6月27〜29日 ワンモアトライベッカでっか (416〜418日目)

6月27日(416日目)

昼頃に河原で目が覚めて、
今日は週末の土曜日。

雨が降っていたので、
雨だった時はいつもこの橋の下と決めている。
降っていなければ木の木陰。

今日はテントの外へ出ても、
股に手を挟んでこっち向いて寝ているオッサン
は居なくて一安心。

夜に路上販売を集中してやる事など、
今日一日の動きを考えながら
朝ごはんにバナナとゆで卵2つだけ食べる。

昨日の千葉さんに頂いたお金で、
お世話になったチェコ料理屋で夕食する事も
心の中で決めておいた。

この前にブログを編集した喫茶店へ。

昼1時頃。
せっかく入ったのに、
2時で夕方からの団体予約の為に
一旦閉店するらしく、
それから違う喫茶店を探し当てて移動し、
夕方までコーヒーを一杯だけで長時間粘り、
編集作業に励んだ。

昨日、路上で乾杯した女の子が
友達への誕生日プレゼントを何処かに失くしたらしく
道端で飲んだ時に忘れていなかったかと
連絡が入った。

もちろん、身の回りには
そんな様な物はなかったので、
無いと返信。

今夜お世話になった人のお店にご飯に行くけど、
どうせなら誰かいた方が面白いと思い、
明るく、面白い子だったので
夕食を一緒にどうかと誘ってみた。

彼女は、ともみちゃん。
一つ上のお姉さんだが、
面白い事があると「ウケケケケ」と
独特な笑いをする特徴のある子だ。

彼女はその誘いを快く受け入れてくれた。

この子とは3度も路上で出会い、
その度に連れている友達を紹介してくれたり
片町の道端で仲が良くなっていた内の一人だ。

他にもこの街には、
顔見知りの人が沢山出来た。

夕方まで編集して待ち合わせ場所へ。

合流すると、
チェコ料理屋dub(ドゥブ)へ向かった。

週末なので、あらかじめ予約しておいた。

また、顔を出すと
柏さんと女性スタッフの方は
喜んで迎え入れてくれた。
image

昨日の約束が早速、果たせて嬉しく思った。

チェコ産のビールを頼んで
わざわざ来てくれたともみちゃんと乾杯。
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早速、チェコの代表的料理
「グラーシュ」を注文。

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丸いパンの中に
肉を煮込んだものが詰め込んである。
美味しいソースがかけられた絶品だった。

チェコ料理は始めて食べたが
どれも美味しく頂けた。

他にも数品注文して
美味しい料理にワインを注文して飲み、
舌鼓を打った。

約束を果たし、
今日こそはと、お金を支払って店を出た。

今度はともみちゃんが
良く行く店を紹介してくれるらしく、
目の前のお店に向かった。

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って。
因縁の嫌味ジジイの店の
裏側!!??

まぁいい。

この飲屋街での因縁を晴らそうではないか。

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嫌味ジジイの店の真裏にある
「そのちゃん」

おばちゃんが一人で切り盛りする
居酒屋だった。

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ビール、日本酒、焼酎に
ちょっとした肴を作ってくれる。
レモン酎ハイなど頼まれた日には
「なにそれ?」といって他の店に走って向かって
「レモン酎ハイ頂戴!!」
なんて言って持ってくるそうだ。

ともちゃんとお母ちゃんは
数年の付き合いらしく、
仲良さげに色々話していた。

店内では「寅さん」が流れていて
それを三人で観たりして
笑って寅さんを見入った。
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このテレビの裏側に
あのジジイが居ると考えると
ゾッとしてしまうが。

あの夜の事をおばちゃんに話すと
「あぁ、あの人ね…。
いっつも酒飲んで酔っ払ったらダメなのよ。」

そう言っていた。

なるほど。
やっぱり酔っていたのか。
確かにあの夜日本酒をチビチビ飲んでいたな…。

その店で数杯飲んでから
また違う店へハシゴ。

3件目は僕が行きたかった場所へ向かった。

そこは、
先ほどのチェコ料理屋の柏さんが
金沢へ来た翌日ぐらいに
「近くの自転車好きの店長が、
是非ウチにも来て欲しいって言ってるよ」

と言っていた場所だ。

以前顔を出しに向かったが、
満席だったり、夜遅すぎて閉店していたりと、
未だに入れていない所だった。

満席だった時には、
また後で来ます!と言って路上販売をしたが、
ラーメン屋へ連れて行ってもらえる事になったので
そのお店には行けず終いだったのだ。

その日、
そのお店の方は僕を待つ為に
4時まで待っていてくれたらしい。

そのちゃんとdubから歩いて10秒ほどの店
Bar「TRIBECA」(トライベッカ)

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週末だった店内は
カウンター6席に人が並び、
またしても満席状態だった。

一応、4時まで待っていてくれていた
お詫びをしに店に挨拶をしに入った。

「おぉーやっと来たか!
この前、君が来るって言うもんだから
朝方まで待ってたんだぞ!」

えぇ、柏さんから聞きました、、
すいません。

「まぁいいや、いらっしゃい!
おう!お前ら、二人、誰か椅子から立て!!

そう言って
仲が良さそうなお客さん二人を立たせた。

えぇー!何だか気を使っちゃうな…。
申し訳ないと思いつつも、
なんだかこれが当然の様で、
お客さんも「達郎さんが言うなら仕方ない。」
そう言って受け入れていた。

達郎さん…ですか?

「おぉ、そうそう。よろしくな!」

そう言って、低く太いシブい声で
受け入れてくれた。

この前の来れなかった経緯を話すと、

「そうか、路上販売で
ステッカーと写真を売ってるんか。

「おう!お前ら!
ちょっと1000円づつ出せ!!」

そう言うと、
何の反論も一つもなく、
当然のごとく財布を広げて千円札を出した。

「コイツらは、俺の弟分だから大丈夫だ。
とっときな。」

そう言って4人から1000円を集めて
ポンと渡してくれた。

な…なんだこのお店…!!
と言うかこの人!!

面白すぎる…!!

