5月27日 火曜日 18日目

今日は出発の日。
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朝9時に目が覚めて
昨晩、4日分のブログを書き上げる為に
早朝4時半まで粘ったけども
半分しか出来上がらなかった。

残りの半分を書き上げると
もう時計の針は、てっぺんを指そうかと言う頃だった。

朝ご飯は簡単に
大きめのジャガイモ一つを火が通りやすい様にある程度切り
ただ単に茹でて塩コショウとバターで味付けして食べ

それをつまみながら
少し荷物となる物を色々と多めに持って来てしまっていたため
これまでの生活で必要最小限いる荷物だけを残して
物を少なくおさえた。

整理してみると余分な荷物は3〜4kgほどになり
今日実家に送り返す事にした。

とにかく今日はお世話になった
ここ善根宿のおじさん、楠さんに
まずは挨拶に行かなければならない。

早速、荷物をまとめて出発しようと自転車を押すと
ギギギと音がして自転車を押せなくなった。

ビックリして原因を探すと
フロントギアにドリンクホルダーが絡まっている。

フロントギアのバランス調節が狂って歪んでしまい
セッティングし直さなければ動かない状況になっていた。
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原因はドリンクホルダーのネジが日々の振動で緩んでいた事だ。
少し前に走行中それに気がついたけど
その後、ネジを締め忘れていた。

日々の整備は日課にしなければ
大きな事故にも繋がりかねない。

自由気ままに見えるかもしれないが
あれこれやる事は山ほどある。

そうして初めて触る部品の仕組みをある程度見て
完璧まではいかないが乗れる様にまでは調整した。

次の見えた自転車屋でアドバイスを貰うとしよう
そうしてまた、ミッションが一つ増えていく。

おじさんの畑に3時前にようやく向かう事が出来た。

畑に到着前に楠さんにお礼の挨拶に向かってますと電話

「おぉそうか、ワシも買い物しとるき
すぐ戻るけん待っとってくれぃ」

そう言うもんで畑に行って待つ事になった。

今日も雄大さんはバリバリと働いていた。
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「楠さんは?」と聞いてきたので
今さっき電話したらすぐ来ると言ってました。
「さぁーあの人のもう少しは今回は何時になる事やら」
一週間の付き合いの人にそう言われるほど
楠さんはもの凄くマイペースで
誰よりも動いて働いている行動派だ。

30分待っても来ないので
お世話になったお礼に大好きなお酒を
数本買いに出かけた。

買い物を済ませて畑に近づいた時に

いつも晩酌をする小屋を目がけて走る
ブルンブルンといい音をさせている
大きな乗り物が見えた。

やすさんだ。

最後の日に会えるなんて思ってもいなかったので
やすさんを見つけた時は思わず笑顔が出てしまった。

楠さんは茄子の畑に集合と言っていて
毎年植えている茄子の畑が今年は違うらしく
やすさんがそこの場所を知らないのも知っていた。

小屋を覗いて誰もいなかったら
おそらくそのまま帰ってしまうだろう。

北に一本、田んぼを挟んで平行に走る道路にいたため
すぐ後ろから追いつける様に立ち漕ぎで
まささんを追いかけた。

小屋の前あたりで、かなりスピードを遅く
大きな3輪バイクを走らせている所に追いついた。

この前にリアカーを見せてもらったが
まだ自分のリアカーを見せれていなかった。

ビックリさせようと後ろから横にまで追いつき
10日前ほど前に折れた前歯を全開に見せ
満面の笑顔で顔を見せた。

よかった!また会えましたね!
今日、これから旅立つので
少し喋りましょうよ!そう言い
茄子の畑に案内した。
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同系色の同じリアカーを引いている
自転車とバイク二台の組み合わせも早々無い。
4人で記念写真でも撮ろうと言う事になって
写真をみんなそれぞれのカメラを出して
最後の記念写真を撮った。
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楠さんに最後のお礼を言うと
「ちょっと自分でジャガイモ掘って、実家に贈ったらんき」
そう言って下さった。

でも芋を掘ってから出かけると
近くの寺の納経所が5時に閉まってしまうので
出ても意味が無くなる。

結局、時間もそんな時間で
中途半端だしもう一泊する事になった。

じゃあー、もう一泊お世話になりまーすっ!
そう言い、おどけて言ってみると
おじさん達は笑ってくれた。

畑の手伝いを少しでもしたいと思っていたので丁度いい
小屋の近くへ移動してジャガイモの畑に向かった。

まずジャガイモは葉の部分を刈って
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土に被せているビニールを剥がし
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最後は機械で芋を土の外に出す。
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太陽に当たってしまった緑がかった芋と
ショウガの様な変な形の物は省き

大小に分けて箱に詰めて市場に出荷する。
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2時間ほど手伝いをさせて貰った。

土から芋をたくさん拾って
土からの恵みはこれでもかと言うくらいの収穫だ。

ずーっと下を見て作業をしていると
ただの土でさえ感謝の気持ちが生まれてくる。

今年は豊作らしい。

もう良いと言うほど箱に山盛りの
ジャガイモを箱一杯に頂いた。
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本当に何から何までお世話になりっぱなしだ。

ささやかながら、コンビニで荷物を贈る時に
またもや大好きな酒を数本買い足して
おじさんに持って行った。
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このペースでお金を使って行けば
1年もしないうちに自分のお金は
無くなってしまうだろう。

