11月11〜16日山口県〜島根県(185〜190日目)

 

11月11日(185日目)

山口県豊浦町
小串うしろはま公園で目が覚める。

ここから少し先に
角島へ架かる綺麗な橋が有名なので
そこへまずは海岸沿いに向かう。

海岸線を走っていると
車が前方に停まり、中から出て来たお母さんに
声をかけられた。

弁当にみかん、あめ玉などを持たせてくれ
ジップロックに入った弁当箱まで
そのまま丸ごと頂いた。

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ちょうど腹が減っていたので
自転車からも降りずに
その場で立った状態でモグモグ食べる。
IMG_3783.JPG手作りの弁当は
ヘルシーでとても美味しく頂けた。

すると…

またそのお母さんが引き返して来て
お茶とスポーツドリンクをどこかで買って
わざわざ引き返して持って来てくれたりも。

「ちょうどとてもお腹がすいていた時だったので、
そのまま頂いてます!おいしいです!」

そう言うと、
助手席のおばさんの分の弁当まで出してきて
それまで持たせてくれる。
IMG_3784.JPGこんなにもらっちゃっていいんですか?!
そういって驚いていると
また車をゴソゴソ探り出し
トイレットペーパーとティッシュペーパーまで
何かあったときの為に持っておきなさいと渡してくれる。

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もう、車の中の物すべて
ここに置いて行ってしまうんじゃないかって位の
勢いで色んな物を持たせてくれた
とても、親切なおばちゃんだった。

沢山もらったので荷物を整理し、
自転車から降りて地べたに座り
海岸線沿いでゆっくりと食事して再び前へ。

途中、立ち寄った道の駅のトイレから
角島大橋が姿を見せ初めた。

道の駅、北浦街道豊北。

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ここでは何故か隕石が売ってあった。

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108万円と超高価な値段。
とんねるずの男気軍団しか買わないだろ。

角島大橋付近から道は険しくなり
アップダウンが増えて来る。

山口県を越えるまでずっとその調子
登ったり降りたりの繰り返しの日々だった。

『角島大橋』
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角島大橋を撮影していると
20歳の若い日本一周チャリダーと遭遇。
DSC_0008.JPG彼はこれから沖縄方面へ行くらしい。

そりゃそうだ。
こんな時期に野宿チャリダーが
北へ向いている方がおかしい。

チャリダーの人達が全員聞いて来る言葉がある
「そんなに荷物積んで、一体何が入ってるの?」

リアカーを牽いたスタイルのチャリダーは
滅多に見かけないのでみんな興味深々になって聞いて来る。

リアカーの中は自転車の修理工具と食料庫、調味料。
あとは、ソーラーパネルのバッテリーなどが入っている。

少しの間チャリダーと話してから、また前へ。

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登りか下りが多い山道を進み続け
この日は山口県の長門市で日が暮れ
運動公園を見つけて就寝。


11月12日(186日目)

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日置総合運動公園。

広々とした静かな公園だった。

この日もせっせと前へ進む。
道は相変わらず登って下っての繰り返し。

近頃、太陽も5時頃には
山に隠れて暗くなり
一日で可能な行動範囲が狭くなって来た。

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この日は萩市まで進み40kmも進めない
非常に辛い道程だった。

夕方に地元のスーパーで買った
激安の刺身をゲット。
IMG_3800.JPG新鮮な魚を使った刺身丼に
ブリのカマを200円で買っておいた物を使って
魚のダシを取ったみそ汁を作って頂く。

萩市の公園で調理して食べている所へ
少し雨がパラついて来た。

図書館も併設されている公園だったので
この晩はテントを張らずに
図書館の大きな屋根の下で野宿する事にした。

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気温がまだ5度前後なら、テントが無くても
マットを敷き、夏用と冬用の寝袋の
2枚重ねだけで寒さは凌げ、快適に寝る事が出来る。


11月13日(187日目)

図書館が開く時間までに
荷物をまとめて出発した。

小雨がパラついていて
この日も天気はよろしくなさそうだ。

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徐々に気温が寒くなって来ているのが
肌で感じられる。

強い海風に、身体の芯から冷やされる。

風通しのいいスポーツTシャツだけでは
寒くて耐えられなくなってきたので
ここあたりでナイロン製の風よけの上着を購入。

準備を整えて
さらに東を目指した。

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途中、道の駅発祥とされる場所を発見。
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よく利用させてもらう道の駅。
発祥の地は、どんな場所なのかと
立ち寄って見学。

温泉もあったり色々と地元の物産も売っているが
なんてことの無い、普通の綺麗な道の駅だった。
IMG_3809IMG_3808その道の駅を出てからすぐ、
おじさんが後から車で追っかけてきて
話しかけて来た。

おじさんも35年ほど前に
自転車で日本一周を成し遂げた方だった。

おじさんの夢は
日本一周で集めた写真や物を展示し
自分が旅をした中で集めた物達の
資料館を作りたいんだそうだ。

そんな事を書き綴ったチラシをもらい
歳をとってもまだまだ元気で
夢のあるおじさんと立ち話し。
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昔は道の駅や、
道路も整備されている所も少なかっただろう。
自転車の性能だって全然違うはずだ。

現地でバイトして資金を貯めつつ周って
3年ほどかけて日本を一周。
総距離33,122km。

いやぁーすばらしい!

10分ほど話して
おじさんに元気を分けてもらい
また、進み始めた。

海岸沿いに出て
久々の平坦な道を快適に走る。
すると、何も無い海岸沿いにぽつんと一件の
リサイクルショップを発見した。

今朝に上着を買ったけれども、
半ズボンにタイツを履いただけでは
足下も寒くなり、耐えられない。

なにか良さそうなズボンは無いかと探しに
立ち寄ってみる事に。

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すると、お店のおじさんが出て来て
風よけになりそうなズボンを一緒になって
探してくれたけれども、
結局良さそうな物は見つからなかった。

外へ出ると、店のおじさんに
「タイヤ、パンクしてない?」と指摘された。
確かめてみると…
たしかに、パンクしてしまっている。

急遽、その場で修理させてもらう事にした。
かじかむ手で修理していると、
おじさんが気を利かせて
あたたかいコーヒーを入れてきて下さった。
IMG_3815IMG_3814数多くのパンク修理をして来た中で
一番、印象に残る修理だった。

冷たい風が吹く日の温かいコーヒーは
それほどありがたかった。

靴もこの場所で履き替える事にした。

サンダルのビンディングシューズは
霜焼けになりかねないので普通の靴に履き替えた。
IMG_3816さっき日本一周を成し遂げたおじさんは
足が凍傷になって20年ほど
足がおかしかったなどと言っていた。

自転車のペダルへの力が
今までより入りにくいけども、仕方がない。
足が動かなくなるよりマシだ。

リサイクルショップのおじさんが
また家から出て来て
「お金では買えない経験をしているだろうから
ちょうど良いと思ってね、よかったらこれ読んで。」
そういって「お金で買えないもの」と書いた
冊子をもプレゼントしてくれた。

 その店を出てからすぐに
歩道が細くて車道しか通れない
トンネルが続く。
IMG_3823反射板をつける為のポールがリアカーに
引っかかって通れない。

止む終えず、ピカピカ光る赤いライトなどをつけて
車道へ自転車を降ろし、押して歩いた。

須佐駅の前で昼食をとっていると
タクシーの運転をしているおじさんに声をかけられて
弁当を食べながら話をする。

とてもいい人で、今夜はこのまま行けば
この先に田万川温泉ってのがあって、
その横にキャンプ場もあって泊まれると思うから
そこで宿泊したら良い。と教えてくれた。

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日中から10度前後だったこの日は
寒くて寒くて仕方が無かった。

温泉で温もってから寝る事にしよう。
そうして温泉へと向かってみた。
IMG_3826川を越えた所に温泉が見えた。

大人400円の海水が混じり
しょっぱく鉄分も多く含んで濁ったいい湯。
1時間半程ゆっくりと湯船に浸かって
一日の疲れを取った。

温泉は寒い時期に入るのが一番。

冷たい風を頬に感じながら
温かい湯船に浸かると
もう、ため息しか出ない程の安堵が訪れる。

ポッカポカに暖まって
隣の公園でテントを貼り
立派な炊飯場を使ってあたたかい汁物を調理。

電気もコンセントも完備していたので
快適にブログ更新する事が出来たのだった。
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11月14日(188日目)

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霜と結露を防ぐ為に
屋根の下で貼ったテントで目が覚める。

昨晩の春菊と大根などを
白だしとカツオだしと醤油で煮込んだ
味の染込んでいる汁物とご飯。

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夏には汁物の料理なんて
暑くて作っていなかったけども
この季節は温かい汁物が一番。

今日も山道に挑む。

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出発して間もなく島根県へ入った。
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登っては下り、また登っては下る。

狭いリアカーギリギリの歩道を
トンネルを押して歩く事も。
IMG_3835.JPGDSC_0012.JPG山、海岸沿い、国道を逸れた田舎道。

気の向くままに一日走った。

田舎だし、山道では人が全く居ないので
話しかけられる出会いはもちろん少なくなってしまう。
IMG_3840.JPGIMG_3843.JPGIMG_3841.JPG日が暮れた頃に
海を見渡せる良い道の駅を発見。

今夜はそこに停泊する事にした。

丘の上にある道の駅は
海から吹き上げる潮風がキツく
テントの中で晩ご飯を調理。
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暖房にもなるからいいけれども
テント内が結露して
水滴が天井に発生してしまうのが難点だ。


11月15日(189日目)

島根県浜田市の道の駅。

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出発してから
昼過ぎに津江市へ入っていた。

風車が並ぶいい景色。

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波が高くサーフスポットになっている様で
20人程のサーファー達が自然を相手に遊んでいた。

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以前まで2割程だった紅葉も
徐々に山を綺麗な色に染めあげてゆく。

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この日は、温泉津(ゆのつ)という地名の場所に
停泊する事になりそうだ。

名前からしても温泉がある匂いプンプン。

到着してみると
やっぱり温泉街になっているみたいだ

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今夜もゆっくり温泉に浸かって
身体を温めてから寝る事にしよう。

古びた雰囲気の温泉街を歩き
源泉が出る温泉を探した。
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元湯を発見。
値段を尋ねると380円と安い。

早速、温泉に入る事にした。

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扉を開けると5段ほどの石段を降りて
3歩ほどの辺りに湯船がある。
20畳ほどのスペースだが、シャワーは無い。

左から座り湯、中はぬる湯、右奥が熱い源泉のお湯。

一番暑い場所で45度ほどある。

この日はこれでも温度が低いらしかった。
熱い時は49度もある時も多々あるらしい。

温泉には地元の人が多く
ほとんどの人が毎日来ている様子。

毎日来ている近所さん同士なので
いろんな会話が聞こえて来る。

常連の人達は
「お、今日の湯はぬるいなー!」
と必ずみんな言う。

「今日は週末だから他の宿に湯を
沢山分けているからぬるいんじゃなぁ」と
湯に対しての感想がやたらと聞こえて来る温泉だった。

2時間ほども出たり入ったりして
長時間、温泉をじっくりと堪能。

近くの浜辺で今夜は眠る事にした。


11月16日 暖炉のある小屋 (190日目)

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温泉津の浜辺で一夜を明かし
曇り空の中、出発した。

一つ目のコンビニで休憩していると
神奈川から来ているチャリダーに出会った。
IMG_3861.JPGこれから石野銀山へ向かうそうだ。

自分も看板が見えて行こうか迷ったが
8kmほど内陸に進まなければならないので
往復16kmともなると、億劫で諦めた。

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やがて、見覚えのある建物が見えた。

『島根サンドミュージアム』

ここは10年前に始めて一人旅した時の事。
何故だか少女マンガの「砂時計」という本を見た時に
日本で一番大きな砂時計がある事を知った。

一度ひっくり返すと
一年もの時間をかけて落ちる砂時計が
なんだか見てみたくてここへ立ち寄ったのだった。

北海道最北端までヒッチハイク旅だったが
神戸から北海道とは逆のこの場所まで来て
この場所から日本の一番北まで向かった思い出の地。

「おぉ〜、なつかしいなぁ〜。」
思わず、そんな声が漏れてしまう。

この土地でヒッチハイクをしていた時に
暇があって、ただドライブをしていたおばさんに
乗せてもらい、温泉やら、温泉の食堂で
唐揚げ定食をご馳走してくれたりして
それからここへも連れて来てくれたんだっけなぁ。

あれから10年。
携帯を紛失やら破損してしまって
携帯を何度も変えてきた今では
あのおばさんの連絡先は残っていない。

元気にしているんだろうか…?