一気にこのお店の虜となった。
それほど、この達郎さんを
みんな慕っている様に見えた。

満席でも人が来れば、
次々と座っていた人が立ち、
カウンターの中に立つ。

しかも

グラス洗いまでしてる。

数組ほどカウンターの後ろに
立って飲む人もいるほど、
週末のお店は繁盛していた。

「もう少し早く来てくれりゃ
もっと話しが出来たのによー」

そう言って達郎さんは
酔っ払い達を相手に
色々と忙しく話し込んでいた。

達郎さんは自転車が好きなだけでなく、
冬場は雪山登山をする方だった。

スキーやスノーボードを背負って登り、
頂上に上がると滑走して降りる。

前の冬季に、
ニセコに滞在していた経験を持つ僕は
さらに親近感が湧いた。

ハイクアップ(雪山登山したのち、滑走して山を降りる)も
今ではとても興味がある事の一つだ。

冒険家で有名な植村直己さんの
植村直己冒険館へこの前に行った時も
さらにその興味は膨らんでいる。

このお店は冠婚葬祭以外は
すべて店を開けているんだそうだ。

タウ郎さんの店には自転車好きも沢山集まり、
時にはパンク修理などもしてくれる。

この看板には笑ってしまった。
IMG_4314Barなのに(笑)

自転車好きで世話焼きな性格が勝ってか、
よく見知らぬ人が噂を聞きつけ
店にパンク修理をお願いしにくるらしい。

色々話しを聞いていると、
もっと達郎さんの事が知りたくなった。

達郎さんが作ったバジルを乾燥させた物に
塩を混ぜた香り高い調味料を頂いたり
一回しか使ってないからと、胡椒。
さらには、雨が降ってる時用にと
テントまで頂いた。

また、明日来ますと約束して、
忙しそうな店の席を空けるために
次のお店に向かう事にした。

代金を支払おうとすると、
「あ、伝票ツケ忘れた。だからナシでいいよ。」

いやいやいや、そんな事ないでしょう!
そんなつもりじゃないので、
頂いて下さい。

そう言うと、
じゃあこれだけもらっとくわ!
そう言ってさっきもらったお金の半分を手に取った。

飲みに来て俺が
儲かってんじゃないですか!!

意味のわからない展開に笑ってしまった。

次に、もう僕は行く宛がないので
ともちゃんの行きつけの店を
紹介してもらう事にしたが、
なぜだかその店は週末だと言うのに閉まっていた。

それからラーメン屋で飲み放題の店があると聞き
向かってみると、、、

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以前、連れて来てもらったラーメン屋だった。

店内に入り、
「また来ました!」
そう言って今度は二階へ上がって
またもや酒を飲む。

どうやら飲み放題は
コース料理限定のメニューだったらしく、
せっかく来たのでメンマなどをおつまみにして数杯飲む。

飲み放題が無かった為に

店を出て今度は飲み放題がある中華料理屋へ。

もうここまで来ると
さすがに酔っ払って記憶も曖昧だが、
お互いの思想について熱くなって
討論し合った記憶がある。

十分に呑んだくれて
今日はヘロヘロ。

こんな経験も今まであまり無かったので
新鮮な出来事をありがとう。

一人で食うより誰かいた方が
やっぱりさらに食事は美味しくなるものだと感じた。

ともちゃん付き合ってくれてありがとう。

この日も結局、明るくなった朝方に
また寝床の河原に帰って行ったのだった。


6月28日(417日目)

目が覚めると、
案の定。二日酔い気味だった。

うぅ〜気持ちがわりーーー。

起き上がってテントを片付けた。

この日も喫茶店に向かい、
夕方ごろまで喫茶店でブログ編集。

夕方ごろに昨晩行くと約束した
トライベッカへ。
IMG_4279まだオープンしていないようだったので、
近くでご飯を食べることにした。

そういえば、
郷土料理の治部煮は
まだまともな物を食えていなかった事を思い出して
まともな治部煮が出てきそうな店へ向かった。

店先に「金沢郷土料理、治部煮とは」
みたいな説明書きをしている店を
数日前から見つけていたので、
そこへ入って食べる事にした。

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治部煮1200円

少々お高いが、観光向けのお値段なのだろう
仕方あるまい。

おぉ…これが正真正銘の治部煮!!

ダシもとろみがついていて、
わさびも乗っている。
金粉まで散らして…

あんのジジイ!!
全然違うじゃねーかよっ!!!!!

そう思って少し笑ってしまった。

爺さんが作ったものは
白ダシの澄んだスープにたけのこ
鶏肉、あと何か忘れたけど
まーーーーー全然似ても似つかないもんだ。

さっそく本物の治部煮を
店主に嫌味を言われる事なくいざ、実食!!

うまい!!

わさびを溶かせて
とろみのついた餡に絡めて食材をほうばると
甘みのついたダシがまたいい。

ジジイの治部煮は甘くはなかった。
わさびも付いてない。

あれはただの白ダシ煮込みだな。
まずくはなかったが治部煮ではない事が判明。

コンニャロー、あのジジイめ!!
そう思いつつ、
話しかけられた店員と話していると、
どうやら治部煮は家庭料理なので
作る人や店に寄って味が違うらしい。

そうか。

その人が治部煮だといえば、
だいたい治部煮なのか…。

まぁでもこれはうまかった。
大盛りご飯とをかき込んで美味しく頂いた。

それから腹を満たして
TRIBECAへ移動。

「お、来たか。じゃあ早速なんだけど
酒を飲む前にコレを終わらせておこうか。」

そう言って達郎さんは、
ハンドルテープを見せてきた。

ここまで5000kmほどの道のりで
使い古したハンドルのバーテープは
もうボロボロだった。

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「この前に見た時から、気になっていたんだよ。
雨でスリップして怪我でもしたら大変だから
変えておこうな。」

そう言って、ハンロルテープを
店前で巻き直してくれた。
IMG_4283「巻き方も、手前に力が入るから、
ハンドルの外側から巻き始めて、
力が入ってもテープが解けずに締まる方向に巻く。
体重がかかる様な所は間隔を狭くして分厚くして
クッション性を出す。」

そんな1ポイントアドバイスを
教えてくれながら綺麗に巻いて頂いた。
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これは嬉しい!!