でも、そんな事は気にならなかった。

自分の1日、2日のご飯が食べれる
幸せを確保するより
おじさんの一瞬の喜ぶ顔が見たかった。

日が暮れるとおじさんは
温泉に連れて行ってくれた。

また、軽トラの荷台に乗り
今日は荷物が全く乗っていないので
大の字になって仰向けに寝転んだ。

都会の方より多く見える星は
頭上に広がり満点の星空

このアングルはいいねー。
そんな独り言をつぶやき
ぼーっと夜空をながめていると
10分ほどで到着した。

この温泉も来たことの無い温泉で
様々な湯があって良い温泉だった。

お風呂も上がり善根宿に帰った。

明日はどうあがいてもいよいよ出発だ。

いつもより早く起きてブログを書き上げて
午前中に出発する事にしよう

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5月26日 月曜日 17日目

今日こそは出発しようかと思ったけども

どうやら昼から雨が降るらしい。

どうしようかなーと考えてながら
朝食の支度をしていると楠さんから電話が来た。

「おまん、昨日のやすが手伝って欲しい言うちょるけん
昨日酒もご馳走になっとるけんいってこい」

そう言われ、一日手伝ってもう一泊する事になった。

軽トラの荷台にまたもや乗っかり
「国道は毛布かぶっとれ」と言われたので
言われた通り毛布を被り
密入国者の様に隣町へ手伝いに向かった。
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やすさんの昨日おとずれた倉庫に到着。

楠さんは「用事があるきぃ頑張っとくれ」
そう言い残して軽トラで去って行った。

ほどなくしてやすさんは奥さんと
軽トラの荷台に身長を越えるほどの棚に
米の苗を満載に積んで現れた。

今日はこの苗を畑に置いて
少し日が当たりすぎない様に
白いうすいガーゼの様なシートを被せるだけだった。
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1時間もしないうちに苗を並べ一段落。
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と言っても手伝って欲しかったのは
この作業だけだったらしい。

また昨日の様に倉庫の横の部屋で
酒盛りが朝から始まった。

やすさんは朝ご飯にと
ダチョウの肝を冷凍庫から出して来て
ネギなども切って放り込み
みそ汁にして食べさしてくれた。

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ダチョウの肝は少し臭みがあるが
それも味があって美味しい。

昨日の酒がまだ残っていたので
あまり朝からは飲めなかった。

一日中こうも、してられないので
倉庫周りのゴミを集めて燃やしたり
出来る限りの事を手伝いした。

充電が切れてしまい
この日の写真はもうないが

やすさんのリアカーのボディーを
同じ軍色にするために
スプレーで塗ってあげたりもした。

仕上がりはまずまずでやすさんもご機嫌だった。

そうしてまた部屋に戻り
昼飯もご馳走して頂いて
夕方まで酒を飲むんだ。

黒米から作った開けたての焼酎と
上等な大吟醸の酒に
更にアスパラを大量に頂いた。

ありがたい事に風呂に連れて行ってもらえる事になって
小屋近くの銭湯に行き、風呂まで入らせて頂いた。

雄大さんとお礼を行って
「それじゃあ、もう会えるかも会えないかもしれないけど
元気で来をつけて行ってくるんだよ」
そう言い残して帰って行った。

やすさんの車が見えなくなるまで手を振って見送った。

畑の小屋で楠さんを待っていると
やがて帰って来て
またもや

酒。

田舎の人は酒が大好きなようだ。

もうそろそろ明日には出発をしなければ。
今夜は3人で飲む最後の夜になりそうだ。

そんな事を話していると楠さんが口を開いた。

「ここで今こうしているのはたわいもない話しじゃきん
このたわいもない事が10年たって思い出せる事は少ないかもしれん。
でも、こうして話したなぁと言って思い出し事が出来る物が
あんたの人生にとって本当の財産なんじゃ。」

「ワシらの65歳じゃきんど、
この年代になるとお前らはまだわからんやろけど
死と言う物が確実に迫って来ているのが分かる。
そう実感した時に、逆算すると残りの10年20年で
自分が今何をすべきかと言うのが見えてくる。
若い頃はまだまだ人生は長くそんな事も意識などしてなくて
考えもせんかったが、
こうやって死が見え始めてすべてが分かって来た頃には
もう動けん体になっとるんじゃ。」
「お前らも、もう少し先を見て
今何をするべきか。一度しかない事やきん、よーく考えぇよ。」

そんな長年を生き抜いて来た力強い言葉が心に響いた。

今、自分がやらなければならないこと。
逆算してもう体も衰え出す60歳になるまで
あと40年弱か…

そんな先の事まで考えた事もなかったが
楠さんの力強い言葉に少し考えさせられた。

少なくともこうやって
今、沢山の事を学んでいる事は
今のまだまだ沢山の事が無知で
知らない事が多い自分にとっては
必要な行動が出来ているのかもな。

そう再確認した夜だった。

5月25日 日曜日 16日目

9時頃に目が覚め今日も、
雄大さんはおじさんの手伝いに
畑へ行ってしまっていていた。

彼は連続2周目で金がそこを尽きて携帯も売り
飯も食わず旅を続けていた所にここへたどり着いたらしい。

仕事を辞めてからこれからの事を考えるために四国を廻ったが
一周してもこれと言って思いつかなかったのもあるし
きっちりした作法で廻るためにも続けて2周目に入っているそうだ。

