7月4日 (55日目)

7月4日(54日目)

道の駅の駐車場の
鋭い小石が散らばる地面で目が覚めた。
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蒸し暑いテントを出ると
久しぶりの太陽が顔を覗かせている。

連日の雨で身体や衣服は濡れたまま。

過酷。

ただ一言、頭によぎった。

重たい体を無理矢理動かせて
朝ご飯も食べずに
近くのお寺に向かった。

第四十番札所 観自在寺
20140708-001335-815313.jpg20140708-001335-815759.jpg20140708-001336-816211.jpg

次のお寺の方向へ進んで
少しぼーっとしながら
自転車を漕いでいると

前から地域の清掃活動をしている
大量の小学生が見えて来た。

クラスに分かれて
あちらこちらで清掃している。

横を通り過ぎる時に
沢山の声が聞こえてくる。

「頑張って下さい!」

「すっげぇー!」

「うぉー!!あれソーラー??」

そんな声を聞いて
イエーイ、と言い返して
ピースサインを出して走り去った。

進んでいるとまた1クラスがいた。
また同じ様などよめきと
応援の言葉がちらほら聞こえて

通り過ぎて少し離れると

40人ほどの全員で
「いっせーのーで、
ー!!

と聞こえて来た。

朝からの気分の重たさを
子供達のおかげで
吹き飛ばす事が出来た。

顔は自然と微笑んでいた

初めに見えたスーパーに入り
安い唐揚げパックを買った。

ちょうど横に公園があったので
そこで食事をする事にした。

昨日の道を尋ねたおじさんに
もらったおにぎりと一緒に食べる。

日照りは燦々と降り注ぎ
濡れた衣服はいつの間にか
乾ききっていた。

次のお寺までは50kmほど。

町を外れて
山に囲まれた道を進んで行く
20140708-001336-816664.jpg20140708-001337-817116.jpg進んでいると
直線の上り坂が見えた。20140708-001337-817659.jpg

おぉー、立派な上り坂。
少し立ち止まって
一気に登る心構えを。

すると
後ろからお婆さんが歩いて来たので
こんにちわ!と挨拶をした。

お婆さんは自転車に乗せている
荷物の量に驚いていた。

「あら、凄いわねぇ。大変でしょう?
良かったらこの先に私の家があるから
冷たい飲み物でもいかがですか?」

そう言って
家に案内してくれた。
20140708-001338-818172.jpg20140708-001338-818663.jpg20140708-001339-819117.jpg綺麗なお家の玄関で
写真を撮りながら待っていた。

すると、冷たいスポーツドリンクに
手作りだと言うパン2つを
わざわざ暖めて持って来てくれた。

せっかくなので
暖かいうちに食べようと思い
自転車に戻って頂いた。
20140708-001339-819554.jpg手作りのパンはとても美味しかった。

こんな上り坂で食べれるなんて
思いもしなかったなぁ。

そんな事を想っていると
またお婆さんが果物を2つ持って
こちらに向かってきた。
20140708-001339-819990.jpgこれの果物は河内晩柑(かわちばんかん)
と言う品種の果物。

あっさりして甘みがあって
グレープフルーツに似ているが苦みは少なく
食べやすくて、おいしい果物だ。

沢山、ありがとうございます!

再び坂道を登った。

1kmも行かない内にトンネルがあって
歩行者専用トンネルが用意されていた。
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高知の厳しい登りの道のりとは違い
愛媛に入ると国道の道のりが整備されていて
少し楽になって来た様に感じた。

やがて海が見えて
真っ青な色をした海に出る。
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ここで以前からやりたかった

バランスストーンアート
久々にやってみた。

バランスストーンアートとは
絶妙な点と点だけの様な設置面で
石を積み上げて行く
バランスのアート。

点であればあるほど美しい。

久しぶりにやって
少し腕が鈍っている様だが
こんな感じの物です。
20140708-001342-822334.jpg20140708-001341-821898.jpg少し石積みを楽しんで
また、北を目指しては