ボロボロで変えようかと迷っていたが、
この方が味があるとか言って
今まで変えず終いでいたのだ。

達郎さんは、
この日もさらにさらに、
さらに何やらかんやら、
「これ、使えるだろ。これも使えるだろ」と言って
あれこれ持たせてくれた。

ドリンクボトル2つに、
チェーンが切れた時に再び繋げる部品、
蚊取り線香、
トイレットペーパー2ロール、
1kgの新たなる塩、
モバイルバッテリー。

数々の物を惜しみなく
これも持ってけ、これも。これも。
目の前に頂き物がどっさりとカウンターに並んだ。

ありがたく頂いて
日曜日でゆっくりしていた店内で二人、
あれこれいろんな話をした。

雪山登山に興味があったので、
いろいろ雪山に関しての事を聞いた。

達郎さんは物凄くストイックな方で
冬のシーズンは何度も一人で雪山に立ち向かっては、
どんな事が起きてもいい様に
日々、鍛錬しているらしい。

天気図を見るだけで
大体の天気を当てる事が出来るそうだ。

地元の地理や特徴などわかっている場所であれば
的中率は9割。
それほど、天候に対しての知識がある。

雪山で身を守るのは、
そういった予知する力も
必要とされるのだ。

どこかへ旅行に行く人が
達郎さんの天気予報を聞きに来ることも
珍しくないと言う。

遭難に備えた訓練も自主的に行っているそうだ。

内容は、
夕方に雪山へ入り、
ある程度進んでからその場所で
吹雪に襲われホワイトアウトになって遭難したと想定する。
そして雪洞を作って一夜をそこで過ごしたりするらしい。

『なんでも経験して見なきゃ、
それに対しての準備なんて出来ないだろ?』

説得力のある力強い言葉だった。

その通り。

僕も始めて旅を始めてから11年。

16才だったあの頃は
旅に関しては何も無知で、
自分の旅のスタイルなどわからなかった。

持ちにくいカバン一つに
着替えと寝袋と見えにくい全国地図だけ放り込んで、
苦労しながら旅をしたもんだ。

それから、あの時あんな事に困ったな…
よし、今度はあれを持って行こう。
それも持って行こう。

一人で経験した事を元に、
更なる旅の質の向上をひたすら考えてきた。

その集大成が今のこの状態だ。

何かを成し得るには、
そういった一歩一歩が必要不可欠なのだろう。

雪山や旅だけに限らず、
何に対しても言える事だろう。

僕にもまだまだ改善しなければ
ならないものは沢山ある。

こんな姿で海外はもちろん行けないだろう。

「あいつ、金持ってるぞ。」
そう思われて銃を突きつけられて
追い剥ぎに遭うだけだ。

これは日本だからこそ出来る
旅のスタイルなのだろう。

達郎さんの店では夜3時頃まで
ひたすら色んな話しをさせて頂いた。

主にこれからのルートについての話しが多かった。
どんな道程なのかはやはり、
同じ自転車乗りに聞くのが一番だ。

普段車に乗っている人に聞くと
大変な目にあうことも珍しくは無い。

これだけの荷物である程度、
難なく能登半島を進めるルートを
あれこれ聞かせていただいた。

店を閉めてから、
たつろうさんが河原まで送ってくれた。

記念に写真でも撮るか!
ちょっとカメラマンを呼ぼう!
この時間、居そうなヤツは…と、
あるお店に入って行った。

そのお店は兵庫県加古川市出身の方が
やっている串カツ屋で、
ついでに達郎さんは僕を紹介してくれた。

店内に入り、お茶を頂きながら
少しだけおしゃべり。
店内にステッカーを貼らせていただいた。

もう閉店時間だったので早めにお開きとして
そこの店先で記念に一枚。
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「じゃあ、君のその自転車を
乗っている姿を見送ってから俺も帰るわ!」

そう言って、
最後の最後まで見送ってくれたのだった。


6月29日(418日目)

昼頃に目が覚めて
携帯にメールが入った。

今、時間あるか?

昨日お世話になったトライベッカの
達郎さんからのメールだった。

えぇ、全然空いてますよ。
そう送り返すと、

「じゃあ、この自転車屋に来てくれ。」
そう言って住所が送られてきた。

距離は4kmほどと
そう遠くはなかったので
そこへ向かうことに。
IMG_4291金沢工業大学近く
『BIKE ROUTE』

ここは達郎さんご用達の自転車屋。
着いて早々にボロボロだったボトルホルダーを
二つもプレゼントしてくれた。
IMG_4292ちなみに、ボトル2つも先日、達郎さんに頂いた物。

夢を追いかけるマンガ、
ワンピースのルフィとゾロのボトル。

それに出雲で出会ったスケートショップを営む、
スケーターの北村さんが描かれたボトルカバー。
うまい具合にWANTEDの文字がきた。

ちょうど、ここに来る道程で
リアカーのタイヤがパンクしていたので
それも手際よく修理して下さった。

ステッカーも記念に頂いてペタリ。
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リアカーのタイヤのスポークが1本折れていたので
それまでも修理してくださり、
リアカーの箱部分の細々としたネジも
外れている場所など見つけて補充してくれる。
自転車の細々した部分まで隅々丁寧に
メンテナンスしてくれたのだった。
IMG_4289

メンテナンスしていただいている間、
達郎さんが「金沢カレーのチャンピオンもう食べた?」
と聞かれたので、まだだと答えると、
「実は、その本店が近くにあるからそこに行こうか。」

そう言って、
金沢カレーブームの火付け役となった
『カレーのチャンピオン 本店』へ。
IMG_4293店内は広々とした空間に、
カウンター席がずらり。

吉野家のような造りで店員が中に通れて、
両側に椅子が並んでいるスタイルだ。

それが3つほどある。

券売機で、
定番のメニューのLカツカレーを選んだ。

IMG_4296

金沢カレーの見た目は、
大きな分厚いソースカツにキャベツが乗っている。

味はルーが濃い味付けで
これまたキャベツと合う!!

濃い味好きな僕としては
とても美味しく頂けたカレーでした。

達郎さん、ごちそうさまです!!

