMG_3647IMG_3648IMG_3650IMG_3651この日は70kmほど移動して
日向市へと入った。

夕方頃の道の駅の看板を見つけ、
そこで寝ようかと考え、そこへ行って見ると
なんだか落ち着ける様なスペースがなく、
あまり泊まる気になれない。

仕方ない、もっと良い場所を探そうと
また前へ進みはじめた。

けれども、進めど進めど公園なんて見当たらない。

辺りも真っ暗になってきたので
視野が狭くなり、もっと探すのが困難になってきた。

携帯の地図を頼りに公園を探すと
ちょうど国道のそばに運動公園を発見。

そこへ向かった。

国道から右へ曲がり
すぐの場所に公園があるとなっていたが
行って見ると、ビックリする様な急な坂。

なんだこれは、壁か?と思わされてしまうほど急だ。

他に良さそうな場所もないので
仕方なく急な坂を上りはじめた。

最後の最後の力を振り絞り坂を上る
もう少し。もう少しで寝れる…

息を上げて登る。

やっと公園らしき明かりが見えてきた。

あと、もう少し。30メートル…

そこへ。

猛スピードで坂の下から走ってきた車が
少し前方で急停車して停まり、
中から出てきた方が歩道に立ち
声をかけてきた。

「どこから来たんですか?泊まる所は?」
と声をかけてきた。

息を上げながら、あぁーこんばんわ、
これから、そこの公園で野宿するつもりです。
そう言うと、すぐに

「ウチに泊まりにきませんか?」
と、二言目にはそんな言葉が掛けられた。

驚きつつも
えぇ?!そんな、、いいんですか?
こんな見ず知らずの僕を…

「えぇ、もちろん構いませんよ。
よければ、いらして下さい。」

この日は、いつにも増して気温は冷え込み
寒い夜になるだろうと覚悟していたが
なんと、民家に泊めさせて頂ける事になった。

少し国道を戻った所が家だったそうなので
ある程度の道を説明してもらって
お母さんのお宅にお邪魔する事にした。

家の前には、農作業用の大きな倉庫があり
そこに自転車を停めさせてもらい
家の中へと招き入れてくれた。

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黒木一家のお宅へ入り
さっそくお風呂でもどうぞと
お風呂に入れさせて頂いた。

いきなりお風呂に入るのも失礼かと思うが
汚い身体のままそこらへんに座るのも気が引ける。
ありがたくお風呂に入らせてもらう事に。

髪を洗い、身体も綺麗に流し
あっつあつの湯船に浸かると
もう、最高。

思わず、「クゥ〜、最っ高。」と声が漏れてしまう。

風呂から上がり、晩ご飯が出来るまでの間
倉庫でみかんのパッキングをしている
お父さんの手伝いをさせてもらった。
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3人兄弟の長男は家を出て
広島辺りで仕事をしているらしく
家に居るのは次男と一番下の長女の二人。

そして、自分がいきなりこの家に招かれた
一番の動機を知る事となった。

というのは、次男も僕と同じ様に
自転車で日本を旅しようと考えているそうで
色々、アドバイスをしてやって欲しいとの事だった。

次男も倉庫へ出てきて
どんな自転車が良いとか、装備はどんな物が必要か
旅している間に疑問に思う事など
色々質問され、アドバイスをして上げた。

自転車はもちろん、自分の乗るSURLYを勧めた。
頑丈だし、色んな装備が付けれる様に
ダボ穴(車体のネジ穴)も多い。
旅には適している自転車だと思う。

以前奇跡の3度再会したアンドレーも
この自転車をしている。
海外のチャリダーも愛用するメーカーだ。

次男も、これにしようかな、
おそらくコレにします!と
その気になっていた。

やがてご飯が出来上がり
黒木御一家の4人とご飯をお供させて頂いた。

晩ご飯は豪勢にいろんな物が出された。
マグロのお刺身に、昆布の魚卵の和え物、
油みそ、中華炒め2品にカルボナーラ、などなど。
他にもあった様な気がするが
どれも美味しい最高の夜ご飯だった。

食卓ではテレビ番組
世界の果てまで行ってQが放送されていて
家族みんなで笑いながら見ていた。

ご飯を食べ終わってからは
お父さんとお酒を頂きながら話をした。

ビールを数本頂いてからは
白霧島の芋焼酎を頂く。

お父さん手作りのへべす(かぼすに似た様な果実)を
お湯割りにしぼって飲むのがお父さん流。

へべすは小振りのみかんほどの大きさで
半分に切って出されていた。

その半分を少しずつ絞れば
半切れで5杯は飲めそうだ。

芋の香りと、へべすのキツすぎない果実の香りが
非常に飲みやすく美味しい飲み方だった。

ヘベす自体がどんな味をしているのかと思い
少しかじってみた。

かぼすに似ているが、
かぼすほど青臭くなく程よい香り。
ちょっとしょっぱさがあったので
切り口に塩を塗っていたのかもしれない。

なるほどー。塩か。
お酒に合う訳だ。

(多分だけど聞き損ねた。)