八十八ヶ所を廻っている最中の、すぐどこかに行ってしまう
自分たちの様な旅人はなかなか仕事を見つけるのが難しい様だ。

100人お遍路さんがいたとしても
100人とも周る理由もそれぞれある。

中には人には言えない凄い事を
心に背負って八十八ヶ所に望んでいる人もいるのだ。

畑仕事をしてお金がもらえるかは分からないけど
ご飯があって、寝る場所もあるだけでも彼にとっては十分なのだろう。
何にせよ、真冬の2月から寝袋一つで外で生活しているのだから
その気持ちは分からなくはない。

自分もお世話になっているので
今日は感謝の気持ちで手伝いに行く事に決めた。

まずは腹ごしらえ
昨日のアボカドとタマネギ鰹節サラダの味を変えて
昆布だしであっさり頂き
昨日の角煮の残り汁を使って
ジャガイモとシメジを煮込んだ。
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見るからにうまそうな物を作って
テンションが上がっているうちに
おかずが出来てしまって
ご飯を炊くのをすっかり忘れてしまっていた。

起きる事すべてベスト!

なんつって、最近マイブームの決め台詞を言う。

相変わらず毎日こんなおっちょこちょいなミスを繰り返してしまっている。

昔からこういう事をよくやってしまう癖がある。
コンビニで物を買って商品を持たずに
出て行ってしまう事も多々ある。

数日前もやってしまった。

でも大丈夫。

そんな時は定員さんが
「お客様ぁぁぁぁあぁ〜!!」
と言って走って来てくれる親切な日本人がいるのだから。

ま、そんな冗談はさておき。

ぽかぽか陽気の昼前
広大な敷地の角隅に
プレハブがちょこんと立っている場所で
昨日買っておいたビールも飲みながら
まぶしい太陽に目を細めながら食事をとった。

食器などを洗おうとすると携帯が鳴った。

宿のおじさんからで
「おめぇ〜、今うどんいっぱい炊いちょるきぃ
ちょっと畑の所の小屋に食いに来い!」
昼間から酒を引っ掛けているご機嫌な声が聞こえた。

ほんまにベストやね〜。と呟いて笑いつつも

早速、自転車にまたがり10分位の畑まで自転車を飛ばした。
酒が好きな楠さんへ今度こそ土産として
500mlのビールを3本買って向かった。

畑の小屋に近づき
小屋の目の前に何やら大きな乗り物が見えた。
農作業車だと思っていたら
近づいてみて見るとバカでかい三輪バイクだ。
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なんじゃこりゃー!でけー、すげーーーといいながら一周り見て
どんな人が乗っているのかと小屋の中に入った。

昼前から3人のおっちゃんは畑の中にぽつんとある
小屋の中で顔を赤らめ酒盛りしていた。

楠さんは入ってすぐに
「おーぅ、来たか。ビールはもうやっちょるからお前飲め。
ほんで、うどん食え食え!ダシはそこ、箸はそこ、器はそこやきぃ
自分の事は自分でせぃ。」

「おらぁ仕事戻るから
お前はそこらへん行くなりどないでも好きにしとれぃ」

いつもの兄貴肌っぷりだ。

ありがたく、うどんを頂いていると
凄く大きなジブリに出てきそうなおじさんが居た。

あのバイクめちゃくちゃ渋いですねー!と話しかけると
「そうじゃろー」と
ご機嫌で外まで一緒に見に行った。
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本当にバイクもおっちゃんも個性的で最高の相性だ。
渋すぎる。

そのおじさんは やすさん 。
やすさんも俺の自転車を見て
「おぉ〜一緒の色やないか〜。この色がええわいの〜!」
何だか親近感が湧いている様だ。

いつもはリアカーを引いているんですけどねー、と説明してると
「ほぅ、ワシもリアカー持ってるんだよ!」
更に親近感が湧いた。

このバイクで引くリアカーは
さすがにどんな物なのか見てみたいですね〜!
自分もはしゃいでバイクをあっちこっち見ていると

「じゃあみに来るか??」
そういってそのやすさんの倉庫まで行く事になった。
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バイクの後ろにまたがり
15分ほど主に田舎の農道を走り
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やすさんの倉庫に着いた。

倉庫の中にはバイクのリヤカーの他にも
いろんな乗り物があった。
バギーにベトナムのトゥクトゥク
スーパーカブを三輪にこしらえたものなど
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乗り物が本当に好きな様だ。
リアカーも何でも載せれるほど大きい。
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自分も昔少しバイクに乗っていたので
話しが弾んだ。

大きい倉庫の横の部屋に案内されて
「まぁ、ビールでも飲もう」
そう言われて昼から酒盛り。

鯛の刺身と採れたてのアスパラを茹でて食べさせてくれた。
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やすさんの昔の悪さした武勇伝から
自分のためになる話しを沢山聞かせてくれた。

