10月21〜24日石垣から沖縄へ。(164〜167日目)

10月21日(164日目)

昨晩の送別会でのお酒がまだ余韻として残る中、
Barで働ける事になったきっかけのゆりちゃんと
でらファンキー酒乱えみこ姉さんに空港まで送ってもらった。

空港までの車の中。

まだ、石垣島を離れるという実感は湧いて来ない。

昨日まで、みんな周りに居てくれたのだから
そんな事を考える暇さえなかったのかも知れない。

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二人に見送られながら空港のロビーへ入って行った。

すると、なんだか見覚えのある顔を空港で発見。

しのぶ姉さんだ。

しのぶさんは、Barで一番よく見かけた常連さんでもあり、
高熱が出た時に薬を宿まで届けてくれた恩人。
石垣島で仲良くさせてもらっていた内の一人だ。

しのぶさんも、たまたま同じ便で那覇まで向かうそうなので
自由席だった座席を隣に座る事になった。
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この夏、ずっとお世話になっていた沖縄の家族の為に
石垣牛のハンバーグをお見上げに買い込み機内へと向かう。

機体は石垣島上空を旋回して
沖縄へと飛び立った。

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綺麗なマーブル模様の珊瑚に
海の青のグラデーションが窓から見え
だんだんと石垣島は遠ざかって行った。

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ここに来て初めて
気持ちの踏ん切りがついた。

次の旅が始まろうとしている。

今回の南北大移動では
何が待ち受けているのだろう。

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飛行機は1時間ほどで沖縄本島那覇市へ上陸。

石垣空港で飛行機に乗せる為に荷物をまとめていた
自転車で日本一周をしている人を見かけ、
その方も沖縄に上陸していた。

喫煙ルームに行くとその方が居たので
声をかけ、お互いの健闘を祈った。

しのぶさんが、ご飯に誘ってくれたので
まずは、食事へ向かった。

久しぶりに日本蕎麦を食べさせてもらった。

沖縄地方で「そば」という看板があっても
「沖縄そば」の事を指す為に、
日本蕎麦はあまり食べられる所は少ないのだ。

食事中、これからの予定を聞かれたので
今日は沖縄市の自転車を置いている家まで
ヒッチハイクで向かうと説明すると、

友達の車で移動するから
行ける所まで送って上げるよと提案されたので
ありがたく、そうさせてもらう事にした。

空港からのヒッチハイクは
予定がある人が多いのでちょっと難しいかな…
と思っていたので、とてもありがたい。

ヒッチハイクを何度もしている経験からすると
基本的に乗せてくれる人というのは
時間に余裕がある方がほとんどなのだ。

しのぶさんがコンビニで
油性ペンと段ボール、カッターを借りて来てくれて
それに「沖縄市」と大きく書いた。
IMG_3539これで準備はバッチリ。

しのぶさん、
あれこれしてくれてありがとうございました!

車で近くの国道58号線まで送り届けてもらい
しのぶさんにお礼を言って車を見送った。

送り届けてもらった場所は
たまたま、座間味島へ行けるフェリー乗り場だった。
ここも、記憶に残る場所。

あれ、ちょっと待って。
そう言えばさっき降ろしてもらう前に
変なヤツが居たのを紹介しておこう。
IMG_3538レンタカーだからってめちゃくちゃしすぎだろ。

さて、話は戻り。
ここから家族の家までは辿り着けるのだろうか?

ヒッチハイクは22歳の頃までしていたけれども、
その頃から比べると今は、見かけも大分おっさんになり
ヒゲもモジャモジャだし、怪しさ満点だ。

乗せてくれるのだろうか心配だった。

そんな心配を振り切り、
大きな3車線ある国道に立った。

段ボール一枚を掲げ路上に立つ。

ヒッチハイクでのコツは、
いかに、通りがかりの一瞬の出会いの中で
どれだけ相手に好印象、興味を持ってもらえるかだ。

なるべく、表情はニコやかにする。
気分が乗っていれば、踊るのもよし。
物騒な顔をしていては、乗せる人も不安に思うだろう。

ヒッチハイク開始から30分ほどがたった頃
ようやく一台の綺麗なマークXが停まった。

お、さっそく一台目!!
さっき見かけた様な気がするな…
戻って来てくれたのだろうか?

地面に置いた鞄二つを担ぎ上げて
車に近寄った。

沖縄市方面まで、いいですか??
そう言って乗り込んだ。

運転手は2つほど年下の女の子一人。
しかも、数々ヒッチハイクしてきた経験の中で
史上一の可愛い子だった。

そんな可愛い顔してこんな男を乗せちゃあいかん!!
などと説教をしてやろうかと思ったが。
いやいや、それでは何をしてるこっちゃわからん。

そうして、こんなもっさい男を女一人で乗せれる
肝っ玉座った沖縄ムスメに乗せられ
那覇市から沖縄市へ向かった。

彼女はやはり先ほど通りがかって
どうしようか迷ったけれども
戻って来てくれたそうだ。

しかも、コンビニに寄って
おにぎり2つとミネラルウォーターを
買って来てくれていた。

とても気の利いた優しい子だった。

結局、沖縄市のどこに行きたいかという話になって
自転車を置いている家族の家に行きたいと事情を話すと、
なんとそこまで行ってくれる事になった。

まさか一発で目的地にたどり着けるなんて…!!

夕方までには到着出来たらいいかなと考えていたが
結局、昼の2時半頃、沖縄市の家族宅に到着。

家族はみんな仕事に出ているので
玄関先で帰りを待つ事にした。

家の前に自転車を停めていたので
被せていたシートを取って見てみた。
およそ3ヶ月ぶりの相棒との再会。

チェーンなどが錆びていてガリガリ鳴っていたので
潤滑剤を買いに行ったりと自転車のメンテナンスをして
家族の帰りを待った。

日も暮れて暗くなり
自転車も一通りチェックしたし
玄関先で体操座りするのにも飽きて来た。

おまけに何ヶ所も蚊に刺されてしまった。

今日は遅くなるのかな?
お母さんに連絡すると、仕事中の様で出ない。
お父さんに電話してみると、「今から帰るさー」と
もうそろそろ帰って来るみたいだ。

少しすると
お父さんが息子のあーきーに連絡を入れた様で
近くの居酒屋で後輩と飲んでるから
よかったらこっちにおいでよ!とメールが入ったので
その場に合流させてもらう事にした。

居酒屋に着いて、あーきーの飲み会へ合流すると
泡盛の瓶をボトルで頼んで3人で飲んでいた。

ボトル一本2000円前後なので
これをみんなで飲むと、とても安上がりになる。

島の人達はそんなに稼げないので、
こうした安上がりな飲み方で毎日を楽しんでいる。

泡盛を2本ほど4人で飲んで
後輩の二人は先に代行を呼んで帰って行った。

あーきーと酒を飲み、普段以上に話し込む。
普段聞けないし、言えない家族の話しなどもしてくれた。
もっともっと、この家族に近づけた様な気がした。

この日は朝の4時まで結局飲みっぱなしで
二人ともベロベロになるまで飲んで家に帰った。


10月22日(165日目)

翌日は旅の準備で
もう一泊させてもらう事にして頂いた。

実家に夏服を送り、
冬服を鹿児島の郵便局に届けてもらう連絡をとったりと
着々とやらなければならない事を終わらせ、
出発に向けて準備を整える。

フェリー乗り場まで自転車で行きたかったけれども
お父さんが、どうしてもワシが送ると言って聞かない。
そこに行くまでが、色んな出来事や出会いがあって面白いのだが
これはこれで、沖縄の人情深さ。沖縄らしいじゃないか。

これもその土地を味わうには売って受けの出来事だろう。

ありがたくお父さんに乗せて行ってもらう事にした。

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お父さんは仕事から帰ってくると
いつもご飯を食べずに泡盛を飲み酔っぱらっている。
酔っぱらうと、いつも必ずこう言う。

「良く来てくれたねぇ。ワシの家はなんにもないけど、
寝る所とご飯ぐらいなら出せるから、いつでも来たらいいさ。
でも、身体だけは大事にしてくれよ、」

この言葉は何度聞いた事だろう。

毎晩毎晩、一日に10回以上はこういって、
肩をバシバシ叩いてくる。

その度に、ありがとうお父さん。
そう言って握手をするのがここでの日課。

そんな家族とも明日でお別れか…。
今度は海外に出るのでいつ会えるか分からない。
おじいは酔っぱらって「また来年の夏に来たらいいさ」
と呑気に言っているが、そうもいかないだろう。

自分に何か出来ないかと
お母さんに「肩をもんでくれ」と甘えるおじいに
自分が買って出てマッサージをしてあげる事にした。

普段、左官工事の職人をしている
おじいの肩は凝りに凝っていた。
どれだけ普段頑張っているのか、触ればすぐにわかる。

なるべくほぐしてあげられるようにと、
丁寧に揉みほぐして上げた。

おじいはご機嫌になり、
謎に自分の会社の作業服をプレゼントしてくれた。
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これから寒いからと頂いたが
これを着て走るのはちょっと…(笑)
旅人なのか職人なのか何なのか。。