お父さんの人生観や今までにあった事。
それで学んだ教訓、家族に対する想いなど。
大切な話を沢山して頂いた。

お父さんも、四国で出会った
楠さんと同じ様な話を聞かせてくれる。

「やはり、歳を重ねてくると
やがて自分が、あとどれくらい生きれるだろうと
考える様になる。

そう考えた時に、自分が何をしたいか。
何が出来るのか。という事を考えるね。」

そう言いながら、気がつくと
グラスを手に添えて
座ったままお父さんは眠ってしまった。

お父さん、お疲れさまです。

その居間の隣はお父さんの部屋で
すでに布団が敷かれていた。

そこから掛け布団を持ってきて
風邪を引かない様にと
そっと起こさない様にかけておいた。

やがて、お母さんが布団に移る様にと起こしに来て
横の部屋まで「うぅ〜おぉ〜」と言いながら
這う様に移動してお父さんは就寝した。

その横に自分の布団も敷かれ
この日は暖かい毛布にくるまって眠る事が
出来たのだった。


11月3日(177日目)

8時頃起床。

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朝方は本当に冷え込んだ。
外で過ごしていると…と考えるとぞっとする。

家の中でも寒いと感じるのに
テントの中だったら…と考えると。。。

夏用のシュラフと今持っている防寒着で
どうにか出来るんだろうか…?

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起きてからすぐに優しいお母さんが
おいしい朝食を用意して下さった。
IMG_3655魚の横にあるのが
昨日のお酒のお供にしたへべす。
お父さんの畑で採れた自慢の果実だ。

朝食を美味しく頂き、
お母さんはおにぎりのお弁当まで持たせてくれた。

荷物をまとめて出発する頃に
記念写真を撮った。
DSC_0081残念ながら
日本一周を心指す次男は居なかったが
彼も是非頑張って欲しいと思う。

連絡先を交換しようとしていたけども
出来ていなかったので、黒木御一家。
もし、これを見ているのであれば
いつでも連絡下さいと次男にお伝え下さい。
kamitsuru@icloud.com

お父さんが作ったみかんを大量に持たせてくれ
みかんだけで重量が5kg前後あるんじゃないか?!
って程の量だった。
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出発してからも
振り返ってリアカーを見ると
大量のみかん。

多いなー!!と見る度に笑ってしまう。
この日から水分補給は当分、みかんになった。

充分に身体を休ませてもらって
快調に進む事が出来た。

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延岡市に入り
店が建ち並ぶ国道を走っていると
何やら打楽器の音が聞こえて来た。

ん?なんだなんだ??
そう思って近づいて見ると
音はソフトバンクショップの前からだった。

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犬のかぶり物をした店員が
ドラムを叩いている。

バックミュージックはGLAY。

何故、そうなる?(笑)

ここの部署の会議でなにがあって
そうなったんだろう。

店員「僕、ドラム得意なんで店の前で叩きますよ!」
店長「おっ、それいいね。そうしよう。」

ってなるかー!!

いや、なったから
こうなってるんだろう。

不思議な事もあるもんだ。

けれども、自分的には
社会はこうであって欲しいと思う。

形式に捕われて
『あれはダメ。これはこうでなくちゃダメ。』
そんな型にはめられた会社に勤めていても
面白くもなく新鮮さもなく社員にも倦怠感だけが募るだろう。

働く人にとっても、働き甲斐があり
自分達のやりがいが見出だせる職場作りが出来ている
このソフトバンクは素晴らしい。

「大手だから」に捕われず
常識を打ち破っているやり方は
通りすがりの自分にとっても気持ちの上がる出来事だった。

リスペクト!!
延岡のソフトバンク!!

日向市から延岡市を越えてからは、
山道を越えなければならない。

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昨晩、お父さんに酒を飲みながら
「左の道の方がまだマシだからそっちにすると良い」と
教えてもらっていたので10号線から左の国道326号線へと進んだ。

10号線は宗太郎峠と言うキツい峠が続くらしい。

お父さんに教えて貰った道は緩やかな登りが続き
非常に楽に進む事が出来た。

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山道で休憩していると

知り合いにあった。

二日前にスナックで飲んでいた時に
隣に座っていた方がたまたま通りがかったのだ。

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うわぁ〜!!

大分に行って帰ってくると聞いていたが
本当に会えるとは思っていなかった。

こんな山の中でこれまでに出会った方に
会えるとは思っても居なかった。

車の中にはお子さん2人と
スナックのママの娘さんカップルまで乗っていた。
なんとも、面白い縁。

テンションが上がり、少しみんなにみかんをお裾分け。
すると、お礼にと日本酒を頂いた。

いやー実に面白い。
旅では何が起こるか本当に分からないもんだ。

思わぬ事に元気付けられ、
再び前へと進んだ。

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河を塞き止める様に
竹などを端から端まで渡して
一部にカゴの様な仕掛けをしている。

しばらくそのアユか何かの魚を穫る
見慣れない漁を橋の上から観察した。

ここ辺りの川では
これと同じ仕掛けを多く見かけた。

日暮れ前に山道の中腹あたりにある「道の駅うめ」に到着。

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今は使っていなさそうな
建物の軒下にテントを張る事にした。