トイレに行くと、
初めて見る手洗い器を発見。
IMG_4294手を入れると水が出て
次に石鹸、そしてまた水が出て
最後に風で乾燥してくれる機械。

初めは何なのかと戸惑ったが
上の段階お知らせが意図してくれた。
IMG_4295半強制的に
手を綺麗に洗わせてくれるこの機械。

最後に機械の上に
アルコール除菌スプレーが
置いてあったので、
何だかこの流れでついつい使ってしまった。

カツカレーだけに限り、
フォークで出されるんだと
達郎さんに聞きながらカレーを平らげた。
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自転車屋に戻って、
あと他に準備しておく物はないかと聞かれ、
タイヤのチューブの予備や
ビンディングシューズの金具などなど…

本当に、あれこれ、隅々まで、丁寧に。
さすが、ストイック達郎さんが
通い詰めるだけある自転車屋だ。

達郎さんは夕方に子供が学校から帰ってくると言って
一足先に近くの家に帰って行った。

リアカーの内側を梅雨の時期で
濡れていたのを乾燥させてもらったり、
中の溜まったゴミまで掃除してもらった。

自分が金沢に住んでいたなら
必ずここに通うだろう…。

金沢で自転車のことなら
金沢工業大学近く
BIKE ROUTE
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又は

『Bar TRIBECAへ!!

あ、ウチは自転車屋じゃねーから!!
って言うツッコミは想定内ですので達郎さん。

でも、知ってますよ。
日々、自転車修理工具が
Barに増えていってること!!

その内、自転車販売代理店になっていそうで怖いです。

本当に、本当にお世話になりました。
この時のお代も達郎さんに出させてしまって申し訳ない…

僕の自転車、
Peace Journey2号も色々改善されて
大変、喜んでおります!!

BIKE ROUTEにお礼を言って
金沢の街へ戻った。

今日は最後の路上販売!
3000円分ほど写真を現像して、
新たに厳選して追加した写真を引っさげて、
明るい内はいつもの立町通りで行った。

今夜は、散々お世話になったトラベッカへ
恩返しの気持ちでお金を十分に使える分は稼ぎたいところだ。
IMG_4303IMG_4304

この日も沢山の方に来て、見ていただき、
いろんな話を聞いてもらった。

みんな、「この写真はどこ?」
そう聞いてくるのでその場所と、
その辺りにあった出来事などを話す。

すると、
みんな興味津々になって聞いてくれ、
その話を聞いて楽しんでくれたりする。

この活動を知ってもらうには
これが一番いい方法だと思い始めてきた。

いっそこのまま、
北海道での仕事する予定を諦めて、
こうやっていろんな人に出会い、
いろんな人に伝える活動をした方が
いいのではないかと思い始めた。

これから各県の繁華街に一週間づつほど滞在して、
より多くの方々に出会っていった方が、
これから僕のやる事に対しての意味があるんではないか…。

そう考えると…
予定であった、

今年の秋には、
神戸に帰れそうにないかもな…

そんな思いが芽生え始めた。

いま現時点で、
一年一ヶ月かかっているが、
一体、いつになる事やら…。

だが、その方が、
より意味のある旅
なる事は間違いない。

これから先の旅のスタイルを
変えていこうと思った瞬間だった。

福井、金沢での一週間づつの滞在は
自分にとって必要不可欠だった。

日々、新しい発見だ。

立町通りからそろそろ移動しようかと
思い始めた頃。

京都から来ている河合さんに出会った。
河合さんも、昔から海外へバックパッカーなどの旅を続け
いろんな場所へ旅をしてきたらしかった。

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座り込んで、小一時間話し込んだ。

河合さんは海外へ色々行って来たが
最近では日本をもっと知りたいと思うようになったらしく、
その土地々々の神社などに出向いては
その土地の神様についての歴史を探る事が
今では生き甲斐となっているらしい。

天照大神やイザナギとイザナミの子などについての話を
嬉しそうに語ってくれた。

その中で一番興味深かった話しは、
古事記では淡路島が初めに生まれたとされているらしい。
その他に佐渡島やいろんな島の名が出されたらしいが。
それをよくよく紐解いてみると、
日本地図は伊能忠敬が
日本を歩いて作成されたとされているが、
伊能忠敬が存在する前から、
その島々の存在は古事記によって明らかにされていた。
なぜ、その時代の人々がその島々を知れたのか…。
不思議だと思わないか??
と言うお話だった。

今では河合さんは
世界の旅から帰ってきてからは
日本でイベンターの仕事をしているそうだ。

帰り際に、河合さんに
数枚お気に入りの写真を選んでくれと言われ
2枚お気に入りの写真を選んで渡すと、
数千円で買って行ってくれたのだった。

今日の写真現像代を稼いで
今度は歓楽街のスクランブル交差点へ。
IMG_4306Facebookで最後の路上販売と宣伝しておいたら、
達郎さんが拡散してくれたおかげで、
僕に会ってみたいと行ってきてくれる方が数組いた。
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夜が更けるに連れて酔っ払いも増え、
「1円?お前やる気あるんか?」
と言って絡んでくるおじさんまで現れた。

やる気だけはありますよ!

「ほな、なんで1円なんや。やる気ないだろうが。」

1円で買っていく人なんか
稀にしかいませんよ。
もし、1円で買ってくれたとしても、
僕は写真の現像代とかあるんでマイナスですが、
それでも普段色んな方にお世話になっているからいいんです。

「ほーん。で、なんでそんなんやっとるんや?」

色んな人が興味持って寄ってくるから
面白いんですよ。

「ふーん。わしゃ興味なんぞ全然ないけどな。
ぜーーーんぜんな。」

あっはっは!おじさんおもしろいね。
興味無かったら寄って来て
わざわざ、こうやって喋ってないって。
ククク…、おもしろいなーおじさん。

そう言って笑ってやると
おじさんも気分が良くなったみたいで
横に座ってきた。

IMG_4308

「お前はやる気がない」を連発していたが、
色々話していると、
「なんだ、お前やる気あるんじゃねーか」
と、おじさんの気持ちが変わってきた。

だからやる気しかないって!

「ワシはの、オレオレ詐欺のリーダーでの。
金だけはシコタマもっとるでの。
財布に100万は必ず入っとるわい。」
とかなんとか絶対嘘だろって事ばっかり言っている。

さっきペラッペラの財布だったじゃねーかよ。
とか思いながら、相槌を打って相手してあげていた。
15分ほど話しておじさんは立ち上がり、

「お前、やる気出せよ!」とまた言ってくる。

だから、やる気しかないって!!