でも、いざという時の防寒着として
上着だけ頂いておいた。

この家族には昔から世話になりっぱなしだけども
顔を見せにくると、嫌な顔一つせずに
むしろ喜んでもらえる。

帰ってくるべき場所の様な
そんな感覚で思えるこの家族がいる事が
自分にとっての財産だと思う。
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いよいよ翌日、この家も旅立つ時が近づいていた。


10月23日(166日目)

昼頃、おじいが仕事を早く切り上げて
トラックに自転車を乗せ、
犬のチャップも連れてフェリー乗り場へ向かった。

翌日の朝に船が出るので
今夜は本部のフェリー乗り場で野宿。

長距離移動すると、箸も持てなくなるほど
しびれる手に悩まされていたので
自転車のハンドルの位置を変えたり、
ブレーキパットはすり減り具合は大丈夫か
機具を分解してチェック。

荷台のタイヤも小さな穴が空いていた様なので
パンク修理を済ませておく。

さぁ準備は万端だ。

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10月24日(167日目)

段々と小さくなる沖縄本島を背に
船は進んでいた。

何から何まで
あの家族にはお世話になりっぱなしだった。
この家族とは一生の付き合いになるだろう。
また、恩返しをしなければ。

そんな事を考えながら
2等席の狭いベットで仰向けにくつろいでいた。
船は24時間かけて鹿児島に向かう。

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鹿児島からの船では自転車2台分の賃金を取られたが
さすがに沖縄。チェックが甘い。
今回は自転車1台分の値段で船に乗せる事が出来た。

また、新たな旅が始まる。
心配なのは本土についてからの寒さだ。

さぁて、どんな旅になるのか
そろそろ休憩を終えて、本番の始まりだ。

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白い船跡が続く果てには
いつの間にか
沖縄本島は見えなくなってしまっていた。

「石垣島 後編」10月4日〜20日(147〜163日目)

色んな事があった石垣島。
一ヶ月が過ぎ、早くもこの島を出る日が近づいていた。
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10月4日から13日までは、
仕事のラストスパートだった。

なんせ5万円以上も入った財布を
落としてしまっているのだから、もう大変だ。

稼ぎに来たつもりが、飛んだ誤算をやらかしてしまった…。

10月20日に焼き肉屋の最後の仕事を終え
その翌日にBarでの仕事も終えた。

焼肉オリオンの方々には、最終日に
仕事を終わってから送別会をして頂き
2度もリバースするほど飲ませていただきました。

楽しかったです!

心に残る一夜を
ありがとうございました!!

仕事でお世話になった方々には
おっちょこちょいな性格から
迷惑をかける事も多々あり反省することも多かった。

Barではうっかり酒の入った瓶を割ってしまい
焼き肉屋では焼肉のタレを渡さず
お客さんに最後まで食事させてしまったりと…

今、思い返せば
自分でも思ってもいないことだけども、
いつもここまでの5ヶ月の道程で出会った方達には
「凄いね」「偉いね」などと、一見して見ると思ってしまう褒め言葉で
ほめられては来ていた。

けれども、付き合う期間が長く、深い付き合いに至ってくると、
そんな一瞬の見た目の話ではなく
自分と言う一人の人間の内面を見てくれて、
「お前はまだまだだ!!」と
心から言ってくれたりする方々に出会えた事が嬉しかった。
それと共に認められない情けない自分に悔しさを覚えた。

自分は完璧な人間ではな無いとは
もちろん分かってはいたけれども、
ユルくなりすぎていたのかもしれない。

まだまだ、まだまだ余白はある。
何か大きな事をやろうとしてるからって、
それに満足してしまってはいけない。

満足するのは「やってから」
そして、やるまでに「そこで何を成すか」

そんなふとした事に気付かせてくれた事に
感謝の気持ちで一杯です。

なぜこんな旅をしているか。
その自分の旅の原点とは
「自分にもっともっと色んな経験をさせて
成長したかった。」

そんな16歳の時に抱いた想いから
この物語は始まり、そして今に至っている。

もちろん、新しい景色や自然も、キャンプも好きだし
そんな目的もあるけれども、きっかけは「そこ」だった。

そんな原点を忘れかけてしまっていた様な気がする。

この真夏の島タイムで
少し気が緩んでしまっていたのか。

「原点」について改めて気付かされた島だった。

そんな事に気付けたのも
ある日、店長のチャッピーさんが
こんな話をしてくれたからだった。

「昔に聞いたかテレビで見たかした話しなんだけどね
『チカラ』について思っている事があるんよ。
って言うのは、例えばさ。
このバックを持ち上げられないとするよね?
それは、ほんと簡単な話でさ、それは単に『チカラ』がないわけ。
でも「力をつけると」持ち上げられるでしょ?
だから、自分の事に関してもさ
何かを出来ない。と言うのは
自分のその事に関しての力不足だと思うんだ。
だから昔から俺はいろんな事に関して
色んなチカラをつけて来ているつもりでいるね。」

腕力などではない、色んな「チカラ」に関しての話しだった。
精神力、行動力、忍耐力、判断力、経済力、何にしても言える事だ。

そんな話をふと聞いて
チカラを付けようとした過去を、
原点を思い出せました。

宿も、自転車も、もう二つの仕事を見つけて下さったのも
風邪をひいた時も、財布を落とした時も、
いつの時も助けの手を差し伸べてくれたのはチャッピーさんでした。

チャッピーさん、色々何から何まで、
本当にお世話になりました!!

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焼肉オリオン、ブルーラグーンの方々も
本当にお世話になりました。

またいつか石垣へ帰りたいと思います。
その時まで、皆さん変わらず、お元気で!!


10月14日(157日目)

この日は、航空チケットをプレゼントした彼女が
石垣島へ来る日だった。

普段そばに居てあげられなくて
何もして上げられてないかもしれないけども
少しでもこの旅の生活の中ででも
横に居てあげられる時間を作りたい。

そして、何よりも自分自身も横に居たいと思う。
愛している人と、やりたい事が不釣り合いな状況なのが
悩みの種だ。

チャッピーさんに車を貸して頂いてから
空港まで迎えに行く。

座間味島から一ヶ月半ぶりの再会。

初日は日本最南端の波照間島へ船で渡り
一泊二日で石垣島に帰って来て
残りのあと2泊を石垣島で過ごす予定。

昼過ぎの船の便まで時間が空いていたので
石垣島の鍾乳洞へドライブがてらに向かってみた。

入場料は1000円ちょっとかかる。

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入り口の左側に何故だか
きんさんぎんさんが来園した記念が記されていた。
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そこからすぐにある入り口に入ると
オオゴマダラの金色のさなぎが観賞用に飾ってあった。

見て分かる様に本当に金色に輝く綺麗なさなぎだ。
DSC_0257.JPG鍾乳洞の全長は3,2kmあるらしく
その中の660mを公開している。

660mでも鍾乳洞の中では
結構長い方ではないだろうか。

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上から下がっているのが鍾乳石。

下から突き出て見えるのが石筍(せきじゅん)だ。

鍾乳石が1cm伸びるのに70年〜100年かかると言われる。
地形や大きさ、太さに寄っては300年や何万年もかかると言う説もある。

石筍の成長は鍾乳石より時間がかかるとされている。

何万年もの時間をかけて
一滴の水滴の積み重ねから作られるその光景は
写真では伝えきれないほどのスケールだ。
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少し残念だと思ったのは
せっかくの素晴らしい場所なのに
ライトアップが地味過ぎな場所があったり、
説明書きがとても『雑』な事だった。

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ここからしゅーっと来てこうなるさぁ。

そんな島人の陽気な声が聞こえてきそうな絵説明。
横の写真も、古くて湿気にやられて、何が何だかわからない。

これはこれで、面白い視点から見ると
雑で斬新なツッコミどころ満載の鍾乳洞だった。

けれども、クオリティーの割にしては少し高い。

鍾乳洞を出てからは、
近くの展望台に上がってみたり
石垣の街に出てカフェに行ったりして
船までの時間を過ごした。

台風19号が2日前に過ぎ去った後の船便で
前日まではすべて欠航だったけども
この日は何とか動いてくれた。

波照間島までの船旅は
今までの船のどれよりも揺れた。

高速船なので揺れたと言うより
飛んだに近い。

大きな波の頂点から
ぐ〜っと波の底辺まで落ちる時には
宙に浮いた様な感覚で
お腹の下が痒くなる。

いわゆるチンサム

それが連続で来るもんだから
もう、チンサムになる度に
おぉぉ〜と声を上げて笑っていた。

ある意味アトラクション。

この海域は荒れる事が多いらしく
良く欠航になるそうだ。

船から降りて凄かったねーと話していると
島人同士の話では「今日はまだマシだったさ」
「エンジンも切らんでスムーズだった」などと聞こえる。

驚いた。
まだあれ以上の荒波を船で行く事があるなんて…
エンジンを切る?!どうゆう事だ。

何にせよ、今日の船はまだマシだったみたいだ。

港に着くと予約していた宿の人が
車で迎えに来てくれていた。

この島には街など無く、集落があり
小さな商店が3つほどあるだけの、のーんびりした島だ。

石灰岩を積んだ石垣の壁に挟まれた
沖縄地方らしい集落の小道を進んで宿までゆく。

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宿は民宿ではなく
プレハブ小屋の一棟個室を借りていた。

民宿などに泊まれば
宿泊者や、そこを営むオバァやオジィなどと
商店で買って来た物を持ち寄って
みんなで「ゆんたく」をするのが一般的な楽しみ方。

ゆんたくとは、「おしゃべり」と言う意味だ。

ここでは、個室なのであまりそういった事は無い。
彼女に久々に会って、積もり積もった話があるのに
他の人と話しをしている場合ではない。

なんてったって3日間だけの時間なのだ。

Barで働いている時に
ここの宿へ毎年来る方が居て
人とおしゃべりせずにゆっくり出来る場所だと
聞いていたのでここを予約した。

波照間の宿『美波』

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すでに夕方4時頃だったので
さすがに涼しい風が吹くこの時間は
海に泳ぎに行く事はできない。