懐かしい思い出が
また、沢山浮かんで来る。

10年経ってもまだこんな事やってんのか。
なんだかそう考えると、
相変わらずな自分におかしくなってしまった。

昼過ぎに浜田市へ入り、イオンの外のベンチで
野菜ジュースを飲んで休憩していると
一人のお母さんに声をかけられて話しをしていた。

お母さんもよく車であちこちへ旅行するそうで
つい最近も北海道へ行ったりと行動的な方で
意気投合して話していると、

「野宿してるなら、ウチの小屋
泊まっても構わないけど?
どうする?ウチへ来るか、先を急ぐ?
私はどっちでもいいわよ。」

いきなり、そんなお誘いがきた。

まだ今日は全然進めてないし
どうしよう…。

少し考える事にして
そのお母さんは買い物に行った。

家は来た道を2kmほど戻った場所で
行くには楽な距離で問題はない。

一番気になるのが
小屋」と言っていた事だ。

どんな場所なのか、

…とっても気になる!!

よーし、気になったら行く他無い。
また、お母さんが買い物を終わらせ
返事を聞きに来るまで待つ事に。

先ほどの、お母さんが戻って来て
一日、お世話にならせて下さいと言うと
ある程度の道を教えてくれた。

教えて貰った通りに行くと
その場所はあった。
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小屋…??
家じゃないのこれ??笑

まさかまさかの
立派な小屋。

てゆうか、家じゃん!

お風呂とキッチンが無いくらいで中も立派だ。
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なんと言っても
この小屋で一番気に入ったのが
薪を燃やす暖炉があった事だ。
IMG_3863.JPG北海道から直送してもらった代物らしい。

これなら夜も暖を取れて
快適な夜を送れそう。

シブいシガラキ声のお父ちゃんが
無理矢理に太い丸太を入れようと苦戦し
二人であーでもない、こーでもないと言いながら
のこぎりで枝を切り落としてやっとの思いで入れたり。

IMG_3873.JPG暖炉の上にはヤカンを乗せて
熱いコーヒーがいつでも飲める。

とても居心地のいい場所。

夫婦は気を使って御飯時まで
その小屋に一人にさせてくれた。

ひたすら暖炉に向かって暖まり、
火が弱くなれば薪を割って入れる。

火をいじるのが昔から好きだった。
中学一年の時に近所の森でたき火をして
山、一つを燃やしてしまったほど。

それくらい火をいじるのが好きだ。

焼肉の牛角に6年間バイトしていた時も
ひたすら炭に火をつけるポジションを進んで選んだ。

とにかく、火を燃やすのが好きだった。

そんな自分にとって、
「燃やしたい欲」を充分に満たせる場所であった。

夕食時にお母さんが
晩ご飯を持って来てくれた。

IMG_3876.JPGIMG_3877.JPG暖炉で熱々のシチューに
ヒラメの干物を焼く。

他にはお餅や一品料理もいくつかあり
まさに、この上ない贅沢な夕飯だった。

ヤカンのお湯で持っていた焼酎を
お湯割りにして魚をつまみに飲む。

最高の一晩。

音楽を流し、暖炉にちょいちょい薪を入れて
ブログを編集しながら酒を飲む。

小屋にはパチパチと燃える木の音が響き
夜遅くまで薪を入れ続けただ燃える火を
ずーっと見つめていた。

静かな夜だった。

11月8〜10日 北九州、九州一周完全制覇 (182〜184日目)

11月8日 「北九州で再び再会」 (182日目)

底冷えする山間部の公園で起床。

テント内と外気温の差で結露して
テントはビショビショになってしまっていた。
IMG_3775丁寧に拭くが、
外も中も濡れていてきりがない。

冬では結露をしない
少し値段がする良いテントがあった方がいいだろう。

テントを濡れたまま畳むのは気が進まないが
それでは前に進めない。

晴れの日なら乾かすが
生憎の天気は曇り。

仕方なくテントを畳んで
昨日の酔っぱらいおじさんが持たせてくれた
焼肉丼をほうばる。

冷たい冷えきった弁当を食べ、出発。

天気は朝から曇りで
出発早々、雨も少しパラつき始めた。

やがて宇佐市の看板が見える。

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ローマ字で書くとUSA。

3度の再会を果たしたアンドレーが九州で出会った時に
宇佐を通って来たと言っていたのを思い出す。

なるほど。
アメリカ人にとっては覚えやすい地名だ。
あいつもここを通ったんだろうか…?
などと、幾度となく再会した同士に
想いを馳せながら宇佐を駆け抜けた。

最近出会った方々の為に
そのアンドレーとの出会いの日記を
↓↓↓↓↓ここに貼付けておきます↓↓↓↓↓

『アンドレーとの出会い』
『二日目』
『三日目最終日』

『二度目の再会』
『二度目の再会、続き』

『三度目の再会』
『再び別れ』

IMG_3728.JPGやがて福岡県の看板が見えて来た。

もうそろそろ九州編は完結か…
思い返せばきりがないほど
九州でも色々あったな。

いろんな思い出が頭によぎる。

雨脚は強くなり
今夜にかけて降り続く予報が出ていた。

夏の間は気温が高いので
濡れながら寝ても問題なかったが
これからの季節はそうはいかなさそうだ。

屋根がある公園があればいいが
あるのか無いのかは、行って見ないと分からない。
カッパを着ていたが汗もかいて服は濡れ
寒さに襲われる。

ちょっと今夜は心配だな。
どうしたものか…と地図を見ていると
九州に入った初日にお世話になった夫婦の家まで
頑張って走れば辿り着ける距離に居た。

以前、古賀夫妻の家でお世話になっている時に
また帰りに寄ってもいいからと
言って頂いていた事を思い出し
すがる思いで電話してみた。

今までは基本的に自分から「泊めて下さい」なんて
厚かましい事は言うまいとしていたが
さすがに冬の雨は辛すぎる。

使い古したテントは防水性が全くない。
濡れたまま寝るのは夏とは違い
冬では出来そうも無い。

久々に電話に出たのは夫の潤さん。
久々でいきなりの頼み事の電話に驚いていたが
「妻がいいなら俺は全然構わんよ。」と言って
奥さんのとしこさんに変わった。

としこさんにも事情を話すと
快く「それならウチにおいでよ」と了解して下さった。

これで今夜の不安は消え去った。
あとはそこまでの30kmほどを
進むあるのみ!!

九州へ来た初日にお世話になったお宅を
九州最後の日に宿泊する。
ふんふん、いい響きじゃない!!

浮き足立って北九州へ自転車を走らせた。

休憩も挟まずに3時間ほどかかったか、
北九州市へ入ると道は複雑になり
急な坂道が増えて来た。

今まで走って来た街の中では
この重たい自転車では走りにくい街No,1ではないだろうか?
急な坂が多いし、昔に作られてからそのままの歩道は狭い道が多い。

そんな難関だらけの道をひたすら突き進み
日も暮れ暗くなった頃にようやく到着した。
IMG_3744.JPGおよそ3ヶ月ぶりの訪問。

このご夫妻の出会いは、山口県だった。
仕事でたまたま夫妻が山口を車で走っていた時に
国道を走る僕の自転車を見かけたらしい。

そこで、夫の潤さんが自転車後方に書いてある
ホームページのアドレスを
通り間際に記憶していた事から始まった。

このブログを見て、感銘を受けて下さって
直接メールを頂いた事から
この家にお世話になったのだ。

久々にご夫婦に再会。
二人とも相変わらず元気そうだった。

自分から頼んでおいて手ぶらじゃ失礼だと思い
お土産にささやかながらお酒などを買ってきておいた。

早速、お風呂に入ったらどう?
夕飯はこれから作るし、先に入ってきなよと
としこさんと潤さんは優しく出迎えてくれた。

そうして、ありがたく風呂場に向かうと
一つ、名案を思いついた。

 それは、座間味島のキャンプ場で
2週間ほど滞在していた時に出会った方が
同じ北九州市で居酒屋を経営していて
「北九州に来たときは是非立ち寄って」と
言っていた方のお店に夫婦を連れて行って
上げようと思いついたのだ。

ご飯を作って頂くのも気を使うので
そこに僕がご馳走するので行きましょう!
そう、お誘いをしてから風呂に入らせてもらった。

座間味島で出会った方のお店は
なんと偶然にも2kmほどの距離にあり
すぐにでも迎える位置だった。

九州工業大学の正門の目の前にその店はあった。
『立ち飲み処 とりひめ』

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座間味島で出会った新井さん一家。
新井さんは家族総勢で座間味に来ていた。
奥さんやお母さん方とお子さん会わせて9人ほどで
キャンプ場は一部、その一族の村と化していた。

新井さんとはそのキャンプ場で
顔を会わす度によく話をした。

とりひめという名前の店から
焼きとり屋だと勘違いしてしまっていた様だ。

どうやらガッツリとご飯は食べれそうにない。

座間味島以来の再会を喜んでくれた新井さんは
入って早々、シャンパンを空け始め
それを豪快に振る舞って下さった。

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(奥、新井さん 手前、潤さん)

焼き鳥屋と勘違いしちゃって
ご飯食べに来たつもりだったんですが〜
と言うと「店にあるだけの食料を全部出してやれ!!」と
冗談を交えながら美味しい鯛の煮付けを食べさせてくれた。

頭が反対に向いて出されているのは
「縁起がいい」からだそうだ。

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新井さんも旅が好きで
しょっちゅう色んな所へと行っていて
今後もしかすると海外で会う事になるかもしれない。

座間味の海で遊んだ新井さんのお子さん達は
僕の事を覚えていて2階の自宅から
わざわざ会いに来てくれたりも。

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シャンパンを飲み終えると

ポンッ!