印象に残っている言葉は

「まっすぐな木はまっすぐ使え。
曲がった木は曲がったまま生かせ。」

「ワシやあんたみたいな曲がっとるもんでも
使いようによっちゃええ言うことだね」
そう言いって、がははと豪快に笑った。

夕方に近づいて、やすさんの
孫や娘の旦那さんなども集まってきて
みなさんと喋った。
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ビールも4.5本飲ませて頂いて
朝からこっちも2本
酒を引っ掛けて来ていたからかなり酔った。

日暮れ前に畑の小屋へ戻るため小屋を出た。
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途中やすさんが
近くのダチョウを飼っている
牧場なども訪れた。
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名前も完全にパクっているけど
この人はなにをしても絵になる。
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楠さんの畑の小屋まで送ってもらい
やすさんにお礼と言ってはなんだけどと
ステッカーを渡した。

旅の中で言葉を交わした人たちには
このステッカーを渡し
コレ見た時は僕の事を思い出して見て下さい。
そう言い貰って頂いている。

やすさんにも渡すと
なんと一番目立つ所に貼ってくれた。
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なぜか、セーラーサターンのシールも
貼ってあって少しおかしかった。

まささんを見送り
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どこまでも見える大きなバイクを夕日の中眺めて
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いや、どこまで見えんねんっ。
などと笑ながらカメラを覗き込み
ツッコミを入れながらも見送ってから
夕日の田んぼ道にぼーっとたたずんだ。

やがて楠さんと雄大さんともう一人手伝いに来てる
おじさん達3人が帰って来た。

今日畑で採れたじゃがいもの箱がまだまとめていなかったので
一ヶ所に集める作業を長靴を貸してもらって手伝った。

また小屋で他愛もない話しに花を咲かせ
辺りは街頭もない真っ暗な田んぼ道の
真ん中にある小屋には笑い声が響いていた。

ここでも焼酎のストレートを頂いて
もうべろべろに近かった。

近頃ずっと運動をしているから
酒にすぐ酔ってしまう。

一段落してから
ジャガイモを市場に持って行って風呂に行こうと
向かったが、車の中で寝てしまい
風呂は二人だけで入ったらしい。

そんな事も知らず善根宿に到着し

その日は帰ってすぐに布団を敷いて深い眠りについた。

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5月23日〜5月24日 14〜15日目

朝目が覚めると、横で布団を敷いて寝てた
四国八十八カ所を連続2周目の雄大さんは
おじさんの畑を手伝いに行っているようで
もう、居なかった。

今日は横峰寺まで歩いて上がって
20km前後歩いた山の上のお寺で宿泊予定。
次の日に横峰寺の向こう側の山、石鎚山へ登山に向かう。

石鎚山は西日本最高峰の山で霊山としても有名な山だ

まずは山へ入る前に食料を調達しに
近くのスーパーで買い物して
食料は2日分で
おにぎり6個、ゆで卵6個
鳥の胸肉の塩こしょうタマネギソテー、
バナナ4本、しまなみ海道でもらった甘夏2つ
レトルトカレー、棒ラーメン2人前
を持って行く事にした。

弁当のタッパに詰めているともう12時をまわっていた。

午後1時前に地面からの照り返す熱を感じながら歩き出した。
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ほんの数キロほど歩いて黒瀬ダムを横目に
まだまだゆるい上り坂を登って歩く。
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偶然にも昨日入った温泉がある
京屋旅館別館の「歓喜庵」の
目の前を通り横峰寺に向かう。

目の前を通ろうとした時、
旅館の前に芝刈りをしている宿の方が居た。
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お礼を言うため、近寄って
昨晩、お世話になりました。
本当に良い湯で感動しました。
ありがとうございます。
お礼の気持ちを伝えてお寺を目指した。

奥の方にはそびえ立つ山々。
西日本最高峰とあるだけあって
見えている一番高い山の高さまでは
少なくとも登る事になる。
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明日には2000m付近にいる。
そう考えると
胸が高鳴った。

アスファルトの道路を山の谷間に沿って
少しずつ上がって行き
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やがて、山道が右手に見えた。

でも鎖が横に張ってあり
赤いテープが三ヶ所、中央と左右に張ってある。

昨晩帰ってから地図を写真に撮っておいたので
見てみると、2つの川が合流する場所を
右に曲がると寺へ行けるとなっていた。

注意書きに、この区間は立ち入り禁止とされているが
道は険しいが通れると書いてあった。

看板が見えなかったけど小さい川が合流していたので
その山道に入った。
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30分ほどすると分かれ道が多くなって来た。
だけどもどこにも看板がない。
少し疑問に思いながらもジグザグに上がって行く登りをひたすら登る。

だがやけに分かれ道が多く
行き止まりも増えて来た。
土まじりの砂利の道の真ん中には何やら番号が書いてある。
H.C286とか15メートル感覚に書いてあり、
辺りの木に名前が書いてある。
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看板もない。

何だこの道は。。。
四国電力と書いた看板の様な物を多々見かける。

さすがに不安を抱いて来たので
ケータイを見てみた。

たまたま電波のある地域だった為お寺に場所の確認をした。

やはりどうやら違う道だったため
1時間かけて来ていた道を戻らなくてはならなくなった。

時刻は4時をまわっていた。
幸い、引き返すのは下りだった為
大急ぎで走って道を戻った。

また車道に戻って進むと
少し先に本当の曲がるはずの道があった。

日暮れの時間を調べると午後7時4分日没だったので
急ぎ足でお寺に向かう。

やがて坂道もきつくなり
高度を上げて綺麗で勇大な夕日の景色を見ながら
車道の道を上がる。
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日没ぎりぎりに標高700mの横峰寺に到着した。