電動自転車を借りて、日没まで
波照間島の中をサイクリングに出掛けた。
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この島では
突拍子もない場所にヤギが飼われている。

空き地、サトウキビ畑がおおい茂る端、
小道に繫がれたヤギも居れば、
林の中で紐が木に絡まって
動けなくなってしまっている様な
ヘンピな場所に飼われたヤギも見かけた。

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気ままに自転車を走らせ
地元の人しかいかなさそうな
誰もいない海辺へ行って見たり。
IMG_3480.JPG夕日を見ようとしたけども
生憎の雲で隠れてしまって見えなかった。
それを確かめてから宿へ戻った。

近くの小さな商店で
ビールや惣菜などのご飯を買い
宿に帰ってから乾杯。

波照間島は星が綺麗だと
石垣に住む人達からの評判を良く聞いていたので
宿で星が出て来る時間まで待った。

夜9時頃
彼女は、朝からの旅の疲れが
溜まっていたのか寝てしまっていた。

こっそり起こさない様に外へ出て星を確認。
雲一つ見えない満点の星空だった。

よし、コレなら大丈夫だろうと
午前2時頃の星の量がピークになる時間帯まで待つ事にした。

昨日から仕事の関係で
一睡もしていなかったけれども
ここまで来たら、もう意地でも起きておかないと。

うとうとしながら、その時を待つ。

寝落ちしていた彼女も起きて
自分の眠気もピークになったので
12時頃に星を見に行く事にした。

外に出て、暗い田んぼ道を走り
集落の光も見えない場所まで行くと
そこには満点の星空が…

ないっ!!!!

えぇーーーーーーーーー!!!

うそだろ?!?!?

うっそみたいに雲ばっか。

さっきの星空はどこへ行ったのやら…とほほ。

絶好のタイミングを逃してしまった様だ。

残念無念。

島の天気は
どうなるか分からないもんだ。

仕方なく帰って
彼女と銀河系一の熱い夜を過ごす事にし、
星空に負けぬ程の愛の言葉の数々を…以下省略。


10月15日(158日目)

宇宙一熱い夜を過ごした俺達は
ぽってぽてに火照った身体を冷やす為に
海に出た。

DSC01763.JPG二人ともおっちょこちょいなので
南の島の必需品とも言える水着を
キッチリ忘れて来ている。

昨日には、お前まじかよ。信じられねーと
言っていた自分までも
持ってくるのを忘れてしまった。

仕方なく二人とも短パンで海へ。

石垣島よりも透明度が良く
もちろん、珊瑚なども多く見られる。

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DSC01792.JPG
DSC01791.JPGDSC01819.JPG

座間味島、石垣島よりも
珊瑚の種類は多く、そして広範囲に広がっていた。

砂地の白と青だけの世界も広がり
他の島の海とはまた違った感じを味わえる。
DSC01825.JPGよーく見ると、中央にウミガメが泳いでいる。

お!また会えた。
ちょっと写真だけ撮らせてもらおうと
近寄って撮影。

座間味島のウミガメは人に馴れていて
見つけられても逃げないが
このウミガメはこちらに気付くと
すぐに逃げようとしていた。
DSC01831.JPG逃げているつもりだろうけど
悠々と海の中をゆっくり泳ぐ亀は大らかな動きで
いつ見ても癒される。

1時間ほどの水中散歩を満喫。
海から上がると気温は低く
涼しい強い風がさらに寒く感じさせられる。

晴れてはいるが、日本最南端の島でも
海水浴シーズンとは言えない季節になってきていた。

一度宿に帰ってシャワーを浴び
今度は座間味島の最南端まで自転車を走らせた。

DSC_0302.JPG島のほぼ中央部に位置する集落から
何も無い田舎道を15分ほど走ると
最南端記念記念碑がある。
DSC_0318.JPGDSC_0312.JPGここが日本最南端。

6年前のヒッチハイク旅の最終目的地。

その当時は資金が尽きて沖縄までとなってしまい
ここへの想いを残したまま帰宅した念願の地。

ここから鹿児島県より
フィリピンや台湾の方が遥かに近い
日本の最果ての地。

ここから一気に北海道か…
そんな想いがふとよぎった。

常夏からマイナス20度の真冬へ。
体調を崩さないだろうか…(笑)

最南端を後にしてから船に乗るまでの間、
宿近くにある古民家を改装して作った
感じのいいカフェに立ち寄った。

DSC01856.JPGDSC01866

波照間島で作られている泡盛の「泡波」が
なかなか手に入らない代物らしく、
一杯売りであったのでそれも注文。

沖縄の方では
泡盛のコーヒー割りと言うのがあって
泡盛の水割りにコーヒーを少し入れる飲み方がある。

これがまた泡盛独特の臭さを
程よく消してくれて飲みやすい。
DSC01858.JPGDSC01863.JPG人懐っこいモフモフのネコちゃんも居て
ネコ好きの彼女にとってはたまらない場所だった。

(ちなみに、どうでもいい話しだけど
ネコも全然好きだけど、自分は犬派だ。)

夕方の便で石垣へ戻った。
船の揺れは行きよりも全然落ち着いていて
安心して乗る事が出来た。

石垣島へ帰ってからは
お世話になった焼き肉屋のオーナーさんが居る
もう一つの店舗「島うし」で食事をしてから

石垣島の宿で仲良くなったさとやんと
Barのスタッフのえみこちゃんを紹介して
4人で酒を飲んだ。
IMG_3550.JPGさとやんは以前に紹介した毎年ニセコへ行く彼だ。
同じく前歯が無く、髪型も長髪で被っていて
自分もニセコに行くので意気投合した。
IMG_3387えみこねーさんは仕事先で出会い
元々、あちこちを旅した旅人で
何かと気が合った。
酒を飲むともう暴走が止まらない。
人様に迷惑をかける酒酔いではないので
酒の場での必須アイテム酒乱ムードーメーカーだ。

この日は日本酒をガンガン飲み
酔っぱらってしまって
彼女と口論になって周りに心配や迷惑をかけてしまったが
結局、仲直りして熱い夜を…以下省略。

お騒がせしました。


10月16日(159日目)

彼女が石垣に滞在出来る最終日。
翌日の朝一で飛行機で神戸に帰ってしまう。

この日は、またBar店長のチャッピーさんに車を貸して頂いて
石垣島を気ままに一周ドライブ。

車を借りてから
まずは商店に入った。

石垣島へ来て3週間ほどした頃
初めて知った事が石垣島のB級グルメがある。
『オニササ』と呼ばれる食べ物で
それは商店で買えるらしい。

なんでも、惣菜コーナーに
色んなふりかけのおにぎりがあって一つ選び出し、
様々な揚げ物を売っている中からささみのフライをとって
タッパにではなく、ビニール袋に入れて購入。

それを一つの袋の中でささみの形に
おにぎりをぺったんこに伸ばして
寿司の容量で食べるんだそうだ。

IMG_3440.JPGIMG_3497.jpg一度食べた事があって
自慢げに彼女に教えてあげた。

それを食べながらまずは石垣島の最北端を目指した。
DSC_0342.JPGDSC_0330.JPG岬になっている最北端は
見晴らしがよくて綺麗な海の景色が見られた。
DSC_0329.JPGDSC_0336.JPG

ここを出る時、
駐車場でバイクで日本一周をしている人に出会った。

日本一周中の看板を付けていたので
思わず話しかけた。

静岡だったか、そこあたりを出発してから
55日目にしてもう北海道を周って石垣へ来たそうだ。

スムーズに動ける旅も羨ましく感じる。

移動方法に寄って、出会う人もまた違う。
経験する事も、行ける場所も違う。

どれを選択しても、何を経験したとしても
結果的には「いい思い出」になる事は間違いないだろう。

お気をつけて!そう言ってまた、車に乗り込んだ。
最北端は東の岬の果てだったので
今度は一周する様に西の方角へ周る。

カラフルでユニークなシーサーが置かれている所などに
立ち寄ってみたりしながらぐるっとドライブ。
IMG_3498.JPG海に沈む夕日を見たくて
島の西側のいいスポットを探していたが
残難ながら何処も西表島に隠れてしまうので断念。