あらら…もう一本空いちゃった(笑)

「今日は僕のご馳走なんで、どんどん飲んでくださいよ〜!!」
そう言っておいしい小料理やらを色々出して下さった。

新井さんは近日、近くに
また立ち飲み屋をオープンするらしい。
いろんなビジネスを幅広く精力的にやっている様で
とても尊敬出来る方だ。

新井さんは冗談っぽく
「北九州からもう出しませんからねぇ〜!!
明日、新店の改装をして働いてもらうから
また起きたら電話してね。」
などと、勝手に約束をこぎ着けられた。

シャンパンもご馳走になった事だし
全然手伝っても良いかなと思い
溜まっているブログを書き上げたかったので
用事を終わらせてから電話します。と返事をしておいた。

潤さんは明日も朝から仕事なので
この晩は早めに帰るとして、
また、翌日新井さんに会いに来る事にした。

帰り際、まだ少しお腹が減っていたので
以前宿泊した時に夫婦に食べさせてもらった
懐かしの「資さんうどん」へ向かう。
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久々の資さんうどんを食べ
今回は夫婦へご馳走させてもらった。

お腹も満たして
古賀夫妻の家に戻り
その日は久々の布団でぐっすり就寝した。

夜中に一度目が覚めると
ザーっという雨の音が聞こえ

あぁ〜外じゃなくてよかったぁぁ〜
ほんとによかった…

そう思っているうちに

また、眠りに落ちていた。


11月9日(183日目)

朝目覚めても、外は雨が降り続いていた。
この日は一日雨が降るみたい。

偶然にも奥さんのとしこさんの仕事が休みだった為に
今日もゆっくりして行っていいと言って頂けたので
ゆっくりとブログを書いていた。

室内に居られるというのは
なんとまぁ落ち着ける事だろう。

普段はずっと外の野外生活。
どこかのお宅にお邪魔させて頂く時には
いつも必ず決まって、そう思ってしまう。

としこさんとテレビを見ながら話したり
良い文章が思いついたらダダダーっとかいたり。

ブログを書き終えると
時刻は3時をまわっていた。

ベランダから見える北九州の町並み。
いよいよ明日、九州ともお別れか。

そう思いながらベランダでタバコを吹かす。

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新井さんと約束していたので
電話をかけてみると、手伝いはいいから
一杯ぐらいまた飲みにきなと言われたもんで
今夜も行ってみる事に。

夫婦は翌日共に仕事なので
今夜は一人でとりひめに向かった。
IMG_3732ポスターがまた、座間味島で良く見かけた物で
座間味で新井さんと繋がった自分にとっては
これが貼ってあった事が嬉しかった。
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カウンターに立つ看板娘の清楚で可愛らしい方は
新井さんの娘さん。

三姉妹の姫が立っているから
トリプルの姫。「とりひめ」なんだそうだ。

今夜は新井さんと横並びで
旅好きな物同士で旅について語り合った。

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新井さんも旅が好きで
昔はカブで日本一周もした事があるらしい。
今でも海外などへよく出掛けている。

トイレも世界を旅した時に
使っていたであろう地図が貼ってあった。
IMG_3743.JPGIMG_3742.JPG

旅が好きだし
それが出来る為のビジネスを
自分で開拓してきた方だ。

自分にとっては
自分の目標の位置を成し遂げている人

その精神は是非とも学びたい。

もうすぐ新しいお店をオープンするらしいが
来年?から数ヶ月間だけ
「家族丸ごと」東京へ移住して仕事をしに向かうそう。
そしてまた帰って来ると
単身でネパールのカトマンズも行くかもしれない。と。

まぁなんてフットワークの軽い人だろう。

今では家族も居る為に
ビジネスを絡ませた旅を主にしているそうだ。

「だから、キミとも旅だけの付き合いだけとかではなく
これからも繋がって、最終的に何か出来たら面白いね。
海外で良い話があったら教えておくれよ!」
そういって、旅仲間の枠を超えた話までして頂いた。

新井さんともまた、いずれどこかで
お会い出来そうな気がする。
新井さんもそう思っている様だった。

「もしかしたら北海道に来るかもしれない
まぁ、それが無理でも海外でいずれ会うだろうね」と。

「明日出発するんなら、また明日の朝に店に寄ったら良いよ。
毎朝、市場で仕入れた魚を仕込んでいるから
朝は店にいるんだ。」

そう言ってまた、朝に会う事になった。

夫婦が寝る前に帰宅し
今夜も暖かい布団でぐっすりと就寝。


11月10日 「さらば九州」 (184日目)

朝6時半に目覚めると
古賀夫妻はもう既に起きていた。

いつもの様にとしこさんが
温かいコーヒーを出してくれ
それを飲んで目を覚ます。

さぁ、今日は九州から本州に入る。

九州最後の日だ。

夫婦は毎朝、仏壇にお経を上げる。
今日は自分も横に正座して
目を瞑って手を合わせ、静かにそれを聞いていた。

15分ほど目を瞑ってお経を聞いていると
段々と自分の意識が浮いて来る感覚に包まれた。

手を合わせているはずが
手がどこの高さにあるのか感じられない
合わさっているのかさえ分からない。
力を入れてやっているのに、それが感じ取れないのだ。
不思議な感覚だった。

お経が終わり
潤さんが「今日は上鶴君がまた旅立つって事で
上鶴君の旅が安全に終える事が出来る様にと
そう思ってさせてもらったよ。」
「俺にはそんなことしかやってやれんけど、
ほんと、がんばってね。」

いつもの様に穏やかに語り
そうやさしく言ってくれたのだった。

夫婦が出勤する時に自分も一緒に家を出て
最後にまた、記念撮影をさせてもらった。
IMG_3749.JPG古賀夫妻、お世話になりました!

『九州最初で最後の場所。』

とっても思い出に残る出来事になりました。

夫婦を見送ってから
新井さんの店に向かう。

そこまでの道は昨日歩いて往復したので
もう覚えてしまっていた。

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これで3日連続。

新井さんはお店も営業していないのに中に入れてくれ
親切に朝ご飯まで用意して頂いた。
IMG_3752.JPG今日は営業していないので
お客さんが居ると話せない様な事まで
色んな話しを聞かせてくれた。

ブログにも書けない様な
面白おかしい話まで聞かせてくれ
冗談が好きで気さくな所は
酒を飲んでいなくても変わらない人だ。

また今日来れた事で
さらにこの方との距離が近くなった様に感じた。

とりひめのシールまで頂いて
自転車に貼らせてもらった。
IMG_3754.JPG↓新井さん劇場↓
「これを貼ったら声をかけられるのがまた更に多くなるからね〜。」

仮想で出会った人「ちょっとちょっと、おにいさん!」
俺のフリ「あ、はい日本一周してます」
仮想で出会った人「いや、じゃなくって、このシールは!!」
「なんて事が頻繁に起こる様になりますから。」

「あ、ちなみにこれ貼ったので
時速120kmまで出る様になりましたんで。」

そんなわけねーじゃん!
ってツッコミたくなる様な事ばっかり。
新井さんは朝から絶好調だ。

そんな絶好調の新井さんは
これから門司まで行く道で
一番走りやすいルートを教えてくれた。

ついでに新店の近くを通るそうなので
新しくオープンするお店も見に行ってみた。

IMG_3753.JPG

九州工大前駅のすぐ目の前の角地。

まったまた良い場所。
さすがは旅するデキるビジネスマンだ。

関心して改装中の中を見学させてもらってから
出発する事にした。

教えて貰った通りに進むと
坂もなく、すんなりと海岸線へ。
IMG_3756海岸の向こうには、
久々に見かけた本州が姿を現せる。
いよいよ、九州も今日で最後。

これまでの九州であった事を思い出すと
視界が歪んできそうになる。

四国の号泣の二の舞にならんと思い
今回ばかりは泣くわけにはいかない。
何てったって、まだ日本一周の途中なのだ。

前回みたいに何かを終えた訳ではない。

景色はやがて見覚えのある
門司のレンガ作りの建物が多く見えて来た。

IMG_3758

下関の歩行者、自転車専用トンネルへ
向かっている途中に
コンビニの前で立っていたおじさんがいた。

「今、妻があなたに差し入れを買ってくるので
ちょっと待ってて。」と呼び止められた。

IMG_3760

夫婦におにぎり2つと飲み物2本も頂いた。

待っている最中には
同じ車からお爺さんが出て来て
「カンパじゃ。」そう言って
1,000円を手渡してくれたりも。
IMG_3759

ありがとうございます。
大切に使わせて頂きます!

門司港周辺を通ると
名物「焼きカレー」の看板が目に入った。
もの凄く食べたいが、
そんなに贅沢もしていられない。

食べたい所をグッとこらえ
トンネルへ向かった。

IMG_3763

ここを跨ぐと九州編は完結。

行きはヨイヨイと通って過ぎ去った場所だけど
九州を出るとなった今、沢山の思い出達が
背中を引っ張るかの様に足を止めた。

立ち止まり、深呼吸。
また、一つの節目を終えた様な気がした。

四国でも同じく感じた事。
一周して同じ場所に帰って来る訳だけど、
ずっとずっとひたすら前に進み続けて旅をして
スタートした地点まで戻って来る。

前に進み続けたのに戻って来るんだ。

景色も見覚えがあって
そこを旅立つ時の、そこに居た自分を覚えている。

その頃の自分一周してきた自分

どちらも同じ一人、同じ自分なんだけども
心に持っている物が違って感じるんだ。

様々な出会い、感動や苦悩、
助けの手を差し伸べてくれた人々。
それらをもろもろ含めて
経験という財産を背負っている。

そんな感覚。

それが明確に感じ取られるのが
『一周』の魅力なのかもしれない。

トンネルを抜け
久々の本州に帰って来た。

本州側から九州を見渡せる場所に移動し
神社を出る時かの様に
清らかな気持ちで頭を下げて礼をした。
IMG_3764

もう、当分踏み入れられないと分かっているからか
さっきまでいた場所が
遠く遠く手の届かない場所の様に感じる。

海に西に傾きかけた太陽が反射し
目を細めて見ると、幻想的な夢の中の島のような
そんな風に写ったのだった。

さて、これから山口県は日本海の北側を進む。

この日は下関に宿泊して
翌日の朝一に市場を見学しようと思っていたが
なんだか走りたい気持ちが抑えきれなくて
少し昼間の唐戸市場へ行ってみてからすぐに前へ進む事にした。

自分が走りたいって思っているなら
走らせてやれば良い。

自分がやりたいって思えば
自分にそれをやらせてやったら良い。

指令を出すのは自分。

やらせるもやめさせるのも自分。

一人旅では
頼れるのは自分の感覚一つだけ。

それがこの先のすべてを決める。

一つの判断が
この先のすべてをガラッと変えてしまうのだ。

DSC_0016DSC_0013

『唐戸市場』

朝はもっともっと活気がいいんだろう。

下関ではフグの事をフクと言うみたいだ
下関のどこの看板を見ても
「フク」と書いてある。

DSC_0017

市場を見てから日本海側へと向かった。
IMG_3765IMG_3766IMG_3768二両編成の電車が田舎道を通る所を撮影していると
反対車線の方からチャリダーがすれ違って通って行く。
話したかったが撮影しているうちに通り過ぎてしまった。