間をとって休憩した。
20140708-001343-823299.jpgここの方に許可を得て
世界各国一周ステッカーを
貼らせてもらってマーキング。
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四国お遍路の遍路道には
数多くこれを張っている所がある。

いつしかステッカーを上げたお遍路さんに
「見た事あるわコレ。」
と言ってもらえるほどだ。

自力で周る人は一度は
目にするんではないだろうか。

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そこで先ほどもらった
河内晩柑も食べていると

裏の畑で作業しているおじいさんに
声をかけられた。

「ちょっと珍しいもの上げるから
こっちへ来なさい。」

向かうと、手作りだと言う
小さなわらじのストラップを頂いた。
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四国ではこんな日々が毎日。

だから何十回何百回も
八十八時ヶ所を周る人がいるんだろう。

白衣の服、すげ笠、杖を
身につけていると
四国の方達は
「お遍路さん」だと「他県からの旅人」だと
理解して優しく接してくれる。

自分にしてもそうかも知れない
『日本一周中』の看板を見て
ほとんどの人達は旅人だと理解してくれる。

全国どこに行っても
こうした優しい方に出会えるきっかけが
この看板だと言う事がほとんどだ。

あるのと無いのとでは
人と出会う数は明らかに違うだろう。

やがて
山道も越えて店が増えてきて
景色が街らしくなってきた。

下校中の小学生の女の子
3人にいきなり

『キモーイ』

と三人がかりで連発され

思わず笑ってしまい

誰がキモイじゃ!!と
即座に突っ込んで言い返した。

それからは俺が見えなくなるまで
わざわざキモーイとこちらに向けて
叫んでくれるのであった。

10人いたら10人違う意見が
あって当たり前だ。

それを知るのがまた楽しみの一つ。

僕の中で日々走っている時は
こんな感覚がある。

静寂な池に石を投げると
波紋が広がる。

その波紋のように
自分が動けば
周りの人が反応する。

投げ方が違えば
波紋の形は変わる。

自分の動きで
出会う波紋は違うのだ。

そんな事を日々感じる。

やがて
宇和島の市街地に来た。

今夜も雨が降るかもしれないので
この街で寝床を早めに探す事にした。

これまで連日の雨だったし
風呂でも入って気分転換する事にしよう。

たまたま辿り着いた道の駅に
観光案内所があったので
近くの銭湯を聞いてそこへ向かった。

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つるの湯、大人360円。

安い。

入り口で着替えを出したりして
風呂に入る準備をしていると

お風呂に入りにきた方に
炭酸のジュース2本を頂いた。

中へ入って風呂代を渡そうとしたら
番台のおじさんが

「お遍路さんはお接待してますので
お金はいりません。」

えーっ!!
割引とかじゃなくタダ?!
そんな事、日本中探しても
四国だけだろう。

四国のお遍路文化は
どこまでも優しさで満ちあふれている。

優しさを受けた人が
また誰かに優しさを与え
それが連鎖して
ぐるぐる四国を廻っている。

そんな風に想えた。

久しぶりの湯船で一時の休息。
さっぱりして風呂から上がってからは
少しだけ栄えている街をフラフラ探検した。

タバコ屋でタバコを買って
そこのおじさんと話していると

店の中で少しゆっくりして行きなと
言って頂けたので
店内にあるソファーで
おじさんと話しながらゆったりと腰掛けた。
20140708-001345-825742.jpgおじさんは神戸に何度も車で
観光しに行っているみたいで

神戸の阪神高速のややこしさは
どうにかならないんですか?
と聞かれて

いやー、僕にはどうにも出来ませんねぇー

なんてどうでも良い会話をしていた。

今夜も雨が降る可能性が多かったので
屋根の大きい道の駅に戻って
この日はそこで就寝した。

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