晩ご飯は今日も焼肉。
昨晩はオーナーのお店だったけども
今夜は働いていた「焼肉オリオン」

仕事中は中々シーズン中は忙しくて
写真などを撮れなかったので
記念に撮らせてもらった。
DSC_0345.JPG真ん中がいっつも冗談を言ってふざけている
ムードメーカーの店長のアツシさん。

この写真も、ウケ狙いできっとふざけている。
こんな気を付けの体制は普段まったく見た事がない。

右の方は幼なじみの優しいヒトシさん
自分を含め3人とも同じ兵庫県出身だ。

二人ともガッチリした体格で
焼き肉屋がよく似合う。

それからお世話になったBarへ移動。

連日のお酒で、二人とも弱っていた為に
お酒も程々にして、寮に帰って熱…以下省略。


10月17日(160日目)

とうとう、彼女が帰ってしまう日が来た。

朝起きて、彼女を見送りに空港へ。

空港でコーヒーを飲んで
またしばしお別れの時が
刻、一刻とタイムリミットを刻む。

フライト20分前に搭乗ゲートをくぐって行った。
最後の最後まで極力、見届けれる様にと
荷物検査をしている間に少し移動。

荷物検査を終えて、さっきまで自分が居た位置を
探す彼女が見えた。

こっちこっち!と手を振ったが
気付かずに去って行ってしまった。

あれ、居ない。と感じた寂しさの顔の中に
でも、また会えるか。そう理解してくれた顔に見えた。

そんな風に見えて一安心。

大きく深呼吸してから、
さっきまで握っていた行き場を無くした左手を
ポケットに突っ込んで一人寂しくトボトボと空港内を歩いた。

石垣島滞在はあと4日間。

21日に航空券を買ってある。

さて、八重山諸島に思い残す事が無い様に
行きたい場所へ行くとしようか。

寮へ戻り、荷物を大急ぎでまとめて
弁当まで見繕ってフェリー乗り場へ向かった。

1時過ぎの西表島へのチケットを買い
人気の無い船乗り場の端の海辺が見えるベンチを見つけ船を待つ。

少しすると、老犬を連れた老人が横に座った。

優しそうな性格の顔立ちの犬は
お座りして飼い主の顔を幾度となく見上げていた。
よっぽど、この飼い主の事が好きなんだろう。

昔から犬が好きで、無性に撫でてやりたくなり
触って見る事にした。

オジイに優しい顔立ちでかわいいですね。と言うと。

「あぁ、そうかい?この子は昔捨てられてたさ。
生まれてから、拾うまではこの子が
どんな風に生きてたかわからんけど、
それからは10年以上もずーっと一緒さ。

怖い目にあったかも知れんが、わからんさ。
でも10年以上も、それからは一緒に暮らしたさ。
でも、もうこの子も歳で心臓が弱くなってきたみたいで
さっき病院に行って来たさ。
そしたら薬が8千円ほどもしたさね。ははは」

そう言って可愛がっている犬の話を
嬉しそうにしてくれた。

西表島に住んでいるらしく
どうやら同じ船に乗るみたいだ。

そうも話しをしている内に船が人を乗せ始めた。

では、また後で。
そう言って立ち去り船内に乗り込んだ。

人が80人ほど乗れる船内には
半分強の乗車率でまだ余裕がある。

窓側に座り西表島へ渡った。

島は石垣島とほぼ変わらない広さだが
集落や道路で開拓された場所は
東側から北、西側の海辺だけ。

おそらく島の9割ほどが
手つかずの山と森で、自然が多く残る島だ。

IMG_3509.JPG島中央北側の上原港に行きたかったが
シーズンを過ぎて乗せる人が少ないからか
その便は欠航になっていた。

この船は東側の大原行き。

その代わり、上原行きのチケットを買うと
東側の大原港に着いてからバスで北側の上原まで
無料の送迎バスで送ってくれるらしい。

島を半分バスでどんな町並みなのかを
観光出来ると思えば
直接行くより見所満載の一石二鳥だ。

島に到着して
窓側に座るため一目散でバスを探し乗り込んだ。

マイクロバスの先頭の一名席へ座った。

アップダウンが続く緑が多く見える道を
40分かけて上原までゆっくりとバスは移動。

途中に他の島ではあまり見られない
横幅が150mほどの広い河などが見られ、両脇には
マングローブがびっしりと覆い尽くしていた。

その後ろに手つかずの濃い緑の山々がそそり立ち
屋久島に似た様な、神々しい
幻想的な雰囲気がある島だと感じさせられる。

やがて、上原に到着しそうになった頃、
運転手のおじぃが
「上原から先はどこで降りたいか言って下さいね。」と
乗客の30人弱に言った。

そういえば…
どこに行くかまだはっきり決めていなかったな。

その先までもタダで行ってくれるなら
行ける所まで行こうか…。

乗客は「白浜まで!」「○○まで」「○○牧場まで」「○○荘まで」と
次々に目的地を告げる。

フェリー乗り場で入手した地図を見ると
西側まで道路があり、一番向こう側の村の名前に
白浜の文字が見えた。

白浜からはフェリーが出ていて
船でしか辿り着けない集落までいける。

その奥地の集落は船浮と言い
そう言えば、さとやんがいつの日か
「西表に行くなら、船浮がいいよ」と
言っていたのを思い出した。

船でしか渡れない、人里離れた西表の果ての集落。

よし、そこにしよう。
食料も弁当を作って来たし、テントも持ってるし、
どんな所なのか分からないが何とかなるだろう。

白浜の名前は出ていたので
そのまま無言で窓の外を眺め、
道路がある限りの西の果てまでバスで向かった。

到着すると、乗客は自分と
釣り具を持ったもう一人のおじさんだけだった。

フェリー乗り場にも人影が見えず
どんな所なのかと期待に胸を膨らませた。

IMG_3512.JPG

またもや船に乗り
20分ほどかけて船浮までの船旅。
DSC_0259.JPG

乗客はやはり、さきほどのおじさんと自分の二人だけ。

ビーチくらいしか無いので
あまり観光客は行かないのかもしれない。

目的の集落へ到着。
100mプールに収まってしまうほどの
小さな小さな集落だった。

船乗り場から海沿いに100mほどの道があり
数件の民宿と2件の御飯屋があるだけの集落。
DSC_0260.JPGDSC_0537.JPG村を少し見てから
ビーチに向かってみる事にした。

800mほどの山道を抜けると
ビーチへ出られた。

DSC_0264.JPG

DSC_0521.JPG

ビーチにはスノーケリングしている人が3人ほどと
海岸で2人の外国人カップルがゆっくりしているだけだった。

何とかキャンプも出来そうだし
寝床はここにするとしよう。

八重山諸島は基本的にはキャンプ禁止で
怒られたりしないか心配だったが大丈夫だった。

テントを張っている時に村人に話しかけられたが
注意される様子もなかった。

ゴミも必ず出さないし
今回は火も使わない。

迷惑は一切かけるつもりはない。

自然に包まれ、静かな気持ちになりたいだけだ。

浜辺に座り
さざ波の小さな波音を聞きながら
何をしようと考える。

でも、こんな人里離れた島の
海と砂浜があるだけの場所で一人でする事なんてない。

何にもしなくていいのだ。

徐々に。徐々に、静かな気持ちになり
色んな事を考える事を辞めていった。

1時間ほど波打ち際で寝転んでうたた寝をする。

起き上がってみると
その浜辺には誰もいなくなって
波の音だけが響いていた。

座って海の先をぼーっと眺めていると
ちょこちょこと小さなヤドカリ達が
せっせと移動している。DSC_0280.JPG

ヤドカリ同士が出会すと
大きさを確かめて
相手の貝が気になれば、奪ってしまおうと
相手を引きずり出そうとする。

狙われたヤドカリはせっせと逃げる。

そんなやり取りをぼーっと見ていると
夕暮れになった。

この場所も、夕日は山に落ちてしまう場所だったのが残念だ。

明るいうちに弁当を食べてしまい
暗くなる直前にテントを建てて早めに就寝する事にした。

夜は海風が絶え間なく吹いて冷え込み、
半袖半ズボンではさすがに寒かった。

バスタオルを布団にして足に掛け、着替えのTシャツを片腕に通す。
もう片方はハンドタオルを巻いて肌が出ない様に工夫。
身の回りにあるもので、なんとか寒さを凌いだ夜だった。


10月18日(161日目)