そう言い返すと、ニヤッとして
フラフラどこかへ歩いて行ったのだった。

それからも沢山の人が足を止めて
写真を買ったり、話しを聞いて行ってくれた。

沖縄出身のにぃにぃも寄ってきて
沖縄に行ったと話すと、
ビールまで差し入れでいただいた。

IMG_4309

日付も変わって夜中の1時頃。

交差点の向こう側に
チャリダーらしき自転車に乗った
若者が見えてこちらに渡ってこようとしているのが見えた。

信号が青になり
その彼がまっすぐこちらへ向かってきた。

日本一周?そう聞くと、彼は頷いた。

その瞬間、俺は笑顔で片手をあげてハイタッチを求めると
向こうも迷わず手を挙げ、
勢いよくパシン!と音をたてた。

まさか、こんな時間に都会で
チャリダーに出会うなんてな。
お疲れさま!

IMG_4313

彼の名前はかずや。
背もすらっと高く、爽やかで、
年も一つ下のほぼ同年代。
青森出身で3ヶ月前から旅を始めたらしい。

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ちょうどその頃、
4人の若者と話していて、
数日前からの顔見知りだった彼らは
「すげー、こんな事あるんだ!」
と言って驚いていた。

こんな街では珍しいが、
チャリダーに出会うのは旅人なら何度かある事だ。

達郎さんにチャリダーを発見しましたと
メールすると、すぐに連れてこい!と返信がきた。

そうして、かずやを誘って
トラベッカへ移動。

その道中。

あの、因縁のジジイに遭遇。

ジジイの店の前を通ると、
何故だか店の前に立っていて、
「お、お前まだ居ったんか。」
そう言って今日はにこやかに顔を赤らめていた。

また嫌味でも言われんのかと身構えたが、
今日はご機嫌な酔っ払いさんだったようで、
毎日毎日あんな感じでは無いらしい。

ジジイとか散々言って悪かったな…
と、少し反省した瞬間でした。

そこから10秒でトラベッカへ到着。

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かずやが、
飲みに来ていたお客さんに、
なんで旅をしているのかと聞かれると
驚きの発言が彼の口から出た。

「僕は、2019年の◯月◯日までに年収一億
稼ぎたいと思っているんです。
飲食店をやろうと思っているので、
日本一周をしながら各地のうまい食べ物やうまい酒を
知りながら、沢山の人にも色んな事を学んでいるんです。」

そう、堂々と言った。

おぉーーー。それはすごい目標だ。

そこに居合わせた方がこれまた、
たまたま彼の目標年収を軽く上回る人で
色んなお金についての話を聞かせてくださっていた。

この内容はどこまで言っていいものか
判断し兼ねるので自粛。

他にこのお店で面白かった話は、
トラベッカには去年も旅人が訪れているらしかった。

旅人と言うか…

殿様。

えー、どう言う事かと説明しますと…

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はい。こういう事。

しかも。

ベビーカーで。

…。

完全に負けた…。
参りました。

見た目には他の旅人より
自信があると思っていたけども
完全に自信を失いました…。

この方がこのトラベッカに来店したらしい。

と言うか、
外のベンチに座って呆然としていたらしい。

そんな人を見つけようもんなら
「おい、何やってんだ?とりあえず入れ。」
そうなるでしょう。

そうなったんです。

この方の旅は
僕より100倍ぐらい色んな出会いや、
人々の笑顔が溢れているんでしょう。

その発想はなかったわーーー。

天下笑一って…

衝撃だった。

どうしても知り合いになりたくて、
Facebookの友達申請してしまいました。

いつか会いたい人の一人。

今は四国の愛媛に入ったそうで
方向が真逆…。残念。

かずやにどうにか会ってくれとお願いし、
彼もその気になってくれた。

色んな旅人がいて、
色んな目標がそれぞれにある。
同じ日本一周でも、
様々な目的があるんだと感心させられました。

閉店間際に近くのチェコ料理屋の店長、
柏さんまで駆けつけてくださって、
「この前わざわざ食べに来てくれたから
お酒をご馳走しに来ました。」
そう言って結局、
トラベッカでお金を使う事が出来なかった。

金沢の優しい人達に感謝だけの言葉では
足らないくらいですが、
また、金沢も帰ってきたい場所の一つとなりました。

明るくなり始めた頃に
そろそろお開きとしてお店を閉店。

名残惜しい最後のトラベッカで過ごした夜だった。

店を出て、
近くの自転車を置いている広場に行くと、
朝方の酔っ払ったお水の方々に囲まれ
なかなか出発できず、
写真撮影会みたいにパシャパシャ写真を撮られ
IMG_4323キリが無いと判断したので
はい、サイナラーーー!!
と言って無理矢理に振り切って脱走。

大通りに出てから達郎さんと
しばしの別れの挨拶を交わした。

また、必ずトライベッカに顔出します。
本当に色々とお世話になりました!!

達郎さんと別れてから、
使えなかったお金を彼に返そうと、
かずやにラーメンをご馳走することにした。

北陸で良く見かける
『8番ラーメン』

IMG_4324

どこに行っても
この、8番ラーメンの看板を見る。

北陸ではリンガーハットの様な存在なんだと
達郎さんが言っていた。

ちなみに神戸で言うと、
ラーメンたろうがその位置にあたるだろう。

ラーメンを食べ終えて、
かずやは10時に約束があるらしいが、
河原で少し一緒に休憩しようと言う話になって
河原へ付いて来る事になった。

河原へ降りる通路へ向かうと、
ピールアートショップの扉が開いていて
たまたま才田さんがいらっしゃった。

この日の昼頃出発するので、
才田さんにもお世話になりましたと挨拶。

「中に入ってお茶でも飲んでいく?」

そう言って下さったので、
是非ともいただく事にした。

ちょうど、彼にもここの中はすごいんだと
話していた矢先の出来事だった。

かずやもここへ来て、
まず店内の幻想的なアートに驚き、
喜んでいた。

次に才田さんのお話し。
この日も大切な事を沢山沢山聞かせてくれた。

とある話から、
才田さんはこんな話を聞かせてくれた。

「産まれてきた日って云うのはこの地球に降り立った日なの。
産まれる前はお母さんのお腹の中で、それは宇宙のような物。
よく考えてみたら頭が下向いてても平気だったでしょう?