この道の駅にはキャンプ場も併設されている場所だった。

けれども山の中だという事もあってか
夕方から非常に厳しい寒さだ。

冷たい風を少しでも受けない為に
その場所へ泊まる事にした。

そこの従業員だろうお兄さんも
親切に声をかけて下さって
そこに泊まっていいですよ、と言ってくれ
そこの水道も、あそこのコンセントも使っていいです。
などとあれこれ親切に教えてくれた。

冬の時期はキャンプ場は経営していないのか
お兄さんは道の駅にテントを建てた場所で
的屋の仕事をしていた。

日が暮れて帰り際に
そこの店主のおじさんが寄って来て
「これ、最後に焼いたウチの自慢の
栗100%で作った餡を使った饅頭です。
よかったら食べて。」と
あったかい饅頭を頂いたりも。
IMG_3673温かいうちに頂いてみた。

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甘過ぎない美味しい栗の餡、
ほくほくの饅頭焼きは最高に美味かった。

おじさん、ありがとう!

この日は寒く寒くて
本当に辛い想いをした。

夏用の寝袋では立ち射ちが出来なかった。
九州でこんな寒さに襲われるなんて想像もしていなかった…

夕方に気温10°と標識に出ていたので
おそらく朝方は5°前後まで冷え込んでいただろう。

下はヒートテックと
分厚いパッチを2重に来てズボンを着込み

上は同じくヒートテックにTシャツ、パーカー、
ウルトラライトダウンを着込む。

それで寝袋に入るが、もう全然ダメ。
新しく寝袋を買い替えた方が良さそうだ。

大分の街に出たら真っ先に寝袋を買いに行こう…

そう心に固く決める。
今シーズン一番の寒さに凍えた夜だった。
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この晩、石垣島でお世話になった
Barの店長のチャッピーさんが知り合いの結婚式で大阪に出ていて
わざわざ神戸の僕のBarへと顔を出してくれたみたいだ。
IMG_3678人の縁を大切にするチャッピーさんらしい行動。

行くかもしれないとは聞いていたけども
本当に来て下さるとは…。

ありがたい限りで
心だけは少しでも温まらせてもらえる
そんな出来事でした。


11月4日(178日目)

太陽よ、早く…

早く昇って来てくれ。。。

そう願い続けて朝を待った。

日が昇ってからも
寒さから中々外に出られず
テントの外へ出たのは10時をまわっていた。

温かい野菜具沢山のみそ汁を作り
身体を温め出発した。

そこからは傾斜が傾き
登りが続く峠に差しかかった。

ゆっくりゆっくり1時間半ほどかけて
頂上付近へと自転車を漕いで上がった。

辺りを見渡すと、
自分がどれだけ登って来ているのか
一目瞭然。

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ほっほー、こんなに登って来ましたか!

一回も降りて押さずに上がって来られた。
体力も筋力も、身体に染み付いていたんだろう。

鹿児島からの道程で
現役だった頃の数ヶ月前まで
筋力は回復しつつあった。

この日は昼からの出発と峠に時間がかかり
30kmほどの走行だった。

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早い時間に「道の駅みえ」を寝床とする事にして
昨日の寒さでの寝不足を補う事にした。

夕日が綺麗に見える見渡しが良い場所で
久々にゆっくりと景色を眺める時間。

徐々に変わりゆく空の色を見ながら
景色を楽しんだ。

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今夜は更に着込んで
夏用のシュラフの上からカッパで外の空気を遮断する作戦で
寒さの改善を試みる。

夜、テントを張って
外のテーブルでパソコンを触っていると
駐車場からハイビームでこちらを照らしてくる車が居た。

まっぶしいなー、なんだよ。
そう思い目を細めて見ていると
2人組が車から降りて近寄って来た。

あぁーなんだ。警察か。

「お兄さーん、寒くないかね?」

いやー寒いっす。(即答)

「だろうねぇ。日本一周しちょっとかね。」

えぇ、でもここ最近で本当に気温が下がって来て
辛いですね。。

あ、そうそう。
よかったら、これ頂いて下さいよ。
そう言って2人にみかんを2個ずつお裾分けし
ステッカーも渡してみた。

「おぉ、ありがとう。
ま、風邪引かん様に気をつけて下さいね。」

そう言って
怪しいヤツでは無いとわかればすぐに
住所も聞かずに車へ帰って行ってくれた。

と、思うとまた戻って来た。

今度は、なんだなんだ?

「兄ちゃん、みかんもらったし、これ上げるよ。」

そう言って小さなカイロ5個と
反射ベルト二本も渡してくれた。
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みかんで温かい救世主を入手する事が出来た。

これはとてもありがたい。

早速今夜、
真っ先に冷たくなる足に
一つ使ってみる事にしよう。

この日は、これがあったおかげで
前日よりも寒さを凌げ、
睡眠に集中する事ができたのだった。

11月2〜4日 まだまだ続く宮崎の縁と人情。(176〜178日目)” への1件のフィードバック

  1. これから寒くなるから身体に気をつけて。

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