西表には唯一、一つだけ行きたい場所があった。

『裸のおっちゃんが住む無人島』

石垣周辺に住む人達は
ほとんどこの人の存在を知っている。
テレビをあまり見ないので分からないが、
めちゃイケなどでテレビに出たとかいう有名人。

20年ほどその無人島で暮らす爺さん。
そんな自由かつ極限の世界に住む爺さんとは
一体どんな人だろうと、会いに行きたく思った。

だが、どこの何と言う島なのかは
石垣の噂で知っている人達には分からずだった。

分かるのは西表島周辺の無人島と云う事だけ。

何にせよ、定期船なんて出ていないので
船をどこかしらでチャーターしなければ
その無人島へは辿り着けない。

朝、誰もいない砂浜で起床。
無人島へ行く方法と食料を調達しに
集落の方へと戻った。

 商店は一つもないので
島料理かカレー屋でしか食べ物はなさそうだ。

イノシシカレーの幟看板に誘われて
カレー屋へ入った。
DSC_0535.JPG庭先の外で食べられる様だ。

イノシシカレーを店を営むお母さんに注文して
横に座っていた旦那さんがカメラマンの夫婦と
少し話しをする。

自転車で日本一周中の事を話すと
自然に話しも広がる。

カレー屋のお母さんも昔はあちらこちら旅をし
北海道へも行った事があるそうで、
コレから目指すのは北海道だと話していると会話も弾んだ。

記念にステッカーを渡すと
「じゃあ私も何かサービスするわ」と言って
コーヒーを頂いた。

お話が好きな人懐っこいお母さんが
西表を舞台にした面白い本などを見せてくれ
それをコーヒーを飲みながら見ていた。
DSC_0541.JPG

ここで情報収集しておこうとふと思い、
裸の爺さんの島について聞いてみた。

島の名前は「奥パナリ島」(奥離れ島)
船浮からすぐに行ける距離に
その無人島はあるとわかった。

どうやって行く事が出来るのか聞いてみると
ウチの主人が船を持っているから
それで行ったらいい。と、
思ってもいない言葉が返って来た。

無人島に行ける!!

そしてもう一つの問題。
食料

この島に商店はあるかと聞いても
やっぱり無い。

どうしよう、食料を持たずに
無人島に行くなんて自殺行為だ。

相談した結果、おにぎり3つほど握ってもらって
弁当として300円で作ってもらえる事になった。
IMG_3518.JPG

夜は冷えるからと
ジャンパーと、布団代わりに大きなバスタオル、
見せてもらっている本までも、親切に貸して頂いた。

朝一に立ち寄ったカレー屋で、
すべて準備は整った。

お昼から旦那さんがその島へ送り届けてくれるそうだ。

それまでゆっくり本を読み
何故か裸の爺さんに会える事を喜んでいた。

いざ、船に乗り込み出発!
って小っさっ!!

今旅、9回船に乗ってきた中で最小。

DSC_0542.JPG

リアス式海岸の入り江を突き進み
両脇に切り立った大きな山がゆっくり動く。
探検家の気分になったみたいだ。

船浮から15分ほどで島が見えて来た。
DSC_0545.JPGDSC_0549.JPG大きなジャングルの島の果てに。
あの小さな浜に、爺さんが住んでいるそうだ。

近づいて見ると何やら
服を着た先客が3人ほど浜辺に座っている。

あれれ…?

爺さんと二人きりの
シチュエーションを想像して来たのだけども
先客がいるとは思わなかった…

誰もいなければ、自分も裸になって
生活しようと思っていたのに…。

噂では、おじさんに会うと
「お前も裸になれ!」と言われるらしいのだが、
これじゃあ何だか恥ずかしい。

船の先端を軽くザザっと乗り上げて
リュックを担ぎ砂浜に飛び降りて上陸。

居た!!
本当にいたー!

裸のおじさんが近づいて来た。
帽子とタオルを首に巻いている以外
何も着ていない。

日焼けで肌はテッカテカになり
昆虫の様な質感の照りを放っている。

今日から一泊だけお世話になります。
この浜でキャンプしてもいいですか?

そう聞くと、気難しそうな顔で
眉毛をクネクネさせながら「こっちについて来な。」と
浜から上がった雑木林へ招いてくれた。
DSC_0551.JPGIMG_3517.jpg

名前は長崎さん。

長崎さんに案内され、林の中に入ると
細い緑のトンネルの道へ案内してくれて
4〜5人用のテントと2〜3人用のテントが貼られている。

「今、こっち(4〜5人用)はあの3人が泊まってるから
あんたは、こっちで寝たらええよ。」と
宿泊場みたいな場所まで作ってある。

ここへ来た人が置いて行った物らしく
民宿裸のおっちゃん(勝手に命名)を営んでいるそうだ。
中には暖かそうな綺麗な寝袋もあり、
ありがたく借りさせてもらう事にした。

道は砂浜沿いに横へ30mほど通っていて
そのキャンプサイトからおじさんの家は繋がっている。
DSC_0587.JPGDSC_0589.JPG台風が来た時用に避難小屋まで用意してある。

DSC01871.JPGDSC01872.JPG

おじさんの家から浜までの道には
色んな人が置いて行ったであろう物が置いてあり
水中眼鏡やモリなども数種類に釣り竿も何本もある。

おじさんと、もっと喋りたかったが
部屋にこもってしまった。

テントサイトに戻り
先客3人の方達と少し話をしてみる。

3人のおじさん達は異色の経歴の組み合わせだった。

長い間色んな所を旅して石垣に今住み着いている方と
石垣のお医者さん。ヨルダン在住の日本人のおじさん達。

昔、そのうちの2人が
海外で出会った事がきっかけで
集まっているそうだ。

コーヒーをご馳走になって話をしていたら、
「おじさんは普段肉を食べていないから
今日の夕方BBQをして食べさせてあげようと思ってるんだけど
キミも参加したらいいじゃないか。」とみなさんに誘って頂いた。

おにぎり3つしか持っていないので
さっき見かけたモリを借りて
自給自足をしてみようと思いついた。

ご馳走になる3人にも大物を穫って
お返し出来たら上出来だ。

早速おじさんに声を掛けて道具を借り、海に出た。
DSC01873.JPG小さめな魚ならいくらでも穫れるが
この島では食べる分だけしか穫ってはならない。
というルールがあるらしい事を
さっきのアフガン在住の方に教えて貰った。

大物を狙うがフィン(足ひれ)が無いので
思う様に近づけず、すぐに逃げられてしまう。

1時間ほど格闘したが身体が冷えて
寒くなって来た。

一度、浜辺で身体を乾かして日光で暖まっていると
また、無人島に小っさ!!な船が近づいて
一人上陸した様で、おっちゃんに「アイツと遊んで来い」と
言われてモリと水中メガネを持って来ている。

30歳のお兄さんだったが
無人島に食料も持たず、テントも持たず、
何も持たずに来たそうだ。

一日だけだと言ってるけども無謀すぎる。
海が荒れてしまったら、
船が迎えに来れなくなったら、どうするんだろうか?

「お兄さんは寂しくないんですか?僕、寂しがりやで…」
と話しかけてくる。

しらんがな!!じゃあ何で無人島に来た!(笑)

言わなかったがそう思いつつ。
身体も温まって来た頃なので、
もう一度、大物を狙って海に出た。

結果…

DSC01877.JPG

30cmほどの大物ゲット!!

目が大きくキョロキョロして可愛い…
可哀想なことをしてしまったかな、

しかし、ところで
ハリセンボンは食べられるのだろうか…?

浜に帰ると、ちょうどBBQの準備で
直焚きで、火を焚いている所だった。

裸のおっちゃんに
ハリセンボンは食べれるのか聞いてみると、
「食べられる。この炭の上で丸焼きにしたら
中が蒸されて美味しく食えるぞ。」と、さすが仙人。
島周辺の食べ物については把握済みの様だ。

ハリセンボンを炭の上に置くと
爺さんは「うわ、かわいそ。」と呟いた。

アンタも食った事あるんだろうが!!

けれども、その一言で分かる様に
相手の気持ちが分かる、優しい心の持ち主らしい。

DSC01878.JPG(写真は逆行でギリギリセーフ??)

日も暮れて来て
空と海が徐々に染まり始めた頃にBBQ開始。

DSC_0557.JPGDSC01880.JPGって服着てるじゃん!!

さすがにこの時期は寒いようだ。

長袖のちょっと洒落たネルシャツを上着に纏い
下はポン

肉の焼け具合も気になるが
ぶら下がっている息子も気になる。

日本酒まで頂いて
お肉も少し分けて頂いた。

じゃり、じゃり、じゃり。

砂だらけになっちゃってる。

風邪が強くて、直炊きのBBQは
砂だらけになっちゃっている。

タマネギも頂く。
シャリシャリ、じゃり、じゃり、じゃり。
うん、新しい食感。って砂ーーーッ!!

でもここは無人島。
なにも無い極限の世界なのだ。

食べ物に砂が付いているくらいで
文句を言う人もいない。
捨てるなんて事ももちろんしない。

そうだ。
さっき食べかけてた、おにぎりを食べよう。
日本酒を貰った時に足下に置いたおにぎりを…
くそ…これもか…。。。

こんなに大量にを一度に食べたのは
人生の中でも今日を上回る日は無いだろう。

でも、ここはそんな事は言ってられない無人島なのだ。

ハリセンボンも焼けてきた部分から食べてみる。
魚の皮を箸で(そこらへんの枝2本)
つついて食してみた。

フグに似た白身の淡白な味で食感も似てる。
調理する時に皮を剥ぐのが大変だが味はフグと変わらない。
大きな獲物だったので食べられる所も身が多かった。

食料を持って来ていない彼にも
テントで寝ていたので起こして食べさせて上げた。

満足満足。
「ごちそうさま。お休み。」スタスタスタ…
えっ?!おっちゃん?