そう。
無重力の中に初めは生きていたのね。

だから私達は母のお腹から出れば
地球に降り立ったと云う日なの。」

この話を聞いて、
ずっと疑問だった謎が解けた。

数日前に出会ったゆうこさんもそうだったが、
何故、占い師は、誕生日で占う、
もしくは見定めたり、言い当てたりする事が出来るのか。
それは、この観点からなのか…。
また、新たな発見だった。

才田さんは話を続けた。

「そこからこの地球の重力を受けて育つ事になる。
この身体は宇宙服みたいな物で、
それを傷付けたりしてしまえば宇宙では致命的よね?
だから身体は大事にしなければならない。

宇宙飛行士が宇宙に行くと、
何かしなければならないわよね?
何かの実験であったり、研究であったり…。

私達も同じ。
この地球で何かの使命を果たすために産まれて来たのよ。
私はその使命をもう見つけたわ。
私はいつも。前世の時でも、0から1の物を
造る人だったと感じているわ。

それには、確証が幾つもあるの。
例えばピールアートをしてた時に、
刃物(カッター)を持って作業してた時に、
「なぜ果物の皮なの⁇」と聞かれた時に
私は何も考えずに「今回はコレでいいのよ」って言ったの。

それでハッとしたわ。
そして前世を見える人にこうハッキリと見えると言われた。
あなたの前世は男で、フグを捌く職人だった。
その人生では、いつも私は殺生をしてたから、
もう殺生はしたくない。と思っていたのね…。

あといくつかの例と3代前までの前世を
ハッキリと明確に同じような根拠も挙げて言った。

だから、私はいつも0から1を造る人なの。

1から100は簡単だけれども、
0から1が一番難しいわよね。
でも、それでいいの。
それが私の使命だから。

私の地球での使命。
それは私はもうハッキリとしているわ。

だからこのお店で儲からなくてもいい。
私のお店に綺麗だからと言って
入ってくる人は沢山いるけども、
みーんな大概の人は帰る頃には、
それとは別の物を土産に持って帰ってるわ。

そう言って店の扉を眺めた。

この他にもずーーーっと
沢山の話をしてくれたのだが、
書くには記憶が曖昧で、
その頃には眠気も酷く襲ってきていた。

起きたらまた顔を出す事にして
今日のところは、河原で寝る事に。

IMG_4325

10時に駅で知り合いと
待ち合わせしているかずやは、
起きたらもう居ないだろう。

長い長い金沢、
最後の1日がようやく幕を閉じた。

6月25〜26日美女と野獣の涙と貧困と恩返し(414〜415日目)

6月25日(414日目)

朝方に寝床の河原に帰ると、
女の子二人組が川辺に座っていた。

その後ろを通ると
大きな自転車に驚いて振り向き、
とっさに「日本一周?!頑張ってー!!」と
応援の声をかけてくれた。

ありがとー。
そう言ってそのまま立ち去り、
翌日は天気が良さそうだったので
木陰が出来そうな場所にテントを張った。
トイレに行きたくなったので
トイレに向かった。

さっき応援の声をかけてくれた子達に
ありがとうの気持ちを込めて
ステッカーを渡すことにした。
その2人の内の片方は
これから世界一周の旅に出る子らしかった。

写真撮ってと言われたので、
俺も記念にと一枚、写真をパシャり。
IMG_4223
昨日の教訓を生かし、
良い木陰が出来そうな位置にテントを張って
この日も明るくなった時間に就寝した。
IMG_4225昼頃に起床。
テントにできる影を完璧に把握出来ていたので
太陽でテント内が熱くなる事もなく、
長く寝る事が出来た。

今日も散歩に来る人が声をかけてくる。

燦々と降り注ぐ日差しを避けるために
近くの橋の下に移動して
ごはんを作った。

近くを通ったおじさんが
ザルと網や、バケツを持っていたので、
何を獲ったのか聞くとバケツの中身を見せてくれた。
IMG_4227IMG_4226何て言う魚かは
歯並びが悪い爺さんの発音が聞き取れず、
わからず仕舞いだった。

けれども、これを持ち帰って
湯がいて食べるのだそうだ。

この川では、
鮎釣りなどをする人も良く見かける。
それほど自然豊かな川が、
金沢の繁華街のそばに流れているのだ。

以前、滞在していた福井県の
片町のそばにもあったが。

こんな都会も今まで見てきた中では珍しい。

街の大きさは違うけれども、
片町の響きと街と自然の近さも
似ている様に感じる。

ご飯を食べていると
河原に散歩へ来た方に、
「新聞見たよ」と声をかけられた。

おぉ、早速反応が見られた。
これまた面白い。

この日から、新聞で見た方は
声をかけてくれる様になったのだった。

新聞を見てみたかったので
新聞社の杉山さんに連絡を入れると
その日の新聞を頂ける事になった。

ご飯を食べ終えて河原で飯盒を洗っていると、
米の残りカスを食べにさっき爺さんが捕まえていた
小さな魚が寄ってきた。

爺さんみたいに網は持っていないが、
鍋で獲れるかどうか、
少しのあいだ小魚相手に奮闘していた。

10分ほどで3匹。
IMG_4231
もし、資金が無くなれば、
物足りないだろうが、
これを食うのもアリか…。

そう思って今のところは逃がしてやった。

荷物をまとめて河原から上がる道を登り、
目の前にある先日お世話になった
ひみとに顔を出して才田さんに挨拶。

酒を飲まない才田さんに
冷たいビールを余っているからと頂いた。

まず、近くの新聞社に新聞を頂きに向かった。
IMG_4232新聞を杉山さんに頂いてから
路上販売出来そうな場所を探す。

今日1日の稼ぎで
明日の支払期限の目標額に達さなければ
非常にまずい…。

夜の歓楽街の場所は銀行の前だったので、
銀行が営業中は違う人通りが多そうな場所で
先ほど頂いた新聞を読みながら
路上販売を開始した。
IMG_4234IMG_4233
この日は資金が無くなる前に
写真に投資しておいて、
70枚ほど写真を現像。
IMG_4240

お昼は酔っ払っている人が少ないからか、
気になった人も、恥ずかしがって近寄ってこない。

昼から夕方まで行い、
明るい時間帯のアーケード街では
3000円ほどの売り上げだった。

IMG_4235

日が暮れた頃に一度切り上げて
久しぶりに温泉へ向かった。

久しぶりの湯船を堪能して、
温泉のレストランで手早く行動できる様にと、
温泉内で夜ご飯を頂いた。

夜11時頃。
金沢の歓楽街、中心部のスクランブル交差点へ。

今日もいろんな人が寄ってきては
いろんな話をする。

気になってこっちを見ている人には
こんばんわ!と明るく声をかける。

それで通り過ぎかけた人も
足を止める事が多い。

恥ずかしい人も
こちらから変質者では無い素振りを見せれば、
近くに寄って来てくださった。

外人にも英語で話しかけて
これから先の海外編に向けて
極力英語を使う努力を試みる。

IMG_4242

声をかけた彼はフランス人。
金沢に住んでいるのかと聞くと、
旅行で来ていると教えてくれた。

4時頃まで路上販売を続けた結果…。

目標額を達成!!!!!!