境内は薄暗く、人も誰もいなく神秘的な雰囲気
本堂とお大師堂それぞれに
ロウソクを灯し、線香を上げ、お経を唱えた。

誰もいないので大きな声でお経を唱えてみた。

最初は馴れないお経に戸惑い、
ぎこちなさから少し恥ずかしいと思っていたけども
心の中が研ぎすまされ洗われる様感じを覚えた。

汗を大量にかき、服が濡れて
日暮れの山中のお寺は冷え冷えとしてきていた。
寒さで震えそうになって来たため
今日の寝床予定の場所に行く事にした。

このお寺には、休憩所とされた木造の小屋があり
そこで寝袋さえあれば無料で宿泊も可能だと聞いていたので
その小屋に入った。

中は横長のテーブルが中央をあけて左右に二つあり
程よい大きさの小屋だった。
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先客が一名、居たようだけども
テーブルの上に何かを食べた残骸と
ビールの空き缶が一つ置いてあって
7時過ぎだと言うのに、
入って左の奥の地べたでいびきをかいて寝ていた。

明かりもないため、持参したライトで夕食を済ませて
暖かい服装を着込んで寝袋に入った。

山中の夜は冷え込み
2、3時間に一度寒さで起きては
体をちぢこませた夜だった。

翌日24日 土曜日

5時半頃、寒さと先客の方の準備する音で起きた。
起きたけどもなかなか寒さからどうにも寝袋から出られない。

仕方なく寝袋のまま起き上がり
先客のおじさんに挨拶をして
椅子に座った。

寝袋から首と右手だけを出して朝食をとった。
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暖かいものを食べたかったけども
室内の張り紙には火気厳禁と書いてある。

バナナ2本と昨日の鳥の胸肉炒めの残りに
ゆで卵2個、おにぎり2個をたべた。 

食べ終わってから
寝袋のままスクワットなどして体を暖め
起きてから1時間ほどしてようやく寝袋から出られた。

昨日、到着した時には納経書が閉まっていたため
あさ7時まで荷物をまとめたり辺りを散歩して
その時を待つ。
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7時を過ぎて納経書に御朱印して頂き
早速、石鎚山へ向かった。

石鎚山へは、一度向こう側(南)に山を下りて
また登山口を目指さなければならない。
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3,6kmの下りの林道を降りてまた車道に出た。

ここからは山間の車道を進みつつ
もう人がほとんど住んでいない
衰退した集落などを通って行く

外に置いてあったアイスクリームの冷凍庫の上に
何年も誰も触れていない証拠のように苔が分厚く生えていた。
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振り返って、やっぱり写真を撮ろうとカメラを覗くと

後ろの方に民家に紛れて何やらお寺があるのが見えたので行ってみた。

石鎚山横峰寺 別院 と書かれた
ひっそりと建ったお寺の目の前にも
柔らかい苔が地面にびっしり生えていた。
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今朝、訪れたお寺の別院であれば
泊まらせて頂いたお礼をしなければならない。
そう思い線香を上げ、ロウソクに火を灯し、お経を唱えた。

清々しい気持ちで寺を後にして
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再び石鎚山を目指す。
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水が透き通る川沿いを8kmほど歩き
ロープウェイがある場所まで来た。

ここまではすべて歩きで山頂まで上がる予定だったけども
地元のおじさんに登山口を訪ねると
「お前、本当に言ってるのか?
とてもじゃないけどここからじゃ1日じゃあ無理だぞ」
しかも「本来お前が上がりたいと言っている場所はこっちじゃない」
そう言われて、また道を間違っていた事に気が付いた。

それでも結果オーライで、
目の前のロープウェイを使えば
一日で山を降りて来れる行程が組める事も分かった。

更に山頂に宿があるからそこに泊まってみてはどうか提案された。

それもいいな。
1泊2食つきで8000円するらしいが
素泊まりが出来て半額辺りで済むなら
それもいいかもしれない。

ご来光の写真を撮りたい。
そんな気持ちも芽生えてきた。

ひとまず片道切符でロープウェイを上がり
山頂でもう一泊して翌日自分の足ですべて下山する。
そう言う行程も可能だ。

よし、そうしよう
ただし、山頂の宿が安くいけたらの話しだが。

そしてロープウェイに乗り標高1,300mまで一気に上がった。
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ロープウェイを降りてから
少し歩いた登山口手前に
石鎚神社 成就社がある。
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そこに、安全に登れます様にと願をかけ
線香とロウソクを灯した。

ここで山頂の宿泊の予約をしておかなければならなかったので
お守りを売っているお母さんに訪ねると
今日はなんと満席…

残念だけども山頂で宿泊は断念せざる終えなくなった。

仕方ない。
少し残念だけど、善根宿の方々には今日帰ると伝えてるため
心配をかける事にもなりかねない。
帰りはまたロープウェイを使うしかなさそうだ。

またまた予定を変更して山頂を目指す。
お母さんの話しだとここから山頂までは
元気な人だと2時間半で登れるらしい。
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初めはブナの木が多く多いしげる山道を歩き、
やがて視界が開けてきた。
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奥の方には石鎚山の目玉である鎖場が見えて
山頂もうっすらと見えはじめた。