寝た。

コレから焚き木を焚いて
人生とは、自然とは、とか
何年前にここに来て…何でここに来たんだとか…。
そんなのないの?!?!

…がっくり。。

おじさんは電気をなるべく使わない様に
日の出ているうちにすべてを終えて寝るそうだ。

電気をつけた時に、寄ってくる虫が嫌いらしい。(笑)

なんだよそれー。残念だ。。。

明日の朝9時に迎えが来る事になっていたので
今夜がラストチャンスだったが仕方ない。
もう、無人島の夜を満喫するしか無かった。

DSC_0566.JPG

食事も済んで4人はテントへ戻り
浜辺に一人だけの時間が訪れた。

焚き木をしてハリセンボンの食べ殻を焼き切る。
火が弱くなっては、薪となる流木を探しに行った。

DSC_0580.JPG

頭上に広がる星空の下。
ゆらゆら燃える火を眺めながら
ここで20年間も暮らす爺さんを思った。

最近でこそ、有名になって人が訪れてくるが
初めた当初の生活では全く人など
この島には誰も来なかったはずだ。

たった一人きりでこの島で生活する気持ちは
たった一人の時間で満たされるほどの時間を
そこで過さなければ分からないのだろう。

静かな、静かな浜辺だった。
野外生活二日目。
徐々にもっと静かな気持ちになる。

仕事に追われた1ヶ月半の疲れを癒す事が出来た。

爺さんは姉に月一万円の仕送りを貰って
それだけで生活しているらしい。

聞いた話しでは、
村に米などを調達しに来る際は
服を着ているのだそうだ。

3馬力以下なら免許無しでも乗れる
小型の船も緊急用としてあるみたいで、
最悪の場合は島を出る事が出来る様にしてあった。

けれども近頃、爺さんは有名になり過ぎて
地主が怒って来月にはその無人島を
出なければならない事態に追い込まれている。

昼に3人組の方々に聞いた話しだったが
次の行き先は聞いていない。
けれども、「引っ越しをする」と言っていた。

爺さんは、また静かな所へ身を置くのだろう。

テントへ戻り、少し本を呼んで
12時前に寝る事にした。


10月19日(162日目)

約束通り9時頃に迎えが来た。
船にリュックを投げ込み飛び乗った。

さよなら爺さん。

って、おらんし。

見送りもナシに無人島を後にした。

DSC_0544.JPG

帰りは船浮まで戻らずに、
北東部の白浜の方まで送ってくれる事になっていた。

そこから行きでも乗ってきた
無料の送迎バスに乗り込んで上原まで戻る。

さぁ、これからどうしようか。。

西表の北側(上原)から
鳩間島と言う島があり、そこもいいと聞いていたので
そこの島へ行くかどうか悩む。

なにも無くて良い島らしいけども
何も無い極限の島に宿泊した直後には
あまり魅力的には感じられない。

鳩間島で宿をやっている
よしあきと言う同じ名前の面白い人もいるらしいが
宿泊費も少々かかる。

出費も抑えなければならないし
もう満足だ。石垣島へ帰ろう。

鳩間島の船ではなく
石垣島への船に乗り込んで
二泊三日の西表島放浪を終えたのだった。

石垣島に戻ってからは、
私服などの荷物を実家に郵便で送ったりと
荷物の整理にとりかかり、石垣脱出の準備を整えはじめた。


10月20日(163日目)

いよいよ明日
昼頃に沖縄本島へ戻る。

石垣島、最後の一日。

今夜はBarの寮で送別会と
新しく迎えるスタッフの歓迎会を
してくれるそうだ。

夕方から鍋の用意などをして
暗くなり始める頃にパーティーが始まった。

IMG_3522.JPG

スタッフ以外にも、お店に良く来たりする
チャッピーさんの仲間達も加わり大人数で鍋大会!

わいわい、がやがやした夜だった。

5DKの部屋の上には、広々とした屋上もあり
夜が深けると、みんなでそっちに移動。

この中に、誕生日の子が居たので
12時に顔面パイ投げをする作戦だ。

見事成功してケーキを出して記念撮影。

「もう一枚撮ろう。」と
誰かが言い出しタイマーで写真を…うっ!

って俺もかよ〜!
IMG_3534.JPG

お店で誰かが誕生日の時に数々の人が
このパイ無げをやられるシーンを見ていたけども
まさか自分に来るとは、、油断していた…

はい、チーズ。の「ズ」
顔を決めている時にみんなこうやってやられる。

そして、また誰かが「もう一枚撮ろう。」
と言い出して、今度のターゲットは
ブルーラグーンのスタッフの陽太だ。

絶好のタイミングでいい写真が撮れた。

DSC_0629.JPG

 最後の一夜だったけれども
まだ、明日出ると言う実感が中々湧かなかった。

最高な楽しいメンバーに囲まれ
そんな事を考える暇すらなかったのかもしれない。
あっという間すぎた石垣島での滞在。

また、時間があれば来てみたいと思う。
先日行った西表島も、もっと探索したい内の一つだ。

今度また、いつ来れるか分からないけども
その時まで皆さんお元気で〜!!!

ほんと、お世話になりました!!!

「石垣島 前偏」 9月7〜10月3日(120〜146日目)

お久しぶりです!
長らく日記更新が出来てませんでした。

石垣島へ来てから早くも1ヶ月半が経ちました。

そして先日、仕事を終えて
石垣島の周辺の西表島や波照間島などへ渡って来ました。

その様子は後日にアップする
「石垣島 後編」に書くとして。

石垣島の生活は、仕事を主にしていたけども
そんな中でも沢山の出来事があった。


9月13日(126日目)

仕事の休みを利用して自転車で50分ほどの距離にある
石垣島で最高峰の山、於茂登岳に登山しに向かった。

IMG_3357.JPG

石垣で滞在中この借りた折りたたみ自転車が
盗まれる事件も発生したが、後日たまたま発見する事が出来た
なんて事もあった。

この日、まだまだ気温は蒸し暑く、
久々の運動で身体がなまっていたのか
山に到着するまでにバテてしまいそうになるほどだった。

目の前に登山口があるのに
ここまで苦労して来たのに、帰る訳にもいかない。

DSC_0256さっそく頂上を目指し山の頂上を目指し初めた。

森の中では人は自分一人しか歩いていなさそう。
久々に静かな気持ちで山を登る。

自分の足音と虫の鳴き声、遠くで流れる川のせせらぎ、
風が揺らす木の葉の音だけが鳴り響いている。

DSC_0301.JPG

久々の感覚。

酷い蒸し暑さに体力を奪われ何度か立ち止まりながら進んだ。
途中、スコールに襲われて足元も悪くなってきた。

やっぱり登るのを辞めてしまおうかと思うが
自分の中から出てくる、そんな弱い声をかき消して
また、前に進む。

山登りは自分自身との向き合いでもある。

大いなる自然の中では
人間なんて小さなものだと言う事をつくづく思い知らされる。

けれども、その小さな力でも
少しづつ、一歩一歩前に進める事が出来れば
やがてそれが積み重なり、大きな物になってゆく。

大きな山でも、小さな一歩の積み重ね
登る事が出来るのだ。

少しづつ。少しづつでいい。

焦らなくても
いずれ、その時は来る。

山の中では、亜熱帯地方の代表的な
大きな葉をつけた植物が多く見られ、
虫や爬虫類なども本島の動植物とは違った形態をしていた。
DSC_0297.JPGDSC_0294.JPGIMG_3352.jpg

さすがに写真にある虫には
見た目からも分かる様に、少し抵抗があった。

ミミズとムカデを2で割ったような生き物。
とても気持ちが悪い。
おそらくこの虫の多くは、雨上がりに木を這って登ってくる様だ。
雨が降る前には見られなかったが湿気が多くなると沢山見かけた。