この日は海岸沿いに良い場所があったので
そこでテントを張る事に決めた。

IMG_3772IMG_3777水は澄んでいてとても綺麗な海。

明るいうちにご飯を作ろうと
地べたでタマネギやらを切っていると
散歩に来た地元の人が沢山通りがかる。

来る人来る人に、必ず挨拶をする。

こんにちは。

そうすると、会話をする人の数は
黙っている時と比べて倍以上になる。

だからいつも目が合った人や、
すれ違う人には、
なるべく挨拶をする様に心がけている。

話した方には
ほとんどの方にステッカーを渡している。
田舎のおじちゃんの家にはパソコンは
無いかもしれないけれども渡してみる。

すると、
「あぁパソコンはエチなヤツしか見ないねぇ」
なんて少年の様な素直な応えが返って来る事もある。

不意な質問に笑いつつも

ははは!えっちながヤツ見れるなら大丈夫
そこまでパソコンが使えるなら見れますね〜
なんて笑いながら話しが広がる。

おじさんはずっと親の介護を20年ほど続けていたから
本当にそんな事が出来たらよかったなぁと
心から言っていた。

「自分が出来なかった分、頑張って来てくれ。」

こんな声は少なくはない。

色んな人の思いを背負ってここまで来ている。

石垣島でもある人に
「お前、辞めたらぜってー許さねぇからな!」
と謎に気合いを入れてステッカーを
どこかに貼る人までいたほどだ。

そんな色んな人達の為にも
自分の目で見た事を伝えて行きたい。

おじさんは
「近くに商店や何かあったら良いんだけど
ここら辺じゃ何も無いから、
そこの自販機でコーヒーでも御馳走させておくれ。」
そう言って、温かいコーヒーを買ってくれた。

おじさんは、また帰ってエチなのを見るんだろう。

素直で素敵なおじさんだった。

夜の空は星が多く
ここでも天の川を見る事が出来たほど。

静まり返る田舎の海辺で車の音も聞こえず
小さなさざ波だけが鳴り響いていた場所だった。

11月5〜7日 濃厚な大分県。 (179〜181日目)

「大分の飲み屋に泊まる」の巻
11月5日 (179日目)

30年前の青田典子に
負けないほどのフレッシュ!!さで、
朝、目が覚めた。

DSC_0002-0.JPGDSC_0003-0.JPG

昨晩に警察官からもらったカイロと
寝袋の上からビニール性のポンチョを纏う作戦が効き
寒さをいくらか凌ぐ事が出来た。

睡眠もバッチリとれ
今日は朝から好調なスタートを切れた。

その道の駅から大分の市街地までは
30kmと今日は軽く走れば着いてしまう。

朝日で日光浴しながら
丘の上の長めが良い場所で朝食をとり、
軽い足取りで街へ向かった。

街へ出て来てから
まずは真っ先に冬用の寝袋を確保しにかかった。

0°前後まで耐えられる寝袋を
¥14,000-ほどでゲット。

痛い出費だが、これで一安心だ。

今夜は大分の街を探索することにして
街をぐるぐる気の向くままに自転車を走らせ
ある程度の街の地理を覚える。

駅や、人が待ち合わせにする様な広場、
飲屋街、街の近くで寝られそうな場所を
新しい街へ出る度に、まず探索する。

ふとした出会いは
いつ起こるか分からない日常。

もしベロベロになるまで酒を飲むはめになっても
どうなっても良い動きが出来る様に、
事前に調べておく事。

この自力旅生活の上で一番大事な

『衣』『食』『住』

この3つが、旅する上での必要不可欠で
もともと古来から人間が必要だった最小限
本当に核である生き方。

それだけの中でシンプルに生きる。

荷物は多いかもしれないが、
心は軽い。

やがて、大分駅に到着。
改装工事をしている様子で
全体的に足場が組まれていた。

IMG_3693.JPG

DSC_0006-0.JPG

大分の駅前で路上ライブをしようとしたが
工事中だったこともあり、
なんだかやりにくかったので断念。

案外路上ライブ出来そうな場所がなく
宮崎で買っておいた本を
1時間ほどベンチで読んだりして過ごした。

だんだんと辺りも暗くなり
水曜日の大分の街を
第2回目のパトロールへ出た。

一瞬一瞬の行動ですべてが起こる。

もし、この行動が3分違えば
また違う一夜になる。

街ですれ違い出会う人もまた、違う。
この道を右に行くか、左に行くかの選択でもまた。

すべての事がすべてを引き寄せる感覚が
面白くもあったりする。

平日、水曜の夜8時前。
大分の飲屋街である都町を歩いてみた。

学生で飲み歩いている集団に声をかけられ
ステッカーなどを渡して少し会話。

それを見ていたお兄さんが
また、声をかけて来た。

ゆうへいさんと名乗るお兄さんは
全身入れ墨が入っていて、一見すると怪しいが
表情を見て話していると優しい人だとすぐに分かる。
IMG_3694-0.JPG

話していると、今月の1日から近くで
飲み屋をオープンしたらしい。
せっかくなので、飲みに行ってみる事にした。
IMG_3695-0.JPG

ご飯も食べられて、お酒も飲める
大分の11月にオープンした新しいお店。
「Food Beat Crown」
IMG_3696-0.JPG
店へ案内され
まずはビールを注文。

酒を飲みながら話しをしていると
熱々の味がよくしゅんだ、おでんを食べさせてくれた。

そう言えば、大分の食べ物の名物は?
そう聞くと。

「そうそう、ちょうど今それを
食べさせたろうと思って段取りしとるけん
ちょっと待ってて。」

そう言って大分名物を作ってくれた。

IMG_3791.JPG

大分名物『とり天』

鶏の胸肉の天ぷらを
九州の甘い醤油にカボスを沢山絞ってタレを作り
それに付けて食べるのが
ゆういちさんおすすめの食べ方らしい。

最高に美味い!!

鶏肉にも下味がしっかり付いていて
醤油ダレの相性が抜群!!

 美味しいもので、酒も進む。

平日のど真ん中だったこともあって
街にも人は少なくお客さんも少なかったが
そのお店に来る人みんなと話をさせてもらった。

ゆういちさんと仲が良いお客さんに
「ここで泊めて貰いなよ!」と言われ
ゆういちさんも「問題ないよ、泊まって行きなよ。」
そう言ってくれたので、お店に泊まらせてもらう事になった。

夜12時頃にはお客さんも居なくなり
ゆういちさんと2人で
大分の飲屋街へパトロールへ出る。

やっぱり、街には人が出ていなくて
沢山のクラブやキャバクラなどの
キャッチばかりが街に溢れていた。

街を一周してから店に戻り
そのタイミングで、ゆういちさんの彼女も一旦合流。
紹介してもらい、少し話して彼女は帰って行った。

ゆういちさんが晩飯をたべていなかったらしく
更に、とり天やチャーハンなどを作って
自分にも食べさせてくれた。

しまいには、
「酒も自由に飲んでいいから
勝手に作って飲んだら良いよ」と
酒もどんどん飲ませてくれた。

心が広く、優しい方だった。

夜の2時頃あたりにそろそろお開きとして、
店のテーブル席の長椅子に寝かせてもらい
ゆういちさんは家へと帰って行ったのだった。


『監禁事件。(された側)』の巻
11月6日(180日目)

朝、真っ暗な店内で目が覚める。

時刻は8時半。

朝からトイレがしたくなったので
店内から出たすぐのトイレへ行こうとした。

ガチャ。

ガチャガチャ。

あれ。

ガチャガチャガチャ。

あ、鍵が閉まってるのか。
当然、中から空けられるだろうと思い
携帯のライトを照らし探す。

無い。

うぇー!!まじかよ。。。

そう言えば
この店の鍵は南京錠だった。

南京錠は付けていないが
錠前を付ける前の機具をかませてしまっているから
中からは開かない様になっている。

まさかの

 監禁状態。

朝に勝手に出発したら良いからと
言われていたがこれじゃあ外へ出られない。
どうやっても開かず、無理矢理空けようとすると
ドアを壊してしまいそうだ。

なんてこった。

奇跡的に電話番号は
昨日交換していたので
電話は出来る。

けれども出ない。

朝の4時半にゆういちさんからメールが入っていたので
そんなに早朝からは起きていないだろう。

非常に困った。

押し寄せる便意は確実に大きな方だ。

しかも、酒を飲んだ次の日で
布団も無しに寝ていたもんだから
ユルユルのウンフィが迫って来ている。

…辛い。何の修行かコレは。

まさかの監禁状態で
俺の出口を座って塞ぎ、
呆然と店の入り口を眺めるしか無かった。
IMG_3697.JPG

気を紛らわす為に
起きるまでブログ更新して
昼頃まで待った。

幾度となく
今世紀最大のビックウェーブ
を乗り越え、目は白目を剥きかけて来た頃。

12時過ぎにようやく電話が鳴った。

事情を話し
申し訳ないが来て下さい。と頼むが
寝起きMAXのゆういちさんは
すぐに来られる場所じゃないと
今一番聞きたくない情報を教えてくれた。

…。

仕方ない。
辛抱するしか無いのか…

と、その時!!

俺の出口から…じゃなくって

3階の店の前に人影が。

ぬぅぅぉぉおおおー!!奇跡キターーー!!

流れ着いた無人島から
船を見つけた時かの様に入り口まで走り
その人を呼び止めた。

「おぉ〜い!すいませーん!!」

もう、のろしでも焚いて
合図を送ってやろうかというほどの勢い。

「大分で一番勢いがあるヤツ」で
有名になりそうになりつつ
人を呼び止めて外から鍵を開けてもらった。

実に4時間の戦いだった。

「梅宮辰夫と松方弘樹、世界を釣る」シリーズで
カジキマグロを釣り上げる壮絶な長時間の戦いと
ほぼ互角の争いは幕を閉じた。

ぶぉすぎょりぎゅり
ぐりぐりじょほなすすっぽんした俺は
荷物をまとめ、監禁居酒屋を後にする事にした。

今日の予定は隣町にある
監禁されない街、別府。

別府は監禁されない温泉で有名なので
温泉に入ろうと思う。

大分市内から20kmほどにあり
すぐに行けてしまう距離だ。

IMG_3698.JPG

2時間ほどして別府へ到着。

温泉は別府温泉とか言う名前の温泉があって
そこが有名だと思っていたのだけども
町自体に温泉が数多くある事が有名らしい。

主に有名なのは地獄巡りと言われる
別府八湯だ。
IMG_3706.JPG

別府地獄めぐりとは、
別府市に多数存在する様々な
自然湧出の源泉「地獄」を観光名所化し、
定期観光バスなどで周遊する別府温泉の観光の定番コースらしい。

ひとまず駅を目指していたが
それまでの道で、何やら雰囲気のいい温泉を発見。
IMG_3712.JPG『竹瓦温泉』(別府温泉)