おぉぉぉぉーーー。

やれば出来るもんだねぇー。

これで今月はブラックリスト入りは免れた。

目標額を達成して一安心。
今夜もいつもの河原に帰って、
明るくなる頃に就寝する事にしたのだった。


6月26日(415日目)

この日は天候が悪そうだったので、
橋の下にテントを張って寝ていた。

9時頃に電話が鳴り一度、目を覚ます。
電話の相手は北九州工大前で立ち飲み屋を営む
新井さんからの連絡だった。

よく、調子はどうかと
いつもの調子で明るく
僕を楽しませてくれる電話をくれる。

電話に出ると、
なんだかいつもと声色が違い、
おとなしい新井さんの声だった。

あれ?新井さんどうしたんですか…?
いつもよりテンション低いですね。

「あぁ。いや、さっき君のブログを見ていてね。」

そう言って声を詰まらせた様に聞こえた。
福井滞在記を読んで、
感動してくださったのだろうか…?

「僕といろいろと、
結構境遇が似ていて何だか心動かされたよ。
それでね。幾つか提案があるんだけれども…」

そう言って、次の話を聞かせてくれた。

まず、新井さんのお店、
『九州工大前の立ち飲み屋とり姫』にて
日本一周応援貯金箱を設置して
一万円ほど貯まる度に
こちらへ振り込んで下さると云う話と、

北海道の旭川あたりに
Barの様な飲食店をやりたいオーナーが居て
もし、キミが良かったら、
地元のお店や今までBARで働いて来た経験を活かして
お店の立ち上げの指導者になってみないか。
との話だった。

お店が立ち上がり、
従業員に営業内容や立ち振る舞いなどを
覚えてもらい、その店が落ち着いたら、
君は再び旅に戻ることが出来る。

との事だった。

なんとも、面白そうなお話しだった。

もし、自分でよければ。
そして、そちらに行く事が出来たら
是非とも、よろしくお願いしたい。
と返事をしておいた。

もう少し寝れそうだったので
電話を終えると、また寝る事にした。

昼過ぎに目が覚めてテントを出ると…

うわっ!!??

一瞬、体がビクついた。

なぜなら。
IMG_4244

IMG_4247
なぜなら、
おっさんがこっちを向いて
股に手を挟んで寝ていたからだ。

IMG_4245

な…なんだこの橋の下の

YEHYめっちゃホリデー感。

松浦亜弥が近くで炊き出しでも
やってくれているんじゃないかってほど、
今日の橋の下は治外法権な雰囲気だ。

変なおっさんを起こさない様に
変な兄さんはテントを静かに畳んで、
その場を離れた。

カード返済のために銀行へ向かっていると、
治部煮が食べれる場所を紹介してくれたチェコ料理屋の
店長さんに道端でバッタリ出会った。

顔を覚えていたの挨拶をして、
また飲みに行きますと、
この前のお礼を言って銀行へ。
IMG_4248銀行が閉まる30分前に振り込みを済ませた。

よーーーーーし。

これで一先ず安心。

手持ち金、残り3000円

ってなにが一安心じゃボケ!!

また、
カネ無しのピンチに追い込まれた。

さー、今度はご飯代か…。

天気は生憎の雨。

昼の路上販売スポットは、
屋根が無いので出来そうも無い。

夜にまた、大きな屋根のある、
銀行前に行くしかなさそうか…。

それまでのあいだは、
昨晩、トム・ソーヤの冒険の本を読み終えてしまったので、
暇つぶしの為に新たな本を買いに行く事にした。

本を買って少しの間、
本屋の前のベンチで本を読む。
今回も旅行記で有名なOn The Rord。

こうやって、
いろんな旅に関する本を読み、
日々、人に伝わる言葉の選び方を学んでいるし、
元々、昔から生で体験した紀行を読むのが好きなのだ。

夕方6時を過ぎて、
本を読むにも飽きたので
せっかくなので昼に道端で出会ったチェコ料理屋で
一杯飲んでから路上販売を開始する事にした。

財布の中は2000円しかないが、
もうこうなりゃヤケだ。
全て使ってしまってもいい。

その方がやる気が出るってもんだ。

近くのチェコ料理屋へ向かった。

IMG_4328

チェコ料理屋『dub』(ドゥブ)

店内に入ると、
おなじみの店長さんと、
スタッフの女性の方は喜んで迎え入れてくれた。
ジジイに文句を言われた日以外にも
何度か店の前を通り、
ちょいちょい挨拶程度にお話をさせてもらっていた。

ビールを頼むと
チェコ風のビールにする為に、
ガス圧をわざと低くしたビールなんだと
店長の柏さんは教えてくれた。

柏さんは元々料理人で、
何か地元で料理屋を開業したいと思い立って
まず、修行する為にチェコへ向かったのだそうだ。

柏さんはチェコへ料理修行に渡った時に、
向こうに住む予定で契約していたマンションが
なぜかまだ建設中で建っていなくて、
途方に暮れたらしいが、
なんとか希望は捨てずに動き回り、
ホテル暮らしで資金が減る一方で
手当たり次第に日本料理屋へ飛び込みで入って
雇ってくれ無いかと交渉したらしい。

それから丁度、
手を借りたい料理屋を見つけて
そこで働く事になった。

そしてなんと、
そこの店長はチェコの日本大使館の
元料理人だったらしく、
その伝手を借りて柏さんも
大使館の料理人となり、修行に励んだそうだ。

間違いのない場所で経験を積んで
そろそろこのまま海外にいては
永遠に帰ら無いかもしれ無いと感じ始めた頃に
地元、ここ金沢に帰りお店を営んでいるそうだった。

その話を聞いて
今はお金がないけれど、
いつか金沢を出る前には
チェコ料理を食べに来ようと思ったのだった。

柏さんは
チェコ定番のおつまみの
ソーセージの酢漬けや、
そのほかにも出してくれ、
興味をそそる話と共に食べさせてくれた。
IMG_4250やがて8時頃にお会計して
店を出ようとすると、
「今日はお金いらないよ。」