DSC_0269.JPG

頂上までは、およそ1時間半ほど。

標高が上がるにつれて植物も変化した。

DSC_0270.JPG

やっとの事で頂上に到着。

IMG_3356.JPG

DSC_0261.JPGDSC_0279.JPG

天候はあいにく雲が多くて視界が少し悪かったが
石垣島のまだ行った事のない北部などが望めて
畑などの自然が多く見えた。

また、北部の方にも時間があれば行って見よう。

下山の途中に、蜩(ひぐらし)の様な
鳴き声がする蝉が鳴き始めた。

本島の蜩とは違い、
初めは蝉の鳴き声だと分るのだけど
蝉の鳴き声がピークに達すると
ディンディンディンと不思議な機械音の様な音がする。

その蝉も、蜩の様に森に音の風が吹くかの様に
山全体を右から左へ、左から右へと波打つ様に鳴き始める。
そんな中をザッザッと小さな足音をたてながら下山した。

帰り道にサトウキビ畑が両側にある
沖縄地方らしい農道があり、思わずカメラを向けた。

DSC_0311.JPG

牛なども非常に多く見かけるが
まだカメラには収められていないのが残念。。


牛と言えば。
働いている焼き肉屋で聞いたのだけども
全国に出回るブランド牛、例えば、神戸牛や松阪牛。

そういった牛も元々は石垣島の仔牛から育てているそうで
それぞれ餌の与え方が違うのだそうだ。

有名な石垣牛も、
JAで定められた餌を食べさせたものが
石垣牛と言って良いらしく
他の餌を与えて育てている牛は、石垣産の牛になるそうだ。

焼肉屋では週に2回ほど働かせてもらっている。

『焼肉オリオン』

IMG_3374.JPG

石垣島でも有名なお店らしく
夏のシーズンの間は
ほぼ毎日予約しなければ入れないほど。

営業中も、どこから調べているのか
観光客からの電話が鳴り止まない。

あれ?焼肉屋じゃなくってテレアポのバイトだっけ?と
思わされてしまうほどの電話の多さだ。

店長のアツシさんと
もう一人の相棒のヒトシさんの2人との3人で営業する。

二人とも兵庫県尼崎市出身の幼なじみ。
地元が近いと言う事もあって関西弁だし
とても働きやすい環境だ。

冗談を言うのが好きな店長の
キレッキレの関西ノリのジョークがとてもおもしろく
笑いが多い職場だ。

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9月16日(129日目)

山登りをした3日後。

珍しく風邪?をこじらせてしまった。

昼から喉の調子が悪いなーと思っていたら
夕方に少し寒気がして来た。

気のせいだろうとBarに出勤すると
徐々に悪化して来て夜の12時には
足がガクガクになってきて、立つのがやっとの状態になった。

さすがに、早上がりさせてもらい
宿へ帰ってベットに入ると
猛烈に寒気が襲ってきて布団から出られなくなった。

熱は上がる一方の感覚はあったけども
体温計もないので分らないが
とても辛い症状だった。

海外に出た時に
自分で治す免疫力をつけなければと考え
薬は飲まずに過ごしてみたが、2日経っても悪化する一方。

さすがに仕事場にも迷惑をかける訳にもいかず
薬を飲む事にした。

Barのスタッフの人も以前に風邪をひいたらしく
その時に医者に貰っていた抗生物質などの薬をもらって飲むと
やっと症状は改善して、それから1日で治す事が出来た。

薬を飲むのは基本的には嫌で飲まないが
時と場合に寄っては医者に行かなければと
思わされてしまった出来事だった。

寝込んでいる3日間のうちに
石垣島の人達には本当に助けてもらった。

飲んだ薬や食料を買って来てくれた
Barのお客さんで仲良くなった常連のしのぶさん。
果物や、先ほどの話にあった薬を届けてくれた。

店長のチャッピーさんにも、
「布団から出るのが億劫だから」と
大きなクーラーボックスに食料やポカリなどを大量に
部屋まで届けて頂いた。

IMG_3364.JPG

本当に優しい人達に囲まれているんだと感じさせられ
おかげで3日間で復帰する事ができた。


9月10日(123日目)

3つ目の仕事。

「ブルーラグーン」

海の仕事にも、忙しいときは呼んで頂いたりもした。
DSC01580.JPG

呼ばれた日の仕事内容は、
午前は近くの引き潮の時にだけ現れる幻の島、浜島へ船で向かい、
それからは珊瑚が綺麗でシュノーケリングに最適な場所に向かう。

ブルーラグーンの船長は経営者である
ようへいさん。

DSC01581.JPGDSC01585.JPGDSC01590.JPG

DSC01586.JPG

シュノーケルポイントに着けば、
自分も一緒になってお客さん達とシュノーケルをする。
まるで、観光させてもらっているかの様な仕事だ。

ブルーラグーンのスタッフに
2つほど歳が下で大阪出身のようたが1シーズン働きに来ていた。

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「あれしないで」「これしないで」と
お客さんに言う事はほとんどなく、目に余ってグループから
はぐれて行動した場合にのみ注意しなければならない。

潮の流れの早い場所などに行ってしまえば
流されてしまい、場合に寄っては命の危険もある。

でも基本的には観光で楽しみに来ているのだから
自由にさせて上げるのがいいみたいだ。

午後からは青の洞窟へ
ツアーガイドのフォロースタッフとして同行。

DSC01632.JPGDSC01630.JPGDSC01633.JPGDSC01636.JPGDSC01639.JPG

この仕事は特別な免許などはいらなく
基本的には誰でも出来るので、1シーズンだけ
リゾートバイトの様な感覚で仕事をしに来ている人も多い。

船舶免許やダイビングの免許などがあれば、
もっと給料も良く、色んな仕事ができるので待遇がいい。

この仕事は、楽しみながら出来る仕事の一つだろう。


9月26日(149日目)

石垣島で仕事を探してくれた、
石垣島へよく訪れる地元の知り合いが
仲の良い島人を紹介してくれた。

その方、究(きわむ)さんに誘われ
珊瑚が綺麗なスポットへ連れて行ってもらえる事になった。

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海は少し透明度は良くない日だったが
それでも、色とりどりの珊瑚や魚たちは綺麗だった。
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下の写真はイソギンチャクの中にいるクマノミ。

「ニモ」のモデルになった魚として有名だけど
このイソギンチャクの中へ入れるのは
クマノミだけだそうだ。

イソギンチャクには毒があり、
その毒が全く効かないのがクマノミだけらしい。

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途中にウミガメも居たけども
こちらに気付くとすぐに逃げてしまった。

この日は、波が少し激しくて
岸から500mほど行った辺りで
波酔いして気持ち悪くなってきてしまった。

寝不足もあったからか、
本当に吐いてしまおうかと思ってしまうほど
ギリギリの状態だった。

一足早く岸に戻り一安心していると
ポケットに入れてたはずの水中カメラがなく
どこかで落としてしまった様だ。

もう本当に気分も悪いし、海には戻れない…
どうしよう、、と思っていたら
究さんが「探しに行ってくるさ」と言って
もの凄いスピードで500mほどの沖まで探しに行ってくれた。

地元の知り合いが
「究はほんっと優しい人だから」と
紹介してくれたのも頷ける。

結局、浮きをカメラに付けていたので
浜辺に打ち上げられていたのを発見して
見つける事が出来た。

海からの帰りに石垣牛を使ったハンバーガーと
ジェラートを売っている丘の上のお店に連れて行ってもらった。
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とても眺めいいお店、「ミルミル」
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少し小さめのバーガーで
お腹いっぱいとまではいかなかったけども
美味しいチーズバーガーだった。


10月に入り、石垣島でも
蒸し暑さが無くなって、涼しい風が吹いて来た。

沖縄に入ってからは運動をする機会が極端に減って
運動不足と筋力が低下しているのがわかる。

Barのスタッフで仲が良くなった、としさんに誘われて
スケボーの練習を1時間弱しただけで
次の日、酷い筋肉痛になった。

こらまずいと思い、ランニングを開始。

走って20分ほどの距離の海辺まで行ったり
毎回コースは変えて、行った事のない道を走っている。

IMG_3381.JPGIMG_3383.JPG少し、身体が重くなった様に感じる。

10月の中旬に仕事を上がり、また旅を開始する。
今回の目標地点は冬の北海道、ニセコ!!

雪が積もってしまうと自転車で走れないので
雪が積もるまでに北海道に入る予定。

けれども北海道まで自転車に乗り続けて行くと
確実に雪のシーズンに突入してしまう。

なので今回は京都の舞鶴まで向かい
それから船で北海道へ入り、冬期の雪山での仕事を始めようと思う。
日本の暑いと寒いの極端な時期を味わってしまおうと言う作戦だ。

冬期の仕事が終わればまた同じ船で
京都まで戻って自転車で北海道を目指す。

真夏の暑い時期までに北海道を目指して北上し、来年の夏は北海道一周。
そして、南下して秋頃にようやく日本一周達成。と云う予定だ。

そんな訳で、今回の旅を再会してからは
京都までなるべく早く行かなければならない。
その為にはすぐに動ける様に体力を付けておかないと。

京都に到着した時点で北海道に雪が積もってしまえば
また、他の手を考える事にしよう。


10月3日(146日目)

Barの店長のチャッピーさん達と
サーフィンへ連れて行ってもらった。

ハンサムな店長と

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歳が近い気の合う愉快なとしさんとその友達との3人

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この日は台風18号が近かったので
波が背丈を超えるほどの高さだった。
DSC01718.JPG本島のサーフィンは砂浜からすぐだけども、
石垣島ではリーフと呼ばれる珊瑚礁が海底に落ち込む
崖の様な地形辺りに波が当たると大きな波になる。

そのため、波乗りする場所がとても浅い。

下手すると、珊瑚に打ち付けられて大怪我をすることもある。

それでも、波に乗りたい。
そんな危険も顧みない好奇心が旺盛なのが、サファーなのだろう。

そこに行くまで500mほどをパドリングして
手で漕いで行くのだが、これがまたキツい。

馴れていない初心者は、辿り着けずに帰る人もいるらしい。

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見て分る様に、底が見えて水深が非常に浅い。
これでも満潮の時に来ている。

石垣島では潮の満ち引きの時刻を知っておかなければ
サーフィンは出来ない。

これまでに一度しかサーフィンを経験した事がなくて
これが2度目。

うっひょー、ちょーーーーーこえぇ。

でもワクワクしてしまう。

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まだ波に乗って立った事が一度しかないので
軽めの波で練習。

それでも失敗して波にのまれると
目を開ければすぐそこに珊瑚礁が広がっていて
時々身体に当たる。

大きな波にトライする人は
ウエットスーツを着なければ
体中、傷だらけになってしまう。

満潮の時にしかサーフィンは出来ないので
2時間前後の波乗りだった。


10月4日(147日目)

この日、大失態をやらかしてしまった。

神戸から知り合いが石垣島へ来たので
待ち合わせ時間に家を出ようとすると…

あれ、

財布がない。

ない。

無いー!!