1938年に完成し今も尚、
当時の作りのままで営みを続けている
別府八湯の中の内の一つ。

外観に一目惚れして
温泉に入るのはここと決めた。

入ってすぐ、靴を脱ぐ場所に支払所がある。

料金はたったの100円

別府には100円や200円という
格安の値段で温泉へ入れる所が無数にあるのだ。

無料なんて所もあるらしい。

IMG_3704.JPG

脱衣所へと入ると
昔からのそのままの造りに驚いた。
IMG_3705.JPG服を脱ぐ場所から階段を降りて
すぐの場所にすぐ湯船がある。

脱衣所と温泉に仕切りが無い。
さすが、監禁されない事で有名な温泉なだけある。

こんなスタイルの温泉は初めてだった。

シャワーなども一切無く、湯船だけ。
身体や頭を洗いたければ
椅子と洗面器を湯船近くに持って来て
桶で汲んで洗わなければならない。

昔ながらの温泉に戸惑いつつも
湯船に浸かり旅の疲れを癒す。
温度は43度とすこし熱めの設定だ。

5分もしない内に熱くなってしまう。

熱くなれば外で休憩して
また湯船に浸かる。

あぁ〜最高だ。

近頃、日中でも気温がグッと下がり
自転車を漕いで汗をかくと
動きが止まれば汗が冷えてもの凄く寒い。

おまけにビンディングシューズ
(靴とペダルを固定する靴)はサンダル仕様なので
足も、とにかく冷える。

そんな冷えきった身体を温める事が出来た。

温泉を出て、荷造りをしていると
出張で別府に来ている方に
スポーツドリンクを差し入れに下さった。

ちょうど、飲み物がなくなった所だったので
本当にありがたい。

それから別府の街中を探索しはじめた。

IMG_3710.JPG駅の南側に別府市場があったので
食料をそこで仕入れる事にした。

IMG_3709.JPG50円のほうれん草と
鶏のレバー300g150円
ニラ、100円で購入。

ほうれん草は翌日に食べるとして
今夜はレバニラ炒め。

公園を見つけ出して晩ご飯を作って食す。
その公園でも、何人かの人に話しかけられ
話をしながら調理を進めた。

その中の一人が印象的だった。
「会社をリストラされたばっかりで
いや〜キミを見ると何だか勇気づけられたよ。
本当にありがとう!」

そんな言葉に自分の方こそ元気付けられた思いだった。

IMG_3711.JPG

晩ご飯も食べ終わり街をフラフラ徘徊してみたが
この日は何事も無く、海辺の公園に移動して
就寝する事にした。


「酔っぱらいに半日も連れ回される」の巻

11月7日(181日目)

別府市の海岸沿いで起床。

新しく購入した冬用の寝袋も
とても温かくこれから当分、寒さ対策は大丈夫そう。
海のさざ波の子守唄で満足に快眠できた。

これからは北九州を目指す。

ところが一つ、問題があった。

監禁居酒屋で有名なFood Beat Crownに
落とし物をしてしまっていたのだ。

電気をつけずに暗闇の中でブログを編集している時に
一眼レフカメラのSDメモリカードを
どこかに落としてしまっていた。

メモリカードがなければ
一眼レフが起動しないので使えない。
数日間のデータもその中に入ったままだ。

また来た道を戻るのも億劫だし
何かいい方法はない物かと考える。

一つは、郵便局留めにしてもらって郵送してもらうか。
でもそれでは時間がかかる。
もう一つは電車で取りに行くか。かな。

あわよくば、切符を一駅だけの安いものを買って
大分駅の改札でSDカードを持って来て頂いて
そこで受け取る事が出来たら
一番安上がりで良いんだけども。

よし、その方向でお願いしてみようか。
朝は起きていないだろうから、
ゆういちさんにメールしておいて出発する事にした。

なるべく線路沿いに進んで
連絡が来れば電車で向かえばいいだろう。

その間は、取られたら困る貴重品だけ
鞄一つにまとめて行動すればいい。

昼過ぎにかけて20km隣町の日出町まで来た。
ここから先は山道で電車がないので
ここ辺りでゆういちさんから電話が来るまで
コンビニの前で待機する事にした。

セブンイレブンの美味しいコーヒーを飲み
連絡を待っていたがなかなか電話は来ない。

すると、一人の歩いて近寄って来たおじさんに
声をかけられた。

いつもの様に「どこからきた」とか
「今どれくらい期間がかかっているか」
などなど、定番の質問TOP10をすべて聞かれ会話をする。

まぁ好きでやってますんでね〜。と言うと

「うん、アンタはそれを好きでやってるから
ワシらには応援し様も無いけどね。
頑張ってーって言うのも
好きでやってるのだからおかしいし。
だからワシはアンタには何もしてやれんね。」と
意味の分からない応援しない宣言をされる。

「家族は何と言っている」「兄弟は?」などなど
良く質問されるTOP30まで話は進み
おじさんの娘の結婚相手のお父さんにまで話は膨らんだ。

「娘の旦那のお父さんが○○の会社の重役でさ
もう、初めて顔合わせの時は緊張したねぇ〜」
「でも、あって一言目。ビール飲みますか?だったよ。
いやぁ〜嬉しかったね。お酒好きだったんだよその人。」
などと、話しは続いた。

どうやら、このおじさんは酒が好きらしい。
なんだかもう一杯は引っ掛けて居そうな雰囲気だ。

そうして話をしていると
気に入ってくれたみたいで
「コーヒーでも飲むか?」と言って
コーヒーを御馳走して頂く事になった。

「ちょっと待ってて。」そう言い残し
コンビニで買って来てくれた。

「ほらよ。」そう言って渡してくれたのは
コーヒーとハイボール2缶。

そのうち一本はおじさんが飲み
もう一本は自分にくれる物らしい。

わぁ、こんなものまでありがとうございます。
少しの間は自転車に乗らないので
じゃあ、僕もお酒飲みますよ。

そう言ってハイボールを飲むと
「おぉ、お前、酒はいける口なのか??」と
嬉しそうに聞いて来た。

ええ。神戸でBARをやってますので
お酒は鍛えられてます!

そう応えるとおじさんは更にテンションが上がって来た。

「あんた、すぐにどっかに行かなくちゃならん
訳じゃないのか?」

ええ、予定は決めない主義なので自由ですね。と応えると

「じゃあ、ラーメンでも食いに行くか?」

と、ご飯に誘われた。
先ほど1時間前に腹一杯になるまで
昼ご飯を食べたばかりだったが
何が起こるか分からない旅では
食べれる時に食べておいた方がいい。

おじさんも、「若いからまだ食えるだろ!」
と言ってくれている。

ゆういちさんからまだ連絡は無いし
一人で待ちぼうけするより
よっぽど、いいだろう。

そうして、食事に付いて行く事にした。

IMG_3715

ラーメン屋に向かう途中、
「ラーメンか唐揚げ、どっちがいい?」

いきなりそう聞いて来るもんで
そうですね、昼ご飯は食べたので
唐揚げが良いですかね!そう言うと、
行き先は唐揚げ屋に変更された。

IMG_3718

この出会いに、ビールで乾杯。

大分は唐揚げも名物で
中津という地方の唐揚げをご馳走になった。
IMG_3719おじさんはけっこう酔っぱらって来ている。

しかも出会う前にラーメン屋に居たらしい。
きっとそこで酒を飲んで来たのだろう。

「ここにはこの前に迷惑を
かけてしまった事があってね、
店の前の植木に突っ込んでしまったんだよ。はは。
どうもすいませんね。」と
店員に向かって言っている。

店員さんは顔を微動だにせず黙々と仕事をしていた。

その対応から見ると、
ここらじゃ有名な酔っぱらいおじさんなのか?
そんなお客対応に見えた。

唐揚げがあと4つくらいになると
おじさんは夜食に食える様に
持って帰ったらいいじゃないか。と言って
親切に持ち帰り用の袋に入れて持たせてくれた。

店を出て、固い握手を交わし
本当に、どうもありがとうございました。
良い思い出になります。

そういっておじさんと別れ
おじさんはまた、
どこかに飲みに行く雰囲気プンプンで
ふらふら歩いて行ったのだった。

IMG_3720.JPG

さぁ、唐揚げを荷台に載せて
移動する準備を整えていると…

また、おじさんが戻って来た

「ラーメン行くか?」

えぇ?!
結構腹一杯ですけど…

「まぁいいじゃねーか。
さっきラーメンのつもりだったんだし。
いやぁ、これからどこか行こうかと思ったんだけど
どこか行くんなら、お前さんを
どこかに連れて行ってやりたくなってね。」

そう言って今度は
ラーメン屋へハシゴする事になった。

おじさんの行きつけのラーメン屋に入り
席に着く前におじさんが顔見知りらしき店員に注文をした。

焼酎と

ラーメン特盛一つね。

 

いやいや、普通のサイズでいいって!!
腹一杯だっつってるじゃん!!
と思いなからも、もう時既に遅し。
仕方なく、食べきる覚悟を整えてラーメンを待った。

すると、そこでゆういちさんから連絡が来た。
電話でSDカードの事を説明して
駅までは用事があるので持って来れないとの事だった。
でも、お店の鍵を開けてくから
店に取りに来たら良いと言って頂いて
なんとか今日中には何とかなりそうだ。

電話の終わり際にタイミング良く
特盛りのラーメンが出て来た。

おじさんおすすめの
みそ豚骨ラーメン(特盛り)
IMG_3721

おじさんに出された焼酎は、
氷が入ったジョッキグラスと
ワンカップと同じ形の瓶に入った焼酎が出てきた。

それを空けて豪快にジョッキに入れ
デカいジョッキのロックで飲んでいる。

せっかく御馳走してもらったものだし
絶対に完食しなければ…。

紅ショウガをたっぷり乗せて
サッパリした味で誤摩化しつつ食べていると

「おじさんはね。
ラーメンは必ず何も入れないんだよ。
もやしも冷たいものを乗せる所が
多いから抜きにするね。
ラーメンは、その店のベースを出来るだけ
味わうってのがおじさんの流儀だね。」

なんて語ってくれる。

俺はそれどころじゃないんだおじさん。
美味しいけども、さすがに多い…
けれども、なんとかギリギリ食べれそうだ。

そう思って来た頃。

あ、そうそう。
ここ、おにぎりもね本当に美味しいんだよ。
おーい。おにぎり2つ!!あと焼酎ね。

…えぇ?
まじっすか?

おじさんの顔がに見えて来た。
IMG_3722

出て来たおにぎりの一つは
おじさんのだったみたいだ。

恐る恐る食べてみる。

…お?…うまい!!
なんだこのおにぎりは。

もの凄く柔らかくて軽くたべられる。
塩加減も絶妙に美味しい。

腹が一杯でもこれは何故か
かるーく食べられる。

こんなにうまいおにぎりが
ここで不意に出てくるとは思いもしなかった。
人生で食べたおにぎりの中で
おそらく3本の指に入るだろう。

何とかラーメンも完食。

話の中でこれからの予定を聞かれたので
大分の店に忘れ物を取りに行く事を説明すると
おじさんは何やら考え事をし始めた。

よし、大分に姉が居るから
姉に取りに行かせるわ。

そう言って電話をし始めた。

いやいや、おじさん。
ちょっと待って!!あかんあかん!
それはさすがにアカン!!

おじさんが行くならまだしも
関係のない姉にいきなりそんな事をさせるだなんて…
しかも、関係のない人を勝手に店に入れるのも
ゆういちさんに失礼だ。

いや、いいですから!
それはほんと、辞めてください。

そう言うとおじさんは少し、キレはじめた

「人がやってやるって言ってんのに
何で断るんだよ?俺はお前に何かしてやりたくて
やってるんじゃねーのか?」

いやいや、、、(笑)

もう既に酔っぱらってしまって
話しの通じない人になってしまっている…。

厄介な事になってしまったな、、

そう思っていると
お前が道を説明しろ。と電話を代わられた。

あぁお姉さんすいません、いきなり…。
「それで、お店はどこなの?」と聞かれ
仕方なく道を説明。

道を説明してる途中。

おじさんがいきなりもういい。切れ。
などと言っている。

もう意味分からん。
道説明してる途中に電話切れっかよ!