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鎖をつたって登るのは、この前登った雪彦山で経験済み。
ある程度の要領は分かっていた。
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一つ鎖を越え、残るは二つ。

一眼レフで覗き込み、レンズで拡大して見てみると
徐々に山頂の姿や、残りの鎖場が鮮明に見えてくる。
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はやる気持ちで足を前に出す。
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2つ目の鎖場も難なく登り
振り返ると、歩いて来た道が見えた。
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3つ目に行こうとしたが
どうやら工事をしているようで
迂回路を通って山頂へ行った。

鎖の崖は危険で登れないと言う人の為に
すべての鎖場に迂回路が設けられている。

そして念願の西日本最高峰を登頂を達成した。
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2時間半だと言われていた所を2時間で来れた。

雲は目前と迫り手が届きそうだった。
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辺りは山々に囲まれた素晴らしい景色。

遠くにはしまなみ海道らしき橋がうっすら見える。
まだ四国に入って進んでいないが
焦る気持ちは出てこなかった。

山頂付近に神社が立っているけど
本当の山頂は左右、断崖絶壁の危険な峰を100mほど行った所にある。
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怖いからと断念する人も居る中で
迷わず、落ちない様に細心の注意をしながら
そこへ向かい1,982mに到達した。

すぐ裏手あまり人が見えない所で
ガスバーナーを取り出し
レトルトカレーを暖め、棒ラーメンを炊いて
何とも言えない景色の中で昼食をとった。

このご褒美といったら他の何にも変えがたい物だ。

ご機嫌で昼食を済ませ下山。
登山道が終わり成就社まで降りてきたら
すぐにビールを、2日間の登山のご褒美として買って飲んだ。

たまらなくうまい。
ほぼ一気のみに近いスピードで飲み干した。

最後にロープウェイで片道1,030円で買ってしまった切符を
往復1,430円の分に変えてもらう交渉をしなければならなくなっていたので交渉。

400円の差額を払うので往復にしてもらえませんか。
そうお願いしてみたが、
「ワシらじゃ切符をどうこう出来んけん、もう一回片道切符買ってもらうしかないわなぁ」と断られてしまった。

うわーまじかぁ、、、肩を落として財布を広げていると
さっきのおじさんが職員の人たちと話しをして戻ってきて
「兄ちゃん、もうやっぱりええけんそのまま乗りぃ」と言って下さった。

逆に?!と心でツッコミながら
結局、片道切符で往復出来ると言う奇跡が起きたのだった。

ロープウェイを降りてから
さっき浮いた、払うはずのお金はこの土地に返そうと
下の売店でまたビールを買って飲んだ。

5時半をまわって最終のバスが出ているらしく
歩いて帰ると15kmほどあり
夜だいぶ遅くなりそうだったため
山頂で宿泊もなくなったし、バスに乗ろうと決めた。

バスの運転手さんにどこで降りると良いか相談して
来る時に通った黒瀬ダムの停車する場所で降りた。

そこから善根宿はおよそ5km。
下りをほろ酔いでてくてく夕暮れを歩いた。

10分ほどすると目の前にいきなり車が止まった。
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そして、おじさんが降りてきて
「乗ってくかい?」と
ありがたい事に
山の下まで乗せてもらえる事になった。

降りる時にお接待で。と言って1,000円を頂いたり
本当に至れり尽くせりして頂いた。

感謝感謝の一日がようやく終わって。
宿へ6時過ぎに帰ると誰もいなかった。

食材も尽きたので、少し休憩してから
酔いが冷めた頃に自転車にまたがり
激安スーパーのラムー系列のお店が隣町にあると
雄大さんが言っていたのを思い出して
まだ元気があったので片道7kmある距離に買い物に出かけた。

宿に帰ってアボカドと新玉の鰹節まぶしサラダに
豚の角煮をショウガたっぷり入れて作った。
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やがて雄大さんも帰って来て
豚の角煮を酒のつまみに買って来たビールを一緒に彼に勧めた。

本当は善根宿のおじさんにお礼のつもりに買って来たんだけど
今日は疲れて家に帰ってしまったみたいだ。

そうしてお参りと登山の二日間を終えた。

5月22日 木曜日 (14日目)

朝8時に目が覚めた。

平日の田舎の町外れにある公園は散歩に来る人も少なく
のんびりと朝を迎えられた。

近くに管理事務所があるから
職員の人に朝から叩き起こされるんではないかと
心配していたけども大丈夫だった。

ちらほら散歩に来る人と会話したりしながら
少し疲れも溜まって来ている様だったので
昼頃までゆっくりと過ごす事にした。

重たい自転車を明るい時間は
丸一日、毎日動かしていると
まだ体が慣れていなくて付いていかない。

昨晩3日分のブログが溜まっていて
書き上げる為に夜の食事を抜いていたので
たんまりと朝食を作った。

タマネギ、人参、山芋のみそ汁を山盛り。
昨日の朝に作ったおにぎり3つ。
その半分を使ってたまごご飯、納豆
そしてメインディッシュは
鳥の胸肉をオリーブオイル、塩こしょう、
すりおろしニンニク、醤油、豆板醤で炒めた
名付けてピリ辛うまし焼きを食べた。
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作り過ぎて最後の3口が
なかなか食べれないほど山盛り食べた。