財布を落としてしまっている!!

2時間ほど前に100mほど近くのスーパーに
買い物へ行って帰って来ただけなのに。

その帰りのたった100mで落としてしまった…

急いで探しに行ってみるが、
ある訳も無く…。

途方に暮れていたが
神戸の知り合いに今すぐ行くと言っていたので
このまま落ち込んでも居られない。

彼女からプレゼントされた宝物の様な財布に
前日たまたまお金を下ろしたばかりで5万円以上も入っている。
どう考えてもショックだった。

仕方なく知り合いのあっちゃんを
待たせる訳にもいかないので会いに向かった。

あっちゃんは、四国のお遍路旅の途中に
徳島県の小松原へ友達8人を引き連れて来てくれた人だ。
旅の途中に会うのは今回2度目の再会。

このあっちゃんが、さっき書いていた
島人の究さんを紹介してくれ、仕事までも探してくれた恩人。

あっちゃんは石垣島の島人とかなり仲が良く
年に何度も訪れるだけあって知り合いの数も多い。

久々の再会を果たして
財布を落とした事を話していると、
「仕方ないなー。ほら、これお小遣い!」
そう言って財布から自分が落とした同額の
5万円を躊躇無く取り出して渡そうとして来た。

いやいやいや、それは受け取れないって。

さすがに受け取る事はしなかったが
その豪快な気持ちだけでありがたかった。

それからすぐにあっちゃんの同年代の島人達を
近くの居酒屋に集めて紹介してくれた。

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こんなに大人数だとは思っていなくて驚いた。

とても愉快な島人達に囲まれ楽しい飲み会だった。
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酒の飲み方は、やはり泡盛。
こっちの人は泡盛の事を「しま」と呼ぶ。

島酒を略した言い方なのだろう。

これをボトルで頼み、ピッチャーに氷を詰めて
そこへ豪快に泡盛を入れて水で割った物を作り
それをそれぞれのグラスに注いで飲む。

飲むペースも早いし、泡盛のグラスは小さいので
いちいち作るのが面倒なのだろう。

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あっちゃんは、何度も石垣へ来ているので
島の言葉やイントネーションもバッチリ使いこなして
島人に溶け込んでいる。

コテコテの関西人なのに、
まるで昔からこの島にいるみたいだった。

2次会でカラオケに移動。

カラオケBOXでは、暴れ過ぎて
テレビの画面を割ってしまうアクシデントが発生。
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左はあっちゃん、右は究さん。
二人とも子供の様にケラケラと笑ういい写真だ。

激しく騒いだ島人達との夜だった。


その翌日。

10月5日(148日目)

二日酔いの朝を迎えた。
昨晩、起きれなさそうだったので
あっちゃんの泊まる宿にお邪魔して地べたで寝た。

その宿は、石垣に来た初日から
2日間滞在していた「ふがらっさ」だった。

たまたま、あっちゃんも石垣に来る度に
そこを利用するのだそうだ。

今日は山登りと海に潜りって魚を穫りに行く予定。
究さんと合流し3人で、まずは北部のマーペーと呼ばれる山へ向かった。

IMG_3425.JPGIMG_3407.JPG石垣市から30分ほどでマーペー辺りにきた。
頂上が突き抜けるあの山がそうらしい。

標高282.4mで登山ルートは2つあり、
麓から登る50分ほどかかるルートと
途中まで車で上がり15分ほどで上がれるルート。

3人ともサンダルだったので
短いルートを登って海へ行く事にした。
IMG_3408.JPGIMG_3424.JPG狭い山道を登り
程なく歩いて山頂へ出た。

景色が綺麗だと噂には聞いていたが
360°見渡せる文字通り、景色が綺麗な山だった。

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IMG_3427.JPGIMG_3428.JPGIMG_3414.JPGIMG_3432.JPGIMG_3431.JPG

30分ほど綺麗な景色を眺めて休憩。

岩肌がむき出しの頂上には強風が吹き付け
身体が持っていかれそうになるほどだった。

山を降りてから今度は海へ。

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モリや水中銃などを持って魚を突きに海に出た。

ちなみに、もう気温は海に入ってから上がると
寒く感じる気温まで下がってきている。

DSC01739.JPGDSC01755.JPGDSC01743.JPGDSC01750.JPGDSC01756.JPGDSC01759.JPG

魚だけでなく、エビなども採れた事には驚いた。

究さんは島の人なだけあって
すぐに色んな魚を穫って来て手慣れている。

途中、1メートルほどの大きさのネコザメも現れた。
凶暴では無いと分かっているけども、やっぱりビビってしまう。

収穫は、魚5匹に伊勢エビと大きなシャコ貝。
大漁大漁。

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自分達で穫ったこの魚などを食べたかったけれども
その晩はBarのスタッフ達と集まり飲み会の予定が入っていたため
残念ながら食べる事は出来なかった。

夜にはその飲み会が始まった。
この日から店長が新たに借りた5DKの広い事務所兼スタッフの寮があり
そこで、鍋&焼肉パーティー。

DSC_0255.JPGIMG_3422.JPG

夜遅くまで飲み会は続き
大富豪で負けると油性ペンで落書きされる
恐ろしいゲームまで始まり、もうわやくちゃ。DSC_0269.JPG

スタッフみんなでベロベロになるまで飲み明かした。

この日から自分の宿はここに移った。
石垣島を出る日までこの寮で生活させてもらえる。

石垣島の繁華街のど真ん中にある位置で
お店からもかなり近い。

とても動きやすい場所に住まわせてもらえる事になり
ありがたい限りだ。


1ヶ月間泊まった宿でも、
色んな出会いや出来事があった。

同じく冬期にニセコに行くと言う「さとやん」に出会った。

さとやんは毎年ニセコに行っている様で
仕事先の相談や、ニセコの冬にだけ栄える街のシーンの話しなど
色んな情報を聞かせて教えてくれた。

仲が良くなって二人で飲みに行く事も多々あり
すっかり仲が良くなった内の一人。

このさとやんとは、
また今年の冬に再会する事になるだろうキーマンだ。

宿の気難しいお母さんともお別れとなった宿替えだったが
取り方に寄っては面白いおばさんだった。

風邪をひいて寝込んでいた時に、
体調を気遣って普段使わない毛布を渡してくれた。

だが、その毛布には琉球タムシと呼ばれる虫が
大量に繁殖していた布団の様で、
その日から体中、その虫に噛まれて困っていた。

その虫に噛まれると
ダニや蚊に噛まれた時の様な軽い痒みに襲われる。
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その事に困って、気難しいお母さんに
「痒くてたまらないんですけど…」と相談すると
なら出て行きな!!』などと案の定、暴言を吐かれる。

別の日に、海で大きな魚を突いてきた宿泊者が宿に帰ってくると
「そんな大きな魚をウチで捌かれたりしたら、
臭くなったり散らかったりして迷惑なんだけど。
と、睨みつけられていたほどの心の狭さ。

俺は横で、そんな事ゆったらんでも…と
小さく呟くしか無かった。

人を出迎える宿をしているのならば
人を迎え入れる心であって欲しいものだ。

まぁ何年も他人と休み無く生活していると思えば
そのストレスは分からなくはないが。。。

宿を出る日に、
お母さんがどんな反応をするのかと気になって、
「ありがとうございました。一ヶ月間、お世話になりました。」
そう言いながら握手をしようと手を差し伸べてみた。

あわよくば、この気難しいおばちゃんを
抱きしめてハグをしてやろう…と

そうすると
いや、私、そんなことはしないから。

キッパリ、期待通り断られた。

ちょうど、共同スペースで居合わせたさとやんが
「えぇー!ここに居る俺がきまずいわ!!」と笑っていて
自分としては「いや、コレ、実は期待通りで嬉しいよ!ははは!」
そう言って笑顔で気持ちよく宿を去る事が出来た。

最後の最後までドライなお母さんも
居なくなった今となってはいい思い出だ。


そんなこんなの石垣生活。

早くも仕事を終える日が近づいて来ていた。

ワクワクとせっかく馴染んで来た頃での別れの寂しさが込み上げる。

それでも、また前へ。

また、新たな旅が始まろうとしている。

次回、「石垣島 後編」

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