おじさんに、待って待って!とジェスチャーして
そのまま説明を続けた。

するとおじさんは機嫌が悪くなり

「ほんっと、人の姉にそんな事を、
普通させるか?」

などとブツブツ言っている。

アンタがいきなり電話して
行けっつったんじゃねーかよ!!

もう意味不明。(笑)

ちょっと厄介な事に巻き込まれつつあるな。
いや、そんな事は思わないでおこう。
親切でやってくれているんだから…。

おじさんの姉さんはゆういちさんのお店から
すぐ近くの都町内で小料理屋をしているらしく
すぐに取りに行ってもらう事が出来たみたいだ。

電話を切ってから少し説教され(え、なんで?)
あとはそれを取りに行くだけとなった。

ラーメン屋を出て目の前の駅に向かい
おじさんが大分までの切符を2枚買ってくれた。

時刻表を見ると1時間後にしか、電車が来ない。

おじさんは
「まじか〜そんな時間待ってられるか?どうするよ?
また、さっきの店に戻って飲み直すか?
いや、でも財布に入っていた
最後の1000円を切符に使っちまったし
飲みに行くのも出来ないな。」

よし、コンビニで酒を買おう。

そういい、おじさんと出会った
セブンイレブンまで戻って来た。

店内に入り、おじさんはお前の分も選んで来いと
酒を手に持っている。

さっき全部使ったのに大丈夫なのかな??
まぁここぐらいなら支払えるからいいか。
そう思い、安い発泡酒を持ってレジに向かった。

おじさんはおサイフケータイを使い
また、お酒を奢ってくれ
店の前にしゃがみ込んで二人で酒を飲み電車を待つ。

すると、また考え込む様に
ブツブツと独り言を言い、
電話をし始めた。

「あーもしもし?
俺だけど、専務か社長かいる??
もし、あれだったら大分までの片道をアレするけん
帰りの片道分をキャンセルできる?」

そんな会話が聞こえた。

でも全然意味が分からない。

向こうも分かっていなさそうで
もう一度内容を聞かれていた。

すると、どうやら知り合いのタクシー会社に
連絡してくれたらしく
大分までの片道分の値段で往復して欲しい。
という内容だった。

あれ?電車は?
さっき買った切符は??

もう酒で勢いがついてしまっている
おじさんは誰が何と言おうが止められまい。
身を任せるしか無かった。

そんな事までしてもらっていいのかなぁ…
ありがたいけれども、気を使ってしまう。

タクシー会社も
片道分だけで了承してくれたみたいで
すぐに迎えが来た。

IMG_3723.JPG

タクシーで2日間かけてきた国道を逆戻り。

お姉さんの旦那さんが営む
小料理屋にSDメモリカードを置いているらしく
そこへ向かった。
IMG_3724.JPG

残念ながら取りに行って頂いたお姉さんは
家に一旦帰っていた様で会えず挨拶できずだった。

旦那さんにお礼を言い、また日出町へ戻る。

途中にまたコンビニに寄って
運転手の食べたいフランクフルトと
酒3缶、フライドチキンを3つ
焼肉丼弁当一つを買う。

運転手もフランクフルトをかじりながら
運転している不思議な光景を見つつ
昨日訪れた別府を通りがかる。

今朝まで寝泊まりしていた海沿いの公園を見ると
まさか今日、こんな事になるなんて
思いもしなかったなぁ…。
なんて思いに浸っていた。

すると…

あ、思い出した!停めて停めて!
俺、ここで降りるわ!
じゃあ、お前は自転車をとって、
気をつけて行くんやぞ!

そういって、あっさり車を降りてしまった。

ええぇぇぇ〜?!?!(笑)

こんな別れ方あり?!

最後の最後まで
波瀾万丈な方だった。

タクシー代は後日に
おじさんが払ってくれるらしいが
なんとも不思議な面白い酔っぱらいおじさんだった。

色んなお店に連れて行って頂いた上に
忘れ物まで取りについて来てくれて。
しかもさっきコンビニで買ったものを
すべて手渡してくれたりも。

もっと、きっちりと
お礼を言いたかったけれども
これはこれで、あのおじさんらしいか…

また一つ、良い思い出が増えたな。

そう思っているとタクシーは
自転車を置いている場所に到着。

運転手も優しい人で
自転車を見ながらあれこれ立ち話をして
再び出発。

夕暮れ間際でそこからすぐの峠に挑んだ。

峠を越えた辺りに温泉があるから
そこに泊まれば良いと教えてくれたが
その場所が見つからなくて通り過ぎてしまった。

仕方なく、寝床が見つかるまで走り、
公園を8時頃に見付けて
山間の冷え込む場所で一夜を明かす事にしたのだった。

 赤、自転車。 青、タクシースクリーンショット 2014-11-12 22.18.14

11月2〜4日 まだまだ続く宮崎の縁と人情。(176〜178日目)

11月2日(176日目)

繁華街の近くにある公園。

珍しくこんな立地に
静かな公園があることが救いだった。

昨晩、酔っぱらったまま
自転車を押して寝床を探す事なんて考えると
ゾッとしてしまう。

IMG_3643

今日こそ、大分へ向けて出発だ。

10号線をひたすら北へ向け走りはじめた。
IMG_3647IMG_3648IMG_3650IMG_3651この日は70kmほど移動して
日向市へと入った。

夕方頃の道の駅の看板を見つけ、
そこで寝ようかと考え、そこへ行って見ると
なんだか落ち着ける様なスペースがなく、
あまり泊まる気になれない。

仕方ない、もっと良い場所を探そうと
また前へ進みはじめた。

けれども、進めど進めど公園なんて見当たらない。

辺りも真っ暗になってきたので
視野が狭くなり、もっと探すのが困難になってきた。

携帯の地図を頼りに公園を探すと
ちょうど国道のそばに運動公園を発見。

そこへ向かった。

国道から右へ曲がり
すぐの場所に公園があるとなっていたが
行って見ると、ビックリする様な急な坂。

なんだこれは、壁か?と思わされてしまうほど急だ。

他に良さそうな場所もないので
仕方なく急な坂を上りはじめた。

最後の最後の力を振り絞り坂を上る
もう少し。もう少しで寝れる…

息を上げて登る。

やっと公園らしき明かりが見えてきた。

あと、もう少し。30メートル…

そこへ。

猛スピードで坂の下から走ってきた車が
少し前方で急停車して停まり、
中から出てきた方が歩道に立ち
声をかけてきた。

「どこから来たんですか?泊まる所は?」
と声をかけてきた。

息を上げながら、あぁーこんばんわ、
これから、そこの公園で野宿するつもりです。
そう言うと、すぐに

「ウチに泊まりにきませんか?」
と、二言目にはそんな言葉が掛けられた。

驚きつつも
えぇ?!そんな、、いいんですか?
こんな見ず知らずの僕を…

「えぇ、もちろん構いませんよ。
よければ、いらして下さい。」

この日は、いつにも増して気温は冷え込み
寒い夜になるだろうと覚悟していたが
なんと、民家に泊めさせて頂ける事になった。

少し国道を戻った所が家だったそうなので
ある程度の道を説明してもらって
お母さんのお宅にお邪魔する事にした。

家の前には、農作業用の大きな倉庫があり
そこに自転車を停めさせてもらい
家の中へと招き入れてくれた。

DSC_0079

IMG_3653IMG_3652

黒木一家のお宅へ入り
さっそくお風呂でもどうぞと
お風呂に入れさせて頂いた。

いきなりお風呂に入るのも失礼かと思うが
汚い身体のままそこらへんに座るのも気が引ける。
ありがたくお風呂に入らせてもらう事に。

髪を洗い、身体も綺麗に流し
あっつあつの湯船に浸かると
もう、最高。

思わず、「クゥ〜、最っ高。」と声が漏れてしまう。

風呂から上がり、晩ご飯が出来るまでの間
倉庫でみかんのパッキングをしている
お父さんの手伝いをさせてもらった。
IMG_3654

3人兄弟の長男は家を出て
広島辺りで仕事をしているらしく
家に居るのは次男と一番下の長女の二人。

そして、自分がいきなりこの家に招かれた
一番の動機を知る事となった。

というのは、次男も僕と同じ様に
自転車で日本を旅しようと考えているそうで
色々、アドバイスをしてやって欲しいとの事だった。

次男も倉庫へ出てきて
どんな自転車が良いとか、装備はどんな物が必要か
旅している間に疑問に思う事など
色々質問され、アドバイスをして上げた。

自転車はもちろん、自分の乗るSURLYを勧めた。
頑丈だし、色んな装備が付けれる様に
ダボ穴(車体のネジ穴)も多い。
旅には適している自転車だと思う。

以前奇跡の3度再会したアンドレーも
この自転車をしている。
海外のチャリダーも愛用するメーカーだ。

次男も、これにしようかな、
おそらくコレにします!と
その気になっていた。

やがてご飯が出来上がり
黒木御一家の4人とご飯をお供させて頂いた。

晩ご飯は豪勢にいろんな物が出された。
マグロのお刺身に、昆布の魚卵の和え物、
油みそ、中華炒め2品にカルボナーラ、などなど。
他にもあった様な気がするが
どれも美味しい最高の夜ご飯だった。

食卓ではテレビ番組
世界の果てまで行ってQが放送されていて
家族みんなで笑いながら見ていた。

ご飯を食べ終わってからは
お父さんとお酒を頂きながら話をした。

ビールを数本頂いてからは
白霧島の芋焼酎を頂く。

お父さん手作りのへべす(かぼすに似た様な果実)を
お湯割りにしぼって飲むのがお父さん流。

へべすは小振りのみかんほどの大きさで
半分に切って出されていた。

その半分を少しずつ絞れば
半切れで5杯は飲めそうだ。

芋の香りと、へべすのキツすぎない果実の香りが
非常に飲みやすく美味しい飲み方だった。

ヘベす自体がどんな味をしているのかと思い
少しかじってみた。

かぼすに似ているが、
かぼすほど青臭くなく程よい香り。
ちょっとしょっぱさがあったので
切り口に塩を塗っていたのかもしれない。

なるほどー。塩か。
お酒に合う訳だ。

(多分だけど聞き損ねた。)

お父さんの人生観や今までにあった事。
それで学んだ教訓、家族に対する想いなど。
大切な話を沢山して頂いた。

お父さんも、四国で出会った
楠さんと同じ様な話を聞かせてくれる。

「やはり、歳を重ねてくると
やがて自分が、あとどれくらい生きれるだろうと
考える様になる。

そう考えた時に、自分が何をしたいか。
何が出来るのか。という事を考えるね。」

そう言いながら、気がつくと
グラスを手に添えて
座ったままお父さんは眠ってしまった。

お父さん、お疲れさまです。

その居間の隣はお父さんの部屋で
すでに布団が敷かれていた。

そこから掛け布団を持ってきて
風邪を引かない様にと
そっと起こさない様にかけておいた。

やがて、お母さんが布団に移る様にと起こしに来て
横の部屋まで「うぅ〜おぉ〜」と言いながら
這う様に移動してお父さんは就寝した。

その横に自分の布団も敷かれ
この日は暖かい毛布にくるまって眠る事が
出来たのだった。


11月3日(177日目)

8時頃起床。

DSC_0077

朝方は本当に冷え込んだ。
外で過ごしていると…と考えるとぞっとする。

家の中でも寒いと感じるのに
テントの中だったら…と考えると。。。

夏用のシュラフと今持っている防寒着で
どうにか出来るんだろうか…?