そう言って、
そんなつもりは無かったのに1円たりとも、
お金を払わせてくれなかった。

ありがとうございます。
ごちそうさまでした。
必ず今度また来てチェコの代表的料理を
食べにきます。

そう約束して店を出た。

街の状況を確認する為に
スクランブル交差点へ足を向けた。

すると…

IMG_4252

お酒の宣伝の催し物をやっているようで

銀行前が占領されている。

お…、おぉ…。まじか…。

土曜日で一番人が集まるこの日に限って
この場所が使えないなんて…。

雨が降っているので
ここぐらいしかなさそうなのに。。

この方達は銀行に
許可をとってやっているのだろう。
仕方ないか…。

呆然と立ち尽くしていた。

さて、、
どうしようか、、、

雨は降り続き、
呆然とその場の壁に寄りかかって
通り行く人を眺めていた。

どうにか、
いい場所は無いか…
金曜日の週末を逃せば、
残るは土曜日しかない…。

昼に本を買ったので、
あと2000円。

ここで出来ると思っていた余裕は
一気に不安となった。

不安を掻き消すように立ち上がり、
他にできそうな場所は無いかと探しに向かった。

銀行の横の通りに行ってみて、
少し建物が窪んでいる場所を見つけた。
なんとか、そのスペースなら出来そうだ。
そこに自転車を停めようとすると、
不機嫌そうな爺さんに
「おい、そこはあかんぞ。」
と、叱られた。

連日ここ辺りで路上販売をしているので
顔が知れてやろうとしている事もバレていた。

はぁ…。

一気に不安が増してくる。

雨は降り続き、
濡れたカッパは半袖の腕に直接張り付き
冷たい水分が体温を奪い
気持ちまで冷えさせる様だった。

一瞬、頭が真っ白になって
ぼーっと突っ立っていると。

「兄ちゃん、旅してるの?」

と、真横に立っていた方が声をかけてきた。

あ、はい。

綺麗なスーツを来た30代後半ほどの
男前な実業家のお兄さんだった。

色々、する事も無いので
立ち話しをしていると、
お兄さんも世界へよく旅に出るそうだ。

お兄さんの名前は千葉さん。
千葉さんは若い頃に日本がなんだか嫌いで
何か違う。なんか違う。と感じ、
海外に旅へ出たらしい。

旅行とか観光名所ではなく、
みんなが誰も知ら無い様な
首都から離れた村へ行ってそこで住む。

時には、まともなご飯も食え無い様な
村に行って滞在し、犬を食わなければならない程の
貧困が蔓延る村で生活をしてきた。

その村人たちは、
自分たちの飯を食うのも
やっとなのにも関わらず、
見ず知らずの千葉さんを助けてくれたらしい。

この世界の矛盾する摂理を目の当たりにして
「なんか違う。なんか違うだろ…。」
そう思い続けて、悔しいとも、悲しいとも取れる
現実を数々、目の当たりにして帰ってきたらしい。

日本に帰って来てからは、
その疑問を力のバネにして
日本で商売を始めたそうだ。

その結果、今では全国の街に
千葉さんのお店があるらしい。

「お金は十分にあるから、もうこれ以上は求めていない。
けれども、この知識やノウハウは
そう云った恵まれない貧困の国の人たちに
分けるべきなんではないかと考えている。
つい2ヶ月前までタイなどにも行っていたが、
やっぱり向こうの人は何にでも熱心でいい人なんだ。
今の仕事がある人達って、
仕事があって当たり前だと思っている。
だから、愚痴も言うし、やる気もなく、怠けている。
俺はそんな人達に仕事をする場所を提供したくて、
最近タイの人達が働ける場所を作っている所なんだ。

そう熱く語ってくれた。

沢山の大切な話しを聞いている中で、
さっきの起こってきた爺さんは
邪魔だと言わんばかりにリアカーの後ろを
蹴って来ていた。

千葉さんは色んな話しを聞かせてくれ、
なんかあったら連絡して来い。
そう言って連絡先を交換した。

「じゃあ、気を付けてな。頑張れよ。
あ、そうそう。これで美味いもんでも食いな。」

そう言って一万円札を握らせてくれて、
僕の反応も見ずに去って行った。

さっきから蹴ってきていた爺さんがまた
「邪魔だからどけ!」

そう言って怒鳴ってきた。

あ、ごめんね。爺さん。
ほんと、ごめんね…。

そう言ってその場を離れて路地に入った。

路地に入ると、
猛烈に涙が溢れてきた。

自転車をそばに置いて
雨に打たれ、
冷え切った体を震わせて泣きじゃくった。

ありがたいような、
情けないような。

とても、みじめな気持ちで一杯になった。

自分の力で日本を周ると言って出てきたものの、
人に助けられてばかりで、
助けてくれた方々には何も返せていないような
無力感に襲われた。

違う、こんなんじゃないはずなのに…!!
でもそんな事は言ってられない。
受け取ったからにはどうにかこの気持ちを返さなければ。
今となっては、
この想いの力を世の中に返すあるのみだ。

千葉さん…ありがとう。

この恩は必ずいつか返します。

僕も、将来は貴方の様な立派な人になりたい。
心にそう強く想った。

涙を拭いて、振り向くと。
ちょうど先ほど酒の試飲会をしていた人達が
団体で路地を歩いていた。

これは…。

すぐさま自転車を動かせて
スクランブル交差点へ向かった。

やはり、予感は的中。

試飲会は終わっていた。

すぐさま、
店開きをして路上に座り込んだ。

今日は最高の気持ちを
来てくれた全ての人達に
全力を持って接する。

心に決めて来る人、来る人に
心から接した。

IMG_4256IMG_4258IMG_4255

気持ちが通じたのか、
雨は上がり、
人の流れも沢山あった。

初日にステッカーを買ってくれた子も
Facebookで見て駆けつけてくれた。

「居るの知ってたから」
そういってアメリカンドックの
差し入れまで持ってきてくれた。

話しが弾んで
路上で乾杯して飲み会
なんて事もあったのだった。
IMG_4257

この日も夢を語り、熱く話して
笑いあり、涙ありの
大切な気持ちを感じる1日だったのでした。

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只今能登半島に移動。
トラブルが続いて奮闘しています。

以前の金沢の続きも、追い追い時間を見つけ次第更新します!!
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