今日は朝も動いていないし、2食で済ますつもりだ。

12時のサイレンが聞こえて
そろそろ動こうかと言う気になってきた。

荷物をまとめて出発。

今日は60番札所からといきたい所だけども
険しい山の上にある。
自転車を押して上がるほど愚かな事はない。

地図で言うとこうだ
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左側の川内インター付近の公園で寝泊まりしていたので
61番札所香園寺から63番札所 吉祥寺に行く事にして
出来るだけ山に近い所の公園まで行って
自転車をどうにか置かせてもらえる場所を確保する計画を立てた。

61番札所 香園寺

遠くから見ると寺があるはずなのに
体育館があるな。あれー?
そう言いつつも近づいてみると

その黒いレンガの重厚感あふれる本堂がどっしり立っていた。
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ここで地図と傘帽子と白衣を買った。
初めは傘帽子だけで白衣は無しだと考えていたけども
なんだか気が変わって白衣も購入。

のちに、この選択がこの日の運命を大きく変える事になった。
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62番札所 宝寿寺
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ここでは納める札に名前などを
寺の前で書いて準備している時
お接待をされる側の巡礼者のお母さん方に
お茶、あめ玉二袋、二人から1000円づつなどを頂いた。
本当に感謝だ。

四国八十八ヶ所+日本一周は
四国だけを回っている人にとっては
相当大変な風に思えるのだろうか。

何はともあれ本当に感謝です。

63番札所 吉祥寺
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すべて一本道の沿いにあって3kmごとにあったため
すぐに3カ所をお参りする事が出来た。

これから山に上がる前に
食材を調達してから上がらなければ
この先買えないかもしれない。

そう感じた時に乳母車を押して歩いている人に
前方の先に見え隠れする看板はスーパーか訪ねた。
そうだと教えてくれたがついでに
山へ上がる道には食材が帰る場所があるか聞いてみたが
やっぱりなさそうだった。

そして、スーパーへ向かった。

少し痩せてきている事が体重計に乗っていないけども
見て分かるほどまでなっていた。

肉を食べなければ。。

そうして肉のコーナーに何割引!と書いてある商品だけを見て
豚肉の細切れにした。
ショウガ焼きにしようと思って生のショウガを見に行くと
6巻ケースを3つ持ったおじさんが近寄って来て話しかけられた。

「今日は泊まる所きまっとるんか?」

あ、いえ明日山を登るので
適当に山の方面に行って
そこら辺で野宿すると思います。と答えた

「善根宿にくるか?」

ん??

あまり聞き慣れない宿の名前で
一応、そこはいくらするんですか?と聞き返した

「いや、善根宿じゃからタダやぞ。」

まさか、あるあるとは聞いていたけども
まだ情報収集が出来ていなくてどこにあるか全く知らなかった。
ましてや、向こうの方から呼んで頂けるなんて
思いもよらない出来事だった。

場所もそこからほど近い場所にあると言うので
是非泊めて頂く事にした。

手にもっていた食材を見ておじさんは
「それは置いてけ!飯はあるから明日買え!」と
ぶっきらぼうに言い
「わしゃ軽トラで帰るから自転車で後ろ付いてこい!」
と勢いよく言った。
決して嫌な感じの言い方ではなかった。

元気にはいっ!と言い付いていった。

5分ほど付いていった所に
空き地にプレハブ小屋が建ててあり
そこが善根宿の様だ。

今日は一人先客が居るらしいが
おじさんの畑の手伝いをしているみたいで部屋には居なかった。

今からそのもう一人にジュースでも飲ませてやりに行くから
貴重品だけ部屋ん中入れてそこに行こうと言われたので
さっさと自転車と荷物を置いておじさんの軽トラに乗った。
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そしておじさんの畑に向かう。

今日は寝床がある。
そんな安心感から気持ちは上がった。
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畑に着いてからなすびの葉っぱの間引きをしている
もう一人の先客に挨拶をした。

雄大さんと言う33才のお兄さんだった。

畑から車を少し走らせた所にもプレハブ小屋があり
おじさんはそこに案内するために軽トラの自分は定員オーバーのため荷台にのった。

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雄大さんとの会話の中でおじさんの名前はくすのきさんだとわかった。

プレハブ小屋に入るとおじさんは
「これからちょっと用事があるけぇコーヒーでも飲んで待っとってくれ」
そう言い残しどこかへ行ってしまった。
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残った二人で2時間ほどコーヒーを飲んだり
外でタバコを吸ったりして話しをした。
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雄大さんは一周終わってから
続けて二周目に入って居るみたいで驚いた。

なぜそんな形で続けているのか訪ねると
仕事を辞めて次に何をしようか考える為に2月の
寒い時期から徒歩でお遍路を初めて、
寝袋一つだけの野宿スタイルでまわっているみたいだ。

一度、88カ所目まで来たが
1番〜10番ぐらいまでは初めてで何も分からず
お経を呼んだりちゃんとしたお参りが出来ていなくて
スタンプラリーみたいになってしまい
この先どうするかもまだ見えなかったので
きっちりした作法でもう一度まわっているのだそうだ。

くすのきさんが帰って来た。

後で風呂に行くから空豆を採ってきてくれと頼まれたので
住み込んで3日目になる雄大さんは訳を理解して
「こっちだよ。」と案内してくれた。

そこに向かう途中
「それで風呂代にするけんの」と聞こえた。

豆を渡したら入れる風呂があるの?!
驚きであった。

雄大さんが「どういう訳か、あの人は顔が広いんだよ。」
そう空豆を採りながら教えてくれた。
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豆を採り終えてプレハブ小屋に戻ると
お疲れさまのビールを頂けることになった。

雄大さんと乾杯して
砂ズリを塩こしょうで炒めたものと
空豆も塩だけで炒めてつまみにしつつ
3人で小一時間話した。
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おじさんも昔はよく色んな所を旅したらしく
その時にたくさんの方に助けられたので
こうして善根宿をしているそうだ。

様々な話しをした中で印象深いのが
この世の中は輪廻天性している。と言うお話だった。

おじさんは言った。
「この世では数学や理論だけじゃ説明しようのない事が沢山沢山ある
輪廻天性と言ってぐるぐる色んな事がこの世に回っている。
悪い事をすれば、悪い事が寄ってきて
良い事をすれば、必ず良い事が寄ってくる様になっとるんじゃけん

一つの物事があっても100人いたら
それを感じる感じ方もそれぞれ違う。

どういう心持ちで行動するかに寄って
回ってくるものが違うんじゃ。」

そんな素敵なお言葉を頂いた。
納得出来る。

もし今日自分が山に登るのが億劫だと感じ
ダラダラ行動していたら
あのスーパーでおじさんと出会う事はなかっただろう。

やはり、やっている物事に対して希望を持ち行動する。
それだけでそのパワーは説明しようのない力で
自分に返ってくるのだ。

晩酌も一段落して山の方にある風呂に向かった。
辺りももう既に暗くなって風呂に向かう途中
おじさんがいきなり道端に車を止めた。

雄大さんが「トイレでもするんですか?」

おじさんは「いや、お地蔵さんに挨拶するけん降りてこい」
そういって道端にある立派な大きなお地蔵さんへ近寄り
両手を合わせて合唱して 般若心経を唱えた。
それに付け加え
「こちらに居るのが上鶴芳彰といいまして、
今自転車で日本一周しておられます。どうか安全に周れます様に。
よろしくお願いします。」
そうお地蔵さんに紹介し安全を祈願して頂いた。

後ろにいる僕と雄大さんも
ずっとおじさんがやってくれている間
手を合わせて礼をしていた。

このおじさんは素晴らしい方だ。
心からそう思った。

お風呂についてびっくりした。

豆で入れるくらいだから安い銭湯の様な所だと思っていたが
高級感あふれる宿の温泉であった。

立派な玄関を入り、目の前の右手にあった厨房の前まで行って
「豆もって厨房に挨拶してこい!」
言われた通り厨房へ行って

楠さんからの豆を持ってきました。
今日はよろしくお願いします。

そう言って挨拶するといつもの事なのか
「あーはいはい。」と簡単な答えが返ってきた。

この人は何者だ…そう思っていると
おしゃべり好きな楠さんは
「ちょっと話しするけん、先は行ってこい」
そう言い二人を先に温泉に入らせてくれた。
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この湯を見てもビックリで乳白で
見るからに良い湯なのだ。

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温泉の底の隅には白いクリーム色の泉質が溜まった泥まである

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本当に良い湯だ。

僕は、あの人は何者なんですかね、、
長い髪の絡まった頭を洗いながら雄大さんに訪ねると

「いやー、わからんけど
昨日も前市長とここで喋ってたよ。」

そんな答えが返ってきて更に謎は深まるばかりだった。

髪の手入れが手間のかかる自分が
やっと風呂に入る頃には
おじさんと雄大さんは風呂を上がっていった。

その温泉を独り占めして6日ぶりの湯を楽しんだ

あーーーー最っ高。
こんな事があるなんて思いも寄らなかったな。
目をつぶって湯につかり、只々感謝した。

風呂を上がって宿の人にお礼を言い
善根宿へ戻った。

おじさんは近くに家があるので
「自由に使っとくれ」
そう言い残し家に帰って行った。

宿に入りご飯を食べていなかったので
有り合わせの食材を使って雄大さんの分も作り晩飯にした。

基本的には善根宿と言うのは一泊だけと言うのが基本なんだけど
ここは他と違い全然違うらしい。
何泊も泊まってもおじさんは何も言わないし
ましてやご飯もたまに出て来て酒も飲ませてくれて
風呂にまで連れて行ってくれるのはここぐらいだよ。

そう2周目の雄大さんが教えてくれた。

晩飯も食べ終わって
アンドレーに荷物になるからと貰った日本酒を
コップ半分に注ぎ乾杯した。

ちびちび飲みながら明日の予定をたてていると

雄大さんは飲み干した頃に布団に入って先に寝てしまった。

明日は横峰寺にお参りして
ついでに後ろにそびえる石鎚山を登山する事にした。
どうも一日じゃ無理そうなので
一泊二日で山の中で泊まりつつ帰って来ようと思う。

そんな事が出来るのはここに来れたからだと言うのは
言うまでもない。