IMG_3657

起きてからすぐに優しいお母さんが
おいしい朝食を用意して下さった。
IMG_3655魚の横にあるのが
昨日のお酒のお供にしたへべす。
お父さんの畑で採れた自慢の果実だ。

朝食を美味しく頂き、
お母さんはおにぎりのお弁当まで持たせてくれた。

荷物をまとめて出発する頃に
記念写真を撮った。
DSC_0081残念ながら
日本一周を心指す次男は居なかったが
彼も是非頑張って欲しいと思う。

連絡先を交換しようとしていたけども
出来ていなかったので、黒木御一家。
もし、これを見ているのであれば
いつでも連絡下さいと次男にお伝え下さい。
kamitsuru@icloud.com

お父さんが作ったみかんを大量に持たせてくれ
みかんだけで重量が5kg前後あるんじゃないか?!
って程の量だった。
IMG_3660

出発してからも
振り返ってリアカーを見ると
大量のみかん。

多いなー!!と見る度に笑ってしまう。
この日から水分補給は当分、みかんになった。

充分に身体を休ませてもらって
快調に進む事が出来た。

IMG_3661IMG_3663DSC_0084
延岡市に入り
店が建ち並ぶ国道を走っていると
何やら打楽器の音が聞こえて来た。

ん?なんだなんだ??
そう思って近づいて見ると
音はソフトバンクショップの前からだった。

IMG_3659

犬のかぶり物をした店員が
ドラムを叩いている。

バックミュージックはGLAY。

何故、そうなる?(笑)

ここの部署の会議でなにがあって
そうなったんだろう。

店員「僕、ドラム得意なんで店の前で叩きますよ!」
店長「おっ、それいいね。そうしよう。」

ってなるかー!!

いや、なったから
こうなってるんだろう。

不思議な事もあるもんだ。

けれども、自分的には
社会はこうであって欲しいと思う。

形式に捕われて
『あれはダメ。これはこうでなくちゃダメ。』
そんな型にはめられた会社に勤めていても
面白くもなく新鮮さもなく社員にも倦怠感だけが募るだろう。

働く人にとっても、働き甲斐があり
自分達のやりがいが見出だせる職場作りが出来ている
このソフトバンクは素晴らしい。

「大手だから」に捕われず
常識を打ち破っているやり方は
通りすがりの自分にとっても気持ちの上がる出来事だった。

リスペクト!!
延岡のソフトバンク!!

日向市から延岡市を越えてからは、
山道を越えなければならない。

IMG_3664

昨晩、お父さんに酒を飲みながら
「左の道の方がまだマシだからそっちにすると良い」と
教えてもらっていたので10号線から左の国道326号線へと進んだ。

10号線は宗太郎峠と言うキツい峠が続くらしい。

お父さんに教えて貰った道は緩やかな登りが続き
非常に楽に進む事が出来た。

IMG_3667

山道で休憩していると

知り合いにあった。

二日前にスナックで飲んでいた時に
隣に座っていた方がたまたま通りがかったのだ。

IMG_3668

うわぁ〜!!

大分に行って帰ってくると聞いていたが
本当に会えるとは思っていなかった。

こんな山の中でこれまでに出会った方に
会えるとは思っても居なかった。

車の中にはお子さん2人と
スナックのママの娘さんカップルまで乗っていた。
なんとも、面白い縁。

テンションが上がり、少しみんなにみかんをお裾分け。
すると、お礼にと日本酒を頂いた。

いやー実に面白い。
旅では何が起こるか本当に分からないもんだ。

思わぬ事に元気付けられ、
再び前へと進んだ。

IMG_3666

河を塞き止める様に
竹などを端から端まで渡して
一部にカゴの様な仕掛けをしている。

しばらくそのアユか何かの魚を穫る
見慣れない漁を橋の上から観察した。

ここ辺りの川では
これと同じ仕掛けを多く見かけた。

日暮れ前に山道の中腹あたりにある「道の駅うめ」に到着。

IMG_3671

今は使っていなさそうな
建物の軒下にテントを張る事にした。

この道の駅にはキャンプ場も併設されている場所だった。

けれども山の中だという事もあってか
夕方から非常に厳しい寒さだ。

冷たい風を少しでも受けない為に
その場所へ泊まる事にした。

そこの従業員だろうお兄さんも
親切に声をかけて下さって
そこに泊まっていいですよ、と言ってくれ
そこの水道も、あそこのコンセントも使っていいです。
などとあれこれ親切に教えてくれた。

冬の時期はキャンプ場は経営していないのか
お兄さんは道の駅にテントを建てた場所で
的屋の仕事をしていた。

日が暮れて帰り際に
そこの店主のおじさんが寄って来て
「これ、最後に焼いたウチの自慢の
栗100%で作った餡を使った饅頭です。
よかったら食べて。」と
あったかい饅頭を頂いたりも。
IMG_3673温かいうちに頂いてみた。

IMG_3674

甘過ぎない美味しい栗の餡、
ほくほくの饅頭焼きは最高に美味かった。

おじさん、ありがとう!

この日は寒く寒くて
本当に辛い想いをした。

夏用の寝袋では立ち射ちが出来なかった。
九州でこんな寒さに襲われるなんて想像もしていなかった…

夕方に気温10°と標識に出ていたので
おそらく朝方は5°前後まで冷え込んでいただろう。

下はヒートテックと
分厚いパッチを2重に来てズボンを着込み

上は同じくヒートテックにTシャツ、パーカー、
ウルトラライトダウンを着込む。

それで寝袋に入るが、もう全然ダメ。
新しく寝袋を買い替えた方が良さそうだ。

大分の街に出たら真っ先に寝袋を買いに行こう…

そう心に固く決める。
今シーズン一番の寒さに凍えた夜だった。
スクリーンショット 2014-11-09 17.18.49

この晩、石垣島でお世話になった
Barの店長のチャッピーさんが知り合いの結婚式で大阪に出ていて
わざわざ神戸の僕のBarへと顔を出してくれたみたいだ。
IMG_3678人の縁を大切にするチャッピーさんらしい行動。

行くかもしれないとは聞いていたけども
本当に来て下さるとは…。

ありがたい限りで
心だけは少しでも温まらせてもらえる
そんな出来事でした。


11月4日(178日目)

太陽よ、早く…

早く昇って来てくれ。。。

そう願い続けて朝を待った。

日が昇ってからも
寒さから中々外に出られず
テントの外へ出たのは10時をまわっていた。

温かい野菜具沢山のみそ汁を作り
身体を温め出発した。

そこからは傾斜が傾き
登りが続く峠に差しかかった。

ゆっくりゆっくり1時間半ほどかけて
頂上付近へと自転車を漕いで上がった。

辺りを見渡すと、
自分がどれだけ登って来ているのか
一目瞭然。

IMG_3681

ほっほー、こんなに登って来ましたか!

一回も降りて押さずに上がって来られた。
体力も筋力も、身体に染み付いていたんだろう。

鹿児島からの道程で
現役だった頃の数ヶ月前まで
筋力は回復しつつあった。

この日は昼からの出発と峠に時間がかかり
30kmほどの走行だった。

スクリーンショット 2014-11-09 17.35.08

早い時間に「道の駅みえ」を寝床とする事にして
昨日の寒さでの寝不足を補う事にした。

夕日が綺麗に見える見渡しが良い場所で
久々にゆっくりと景色を眺める時間。

徐々に変わりゆく空の色を見ながら
景色を楽しんだ。

IMG_3686

今夜は更に着込んで
夏用のシュラフの上からカッパで外の空気を遮断する作戦で
寒さの改善を試みる。

夜、テントを張って
外のテーブルでパソコンを触っていると
駐車場からハイビームでこちらを照らしてくる車が居た。

まっぶしいなー、なんだよ。
そう思い目を細めて見ていると
2人組が車から降りて近寄って来た。

あぁーなんだ。警察か。

「お兄さーん、寒くないかね?」

いやー寒いっす。(即答)

「だろうねぇ。日本一周しちょっとかね。」

えぇ、でもここ最近で本当に気温が下がって来て
辛いですね。。

あ、そうそう。
よかったら、これ頂いて下さいよ。
そう言って2人にみかんを2個ずつお裾分けし
ステッカーも渡してみた。

「おぉ、ありがとう。
ま、風邪引かん様に気をつけて下さいね。」

そう言って
怪しいヤツでは無いとわかればすぐに
住所も聞かずに車へ帰って行ってくれた。

と、思うとまた戻って来た。

今度は、なんだなんだ?

「兄ちゃん、みかんもらったし、これ上げるよ。」

そう言って小さなカイロ5個と
反射ベルト二本も渡してくれた。
IMG_3691

みかんで温かい救世主を入手する事が出来た。

これはとてもありがたい。

早速今夜、
真っ先に冷たくなる足に
一つ使ってみる事にしよう。

この日は、これがあったおかげで
前日よりも寒さを凌げ、
睡眠に集中する事ができたのだった。

10月31日〜11月1日 「宮崎新宮祭」繋がる縁。 (174〜175日目)

10月31日(174日目)

一日ぶりに
青島手前の公園の外へ出た。

ほんのすぐ近くにある、
『宮崎の湘南』とも称される
青島へ向かってみた。
DSC_0309

湘南にもある様な
島への架け橋が渡っている観光地。
とはいっても湘南ほどの規模ではない。
DSC_0310

DSC_0319
橋を渡りすれ違う観光客の多くが
中国人だった。

わざわざ日本へ観光に来て、京都とかではなく
宮崎観光とはどんな旅行会社のプランなのだろう?
海外の人から見た日本の見所はどんな所なのだろうか。

ふと、そんな事を思いめぐらしつつ、青島神社へ。
DSC_0313神社に参拝してから
横に見えた山道へ向かってみる。
DSC_0316青島の植物は南半球の中で最も北に生息する
亜熱帯植物の生息地で、
国の特別天然記念物に指定されている。

周囲1,5kmの島の中のほとんどが
亜熱帯植物で覆われている。
主に写真の真ん中にあるビロウ樹が多い様だ。

種子植物の自生および栽培品併せて
74科174種2亜種5品種計209種
これにシダ植物17種を加えた226種類もの植物が生息。

青島とは、内陸で見られる珍しい植物の
知られざる宝庫だった。

青島を見学してから宮崎の市街地へ向かう。

青島から20kmほどの距離で、
今夜は路上でステッカー販売をしてみる予定なので
今日は焦らずゆっくり行動出来る。

宮崎市街地へ入る
大きな大淀川を跨ぐ橋を越えてからすぐ。
下り坂の下にお婆さんが立っていた。

道路脇には車がハザードを付けて止まってあり
運転席には旦那さんが乗って待っている。

お婆さんは大きく両手を振って
勢いよく走ってくる僕を呼び止めた。

「あなた頑張っているわね、
よかったらこれで美味しい物でも食べて」と言って
見知らぬ自分に3000円ものお金を手渡してくれた。

唐突な事で驚き、
車にいる旦那さんを見ると
「もらっておけ」というように首を縦に頷いた。

ありがたく頂戴し、その老夫婦は
「じゃあ、がんばってね」と言い残して去って行った。
なんとも気持ちの良い潔さ。

更に気分良くなり今日もご機嫌。
軽い足取りで宮崎市街地へ向かった。

IMG_3610

駅前で休憩しようとしたが
何やら催し物でも開催されるかの様に
鉄骨のテントを駅のそこら中で建て初めていて
ゆっくり休憩出来そうもない。

明日辺り、何かあるんだろうか?

疑問に思いつつも
近くのコンビニの前のベンチで休憩。

時刻は2時頃。

夜まではまだまだ時間があるな、
この大きな自転車と沢山の荷物では
都会での行動は制限があるし、どうしようか。

そんな事を考えてタバコを吹かしていると
「どこからきたんだい?」といって
数人の年配の方々と話をしたり。

その中には自転車に乗せていた
空のコーラのペットボトルを見て
「おばちゃんが、コーラ買っちゃろか?」
と言ってコーラをコンビニで買って持って来てくれた方も。

IMG_3611

(小さな後ろ姿のそのおばちゃん)

おばちゃんは、明日にこの街で
『宮崎神宮祭』がある事を教えてくれた。

「せっかく一年に一度のお祭りが見れるんだから
もう一日宮崎に居てみて行ったらどうだい。」
そう言って宮崎に留まる事を勧めてくれた。

それもいいな。

北へ急いではいるけれども
そういった事をパスして旅をしていても
意味がない移動だけになってしまう。

せっかくなのだから見て行く事に決めた。

コーラも飲み干し
する事もなくなってしまった。

さぁ何すっかな〜と考えていると。
あ、そうだ!とひらめき、ある場所へと向かった。

IMG_3609

ここは2日前にお世話になった
司さんが働く王将。

もう今後旅を続け当分会えないかもしれない。
近くに居るのならやっぱり会っておこう。
この前もお世話になったし、
喜ばせようと思い立って来たのだ。

サーフィン生活2日間の中で
王将で働いている話は聞いていた。

九州には大阪王将と鹿児島王将が存在するらしく
調味料などの味付けも微妙に違うらしい。
王将が大好きな関西人としては
気になる「鹿児島王将」へ潜入。

司さんは席に着いても気付いている様子はなく
客席から見渡しのいい厨房の中で仕事をしていた。
たまに、皿などをさげにホールへ出て来るので
手を挙げて呼び止めた。

「はーい、、、。!?
おっ!来たんかー!」

サプライズは大成功。

司さんの一番おすすめの酢鶏定食を注文し頂いた。

酢鶏も程よい甘辛で酸っぱさも絶妙。
美味しい熱々のあんかけがかかったTHE中華の味。
中華料理最高!

肝心の、王将と言えば!の餃子も食べてみた。

大阪王将とは違う様な気もするけども…

わからん!

結局、結論から言うと
人に作ってもらって簡単に食べられる食事は
今の自分にとっては楽チンで、最高だという事だけだった。
腹が減ってりゃ何でもうまい。

食パンに魚肉ソーセージを挟んで
ケチャップをかけただけの物を
主食にする日も多くない。

都会ではあまり、調理出来る場がないので
そういった方法で食事をする。
今回の宮崎市街地でも基本食はそれだ。

それも美味しいと思ってしまっているのだから
そんなヤツに何食わしても美味いしか出てこないだろう。

久々の外食を満喫して
司さんにおそらく今度こそ最後の別れを告げて
また、市内へと戻った。

路上ライブが出来そうな場所を探すついでに
市街地を大きな自転車を転がし探検。

 日も暮れはじめた頃に
宮崎アートセンターの前で
JAZZのLIVEが披露されていた。

安いビールを買って来て
それを飲みながら柄にもなく、JAZZを優雅に鑑賞。
IMG_3613時間もそろそろ、人通りが多くなった頃に
路上ライブ&ステッカー販売を試みた。

雨が降り始めたので屋根のある
アーケードの下で開始。
IMG_3615

夜の街はハロウィンの仮装をした若者で賑わっていた。

IMG_3614

この日の売り上げは530円

一日の食費の目安、500円を稼ぎ
これで一日食べる事が出来る。

感謝感謝。

声をかけて寄付してくれた方に
ステッカーをお礼として渡し
宮崎に住む色んな方々と交流をさせてもらった。

その間、外はずっと雨が降り続き
雨の中テントを張るのも、濡らしてしまうのも嫌だったので
この日は大型百貨店の山形屋を寝床とする事にして
屋根があるベンチで寝袋に入った。

キャンプではなく、本物の野宿スタイル。

今旅、初のテント無し野宿だ。
寝転ぶと微妙に斜めな寝にくいベンチ。
宮崎の市街地ど真ん中で就寝することにした。
IMG_3617


11月1日(175日目)

朝7時にベンチの上で目が覚める。

都会のど真ん中だっただけに
周りには人が歩き、街はざわつきはじめていた。

メインストリートには
屋台を組み始めている的屋が
小振りの雨の中、出店の準備を始めていた。

雨が降り続いていたので
どうしたものかと
その場で呆然としていた。

2時間ほどすると雨が徐々に弱まり
奇跡的に止んできた。

これはチャンス!!
そのタイミングで一駅隣の町にある
宮崎神宮へ向かった。

DSC_0004

宮崎神宮は広大な敷地にあった。

日本の初代天皇を祀る神宮で
神武天皇のためのお祭りである事から
地元の人達からは『神武さま』と言われている。
DSC_0011

DSC_0009

神宮の前では、昼から行われるパレードの為に
徐々に人が集まってきている。

DSC_0030

午前11時頃に本宮で神輿の宮出しの式典が行われる。
せっかくなので式典から参加する事にした。

式典では一般の見学しに来る人などは本当に数人しか居なく
ほとんどが関係者の人達が見学している様な様子を伺える。
宮崎市民の人達でもなかなか
この式典から参加する事はないのだろう。

DSC_0013

厳正な30分間ほどの式典を終え
御鳳輦(神輿)が出てきた。

DSC_0020

DSC_0023

これから宮崎の街へとお祭りを華やかにする大行列が
中心街の大通りへと練り歩く。

IMG_3625DSC_0034DSC_0038

一足先に神宮を離れて
自転車で街へと先回りした。

街の大通り沿いには大勢の観客達が集まり、
パレードを見て楽しむ人で溢れていた。

獅子舞を怖がる子供が非常に多く
泣き叫ぶ子達も少なくなかった。

IMG_3626

DSC_0045

DSC_0055DSC_0056DSC_0058

一通り行列を見終わると
腹が減ってきた。

屋台からの美味しそうな
匂いがしてくるもんだから余計に
食欲をそそる。

宮崎と言えば『チキン南蛮』
チキン南蛮の発祥で有名な「おぐら」の
本店がすぐ近くにあったので向かってみた。

街の中心である
橘通3丁目の交差点からすぐ。
細い路地を入って行った所にある。

IMG_3629

時刻は3時前だった。

ランチタイム11:00〜15:00 (オーダーストップ14:30)

オーマイガッッ!!!!
なんてこった、あと15分早ければ…。

完全に口がチキン南蛮。

どうしても食べたい…。

幸い、おぐらはチェーン店舗がいくつかあるので
近くの店舗を調べると2kmほどの所に別店舗を発見。

早速、「おぐら瀬頭店」に向かう事にした。

この、食べるお店の場所によって
僕の一日は大きく変化した。

おぐら瀬頭店に到着。

同じタイミングでタクシーが店前に停まり
降りてきた3人組の人達に
「ほー、日本一周しちょるの!」と話しかけられ
少し立ち話をして店内に入った。

チキン南蛮ご飯付き 1,010円

IMG_3630

酸味のあるタルタルソースに
南蛮のサッパリしたタレを漬け込んだ鶏。
絶妙な味付け。

とっても美味しく頂いた。

ふぅー満足満足。

時刻は3時過ぎ。

少し遅いけれども宮崎を満喫した事だし
ちょっと贅沢も出来た。
そろそろ大分へ向けてちょっとでも進んでおくか。

会計に伝票をもって清算していると
レジの近くに先ほどの3人組が食事をしていた様で
後ろから声をかけられた。

「日本一周の青年よ!もう行くのかい?
まぁまぁ、そう焦らずこっちへ座って
一杯何かご馳走させておくれよ。」

そう誘われ、こんな事も滅多にない事だ。
それに、明るく面白そうな人達だったので
その席にお邪魔することにした。

紳士なおじさん、まーくんと
スナックのママを経営するあけみママ。
同じくスナックをしているきよみママ。

その三人組が座るテーブルには
昼間っから焼酎が並び
早い酒盛りが始まっていた。

出発するつもりで居たので
クリームソーダを注文すると
周りからは一緒に飲めないのかと
残念そうな声が漏れた。

紳士なおじさんのまーくんは
昼前の11時から飲みはじめている様で
もう、とてもご機嫌な様子だった。

「今日は必ず出なければ行けないのか」と
聞かれ、そう言う訳でもない。
特に予定がある訳ではないと応えると、
「じゃあ飲んだら良いじゃない!
それに、夜にはこのママのお店に行って
カラオケ大会でもしましょう!!
これも神武さまが繫いでくれたご縁よ。」

そう言ってお誘いして頂いたので
結局その場から飲み始める事になった。

そう言われればそうだ。
昨日に道端で神武さまの祭りの事を聞き
今日まで待つ事にして
朝から祭の始まりから同行した。

祭の流れで
ご飯を食べに行く予定だった場所が
ランチタイムで変更になった。

そしてこの方々とお会いする事が出来たのだ。

『繫いでくれたご縁』
そう言っても過言ではないだろう。

焼酎を注文すると
一合瓶に出てきて氷と水のボトルセットで
出されてくる。

ファミレスの様な場所でも
そんなお酒の出し方をするのかと
驚かされた。

宮崎ではこのスタイルが普通の事なのだろうか。

4人でそれから6合ほど飲んだ辺りで
きよみママのお店に移動した。

きよみママのお店は
宮崎市街地の夜、一番栄える歓楽街の
西橘通り(通称ニシタチ)にあった。

古びた雑居ビルの2階にある
「スナック ひのかげ」

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早速、またもや酒盛りが始まり
カラオケ大会がスタート。
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飲んで、歌って、飲んで、飲んで。

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何となく出された「幼児スポロン」
初めて見た物で、何ですかこれは?と
質問すると
「えぇ、知らないと?!」と驚いていた。
宮崎ではみんなこれを知っているそうだ。

一段落すると、きよみママが

「せっかく祭の日に来たんだから
夜の祭の様子も見に行こう」と
店の外に出て街へ繰り出した。

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まーくんはもうこの時、既に千鳥足でフラフラだった。

まっすぐな道を右へ左へ。
綺麗なS字を描いて歩いている。

コンビニで焼酎の瓶とプラスチックのコップに
氷を買ってきて、祭の雰囲気を楽しみながら
道端で宴会が始まった。

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祭に出てきていたママのムスメさんなども
少し合流したりして挨拶をした。

すると、ママの携帯に
お客さんが店に来ている連絡が入り
また、店に引き返した。

店へ訪れてくるお客さん達とも
お話をさせてもらいながら酒を
勧められるままに飲み続けていると
時刻は12時をまわっていた。

夕方から飲み続けて8時間

まーくんは単純計算で
13時間も飲み続けている事になる。

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そりゃ、そうなりますわ。

結局、誘って頂いた3人は…

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全滅。(笑)

結局、1時頃に解散する事になった。

いやー、楽しませて頂きました。
貴重な体験をありがとうございました!

みなさんに別れを告げ
昨日から見つけておいた公園に行って
テントを張り、すぐに就寝